941話 この世の地獄
その後も上級神達は、「誰が"下痢便"を供物として捧げ、闇神に呪いをかける儀式」を担当するか、モメまくり……
最終的には取っ組み合いのケンカが始まって、スカベンジャースライムから警告を発せられた。
『止めて! これ以上、中で暴れられたら、僕壊れちゃう!』
普段であれば「そんな軟弱者はとっとと潰えろ!」と、目下の主張をスルーする上級神達だが、環境がそれを許さない。
もし今、本当にスカベンジャースライムが衝撃に耐えきれず壊れてしまったら、物理的なバリアを失った彼等は「発酵した糞尿」に晒され……
地獄の環境で、目的地までハイキングするハメになるからだ。
だから警告を受けた上級神達は、「ヤバイ!」と焦って動きを止めたのだが……規格外に頑強な肉体を持つ彼等と違い……
すでに体外へ排泄された闇神の下痢便は、急に止まることなどできない。
結果として……贈答箱の中でタプついていた下痢便は、衝撃を吸収しきれず空を舞い、天井にぶつかって箱の中から飛び出して、雨のように降り注いだ。
「「「「「「「「「「ギャアァァ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!?」」」」」」」」」」
動物園でゴリラに投げられたウンコですら嫌なのに、知り合いの……それも殺傷力が高い「下痢便の雨」をくらった、上級神達は……
たまらず声をあげて神殿テントに避難し、己の不幸を呪った。
だが、雨が止んでも残酷な現実は続き……高額課金でゲットした布テントは、もれなく「下痢便の雨」で汚れて、使用済みオムツ状態に。
またスカベンジャースライムに清掃を要請しても、「そんな予算出ていないもん!」と言われ、チップを払わされることに。
極めつきは、メグミの働神心あふれるフォロー。
爆散したことで最早"供物"としては使えなくなり、儀式の話もなくなったと皆が思った直後、無料で"追加の下痢便"が差し入れられたのだ。
『闇神が"トイレの神様"になっていて、出し放題しているので、予備はたっぷりあります! 定期贈与も可能ですので遠慮なくお使いください』
「「「「「「「「「「要らねぇよ!」」」」」」」」」」
爆散されたフォローにと贈られた"追い下痢便"は、上級神達全員が儀式に使ってもなお余る量あり、"押し付け合い"が成立しない。
しかも再度ブチ撒けたところで、どうせフォローが入るのだから、働神のアドバイスどおり"供物"として使い切るしか、下痢便から解放される道はないのだ。
そしてメグミからは、"追い下痢便"に加えて、「煽りに使えるマル秘写真集」と題した闇神の<ピー>画像が大量に贈られた。
あまりに汚くキモイので、合成写真であってほしいところだが、残念ながら加工ナシの本物である。
混ぜ物ナシの下痢便だけでなく、この画像群も、見るだけで臭ってきて気分が悪くなる特級呪物。
結果として上級神達は、物理攻撃を受けたわけでもないのに大ダメージをくらい、そのストレスを闇神にぶつけるように"呪いの儀式"を始めた。
なお……出しに出した闇神は、現在、泣きながらティッシュで尻を拭いている。
先程モニターに煽り映像が流れ、怒りで力んだ結果、ダムが決壊したように下痢が勢いよく発射され、完全にケツが壊れたのだ。
「うぅっ、くそぅ……っ!」
傷ついた腸と肛門は、持ち前の再生能力ですぐ元通りになるが、ヒリヒリ感・灼熱感は消えず拭くだけで痛むのである。
痛いからといって、痛覚を遮断して適当に扱うわけにもいかない。
もしそんな事をしたら、感覚の鈍った肛門が「屁」と「実」を間違え、服を着た状態で下痢爆弾を爆発させてしまい、新たな黒歴史を刻むハメになる。
そんな悲惨極まりない状態になっている闇神に、さらなる厄災が降りかかる。
ありがた迷惑な"追い下痢便"プレゼントによって、仲良く全員で「呪いの儀式」を執りおこなえるようになった、上級神達が……
全身全霊の恨みを込めて、闇神を呪ったからだ。
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一時的に、消化物の進行方向が逆転する。
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まず即効性の呪いで、ガードする暇もなく「下痢便の元」を逆流させられた闇神は、口から臭いブツをゲロゲロ……。
そして当然、嫌悪感に耐えられず咽せてしまい、鼻腔にもブツが入りこんで事態を悪化させた。
闇神も腐っても上級神だけあって、すぐ危機に気付き防呪結界を強化したため、次なる呪いは防げたものの……
ゲロったブツは便器外に放たれたため、ミッションルームは悲惨な有り様に。
当然、その様子を見ていたメグミは「部屋を汚すな!」とマジギレし、原状回復にかかる費用を請求。
スピード重視の呪術一発で、闇神の心身・環境・財布全てにダメージが入る、供物様様な結果となる。
もっとも……その代償として、下痢とゲロが混ざった「限界突破汚物液」が誕生したため、メグミによる「追加プレゼント」の脅威は増した。
彼は……ダンジョンを汚されて怒ってはいても、利用可能なモノはしっかり回収して悪用する"効率厨"なのである。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






