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940話 こうして現場班は救われた




 ギスギス……そんな簡単な言葉では語れない程の精神的ダメージを、「メグミからのプレゼント」は上級神達にもたらした。


 失礼なのはお互い様なので、まぁ仕方ないところもあるが……大前提として、彼等は「闇神を殺してくれる予定の"味方"」である。



 そんな上級神達にも、躊躇わず"ぶぶ漬けプレゼント"ならぬ"顔見知りの下痢便プレゼント"で、O・MO・TE・NA・SHIするメグミ達。


 ハッキリ言って、鬼畜の極みだ!



「…………。なぁ、これ……どうする?」


「どうすると言われても……」



 だからと言って、「ふざけんな!」と投げ捨てるわけにもいかない。


 どれだけ臭く気持ち悪くても、贈られた下痢便は「闇神に遠隔攻撃をしかける鍵となるアイテム」であり、それを一番活かせるのは上級神たる彼等だから。



 ゆえに本音を曝け出して、メグミに「不敬だぞ! クタバレ!」と怒鳴り散らすわけにもいかないのだ。


 中身が完全な"嫌がらせ"であっても、「切り札になるかもしれない重要アイテム」という名目は、通っており……


 現在いる場所が「メグミの腹の中同然のダンジョン」である以上、「ありがとう」以外の答えを返すと、もっと酷い目に遭わされる可能性が高いからである。



 だからこそ、受け取った上級神達も渋い表情を浮かべるだけで、そのブツを投げ捨てはしなかった。


 とはいえ……「臭い・汚い・キモイ」3拍子揃った特級呪物に違いはないので、やる事がなくヒマを持て余すスカベンジャースライム・バスの中では……


 ブツの押し付け合いが勃発し、チームワークとは対極の状況に彼等をいざなう。






「なかなか趣のあるプレゼントだな。立派な神殿を購入した者もいる事だし……ぜひ神として、その神殿で"闇神を呪う儀式"を執りおこなってもらいたい」


「いやいや、呪術の腕はお前の方が上だろう! 私はこの中じゃスタミナも少ないし、直接闇神と戦うときまで体力を温存する」



「何の為に、その煌びやかな簡易神殿を建てたというのか? 神の仕事の象徴でもある"儀式"すら執りおこなえないのであれば、ソレはただのハリボテだぞ」


「むぅ……。(仕方がないだろう。この揺れ動くスライム内で、供物として下痢便を注ぎ儀式などしたら……神殿内部に溢れて大惨事だわ!!)」



 まず標的となったのは、素早い判断で「一番良質かつ大きなサイズのテント」を購入し、先程までヒエラルキーの頂点に君臨していた神。


 彼は9神に囲まれて「お前がやれ!」と詰められる状況に追い込まれたが、幸か不幸か……上級神の割には呪術が苦手だった。


 ゆえにソレを口実に何とか攻撃をかわして、次点で標的となりそうな神へ「不幸のバトン」を渡す。



「全体的にバランスがとれている、キール神がいいんじゃないか? 充分な神殿・優れた呪術の腕・余りまくっているスタミナ……条件は揃っているだろう」


「ぐ……っ!!!?」



 もっともな言葉と共に、下痢便が入った「献上用の上質な箱」を押し付けられた上級神<キール>は……


 その瞬間、ほのかに香る漏れ出た下痢便のニオイに吐き気をおぼえ、体調を崩して"病人ムーブ"をブチかました。



 実際に心身とも参ってしまったので、仮病とは言えないのだが……自業自得感がハンパない。


 彼が槍玉にあがった理由の一つである「余りまくりのスタミナ」は、サボり癖のある上級神達の中でも、特にサボりを極めた結果に他ならないからだ。






 その後も上級神達は、何とか理由をこねくり出して"糞儀式"を他者に押し付けようと、醜い争いを続けた。


 結果……「下痢便を利用した呪術の儀式」はいっこうに始まらず、ただ厳かな箱の中でタプタプし続け汚臭を放つという、地獄絵図と化したのだが……


 それによって助かった者達もいる。



 先程ついウッカリ「上司への悪口大会」を開催してしまい、名前を覚えられるほど上級神達の恨みを買っていた、前線で戦う中級神達だ。


 彼等は理由こそ分からぬものの、突然「上司からの理不尽な指令」が届かなくなり、<働神の加護札>強制付与イベントも止まったので……


 戸惑いつつも「天の恵み」と感謝して、モニターに映る「働神カラオケ中のメグミ」に賛美をおくり、神として奉った。



 その結果……


『メグミ君。なんか神オーラ、増していない? 威圧されているような圧迫感をおぼえた』



『えっ、本当ですか? 特に誰か殺したわけでも、新たなリソースを注がれたわけでもないのに……。でも、モンティート先輩に言われると嬉しいです!』


 意図せずメグミの神格が強化され、働神によるダンジョン支配がさらに強固なものとなる。



 なお……知らない間に供物として下痢便を採取され、ライバルである上級神達に公開される、羞恥プレイをくらった闇神は……


 それに気づく事もなく、現在も便座に座って下痢便を垂れ流している。


 彼にとって当面の課題は、「下痢を止めてパンツを履くこと」であり、遠くで醜く言い争っているライバル達の状況を注視する余裕などないのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
これは酷いマッチポンプ(無自覚) 現場班を苦しめる環境作ってるのに、いつの間にか信頼に裏返ってるとか… まあ、クソ1つまともに扱えんクソ以下の上役に一杯食わせてるのがウケがいいのもわかるけど(おいっ)…
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