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933話 究極の選択


〜メグミside〜




 自爆でケツが大惨事になっているなぁ〜と思っていたら、頭まで壊れたのか、闇神がとんでもない事を言い出した。


『捨て駒としてこんな肥溜めの中で使い潰されている以上、隣にいる中級神共も限界が近いはず……。前回は失敗したが、今度こそ"寝返り"を呼ぶチャンスだ』



 討伐軍の上級神も大概クズなので、闇神が栄華を極めていたときならまぁ、あり得ない話じゃなかったかもしれないけど……


 ここまで落ちぶれた現在、さすがにソレは無理筋だろう。



「そもそも、中級神を寝返らせたって使い道ないじゃん! あぁ、その汚いケツでも拭かせる気か?」


 不利な側に寝返らせるなら報酬も弾まなきゃいけないが、「上級神=搾取体質」がデフォなので、きっと「後払い。それまで生きていたらね♪」なんだと思う。



<<<<<<<<<<−−− ズコッ! ゲホゲホゲホ……ッ!! −−−>>>>>>>>>>


 あ〜ぁ……闇神が突発的にキチガイ発言をしたせいで、嫌々ながら奴の様子をうかがっていた討伐軍の中級神達が、ズッコケて咽せちゃったじゃん!


 衛生的な環境で作られた料理とはいえ、香辛料をふんだんに使った激辛料理である以上、気管に入ったら逝く。



『『『『『『『『『『あぁ〜、喉がぁ〜! 喉がぁ〜〜〜〜っ!!!!』』』』』』』』』』


 可哀想ではあるけど……放っておいたら、備え付けの自販機で「ボッタクリ価格の低温殺菌牛乳」を多量購入してくれるかもしれないし……


 なぜか僕、あの神様達に嫌われちゃったみたいだから、遠くから大人しく見守っておくよ。






 一応味方ではあるものの、実質"部外者"の僕等は静かに見守り、闇神は妄言とともに下痢を出し続けた。


 こんな有り様では、到底「引き抜きによる寝返り工作」などできる訳もなく、闇神の企みは"戯言"として終わる……


 そう考えていたのだが、現場が誰一人裏切る気配を見せていないにも関わらず、看過できなかった連中もおり、すぐさま"余計な仕事"を開始。



『ウゲッ!? 上級神様から、お怒りのお言葉が届いたぞ。"誠意を示せ"と記されている。今すぐ手元にある<働神の加護札>を貼って、闇神を殺せ……と』


『いや、無理に決まっているだろう! そうでなくても、先ほど手元が狂って激辛スープを目に入れてしまい、心身共に限界だというのに』



『どうしよう。俺……亡命したくなってきたな』


『正気に戻れ! 亡命先はアレだぞ。下痢を出すことが仕事になっている、プライドだけ高い落ち目の闇神だぞ!!』


『そうだ! もし寝返ったら、最初の仕事は"下痢便の片付け"になるかもしれない。そんな屈辱、受けてたまるか!』



『だけどさぁ〜、<働神の加護札>を強制的に装着させられるのも……尊厳破壊そのものだし、まっとうな神生の終わりだぜ?』


『『『『『『『『『……………………』』』』』』』』』



 余計なことさえ言わなければ、中級神達は「闇神キモイ」でまとまり、奇襲こそかけないものの有利な状況が続いたというのに……


 なぜ"あらぬ疑い"をかけて、「ウチの上司も大概だな」と思わせてしまうのか。


 ひとえに「捨て駒でしかない部下の感情なんて、推しはかる価値などないし興味もない」からなのだが、あまりにもバッドタイミングと言わざるをえない。






「彼等の悲哀を見ていると、僕等は本当に恵まれていたと改めて思うよね〜。ちょい意地悪なところもあるけど、先輩達優しいもん!」


「そうだな。スティーブ&カルマ視点だと、お前が上級神と同じ"鬼畜上司"ポジションにいるから、何とも言えねぇが……」



「酷っ! 僕はちゃんと二人が死なないように支えたし、彼等が望めば、いつでも強力な加護を与えて楽しい労働人生をおくれるよう尽力するよ!」


「(それを世間では、"ありがた迷惑"って言うんだよ)」



 マサルの冷たい視線が突き刺さってムカつくが、僕とあのクソ上司達を一緒にするのは、さすがに違うでしょう!


 ほら、見てごらん。


 究極の二択を迫られた中級神達だって、今にも泣きそうな顔をしているし……あれ?



『なぁ、いっそ働神<メグミ>に寝返らねぇか? ナチュラルに狂っているが、驚異的なスピードで成長している将来有望株だぞ』


『働神の下につくなら、加護で性格を破壊されても組織に適応できる? たしかに狂ってはいるが、働神は上司達ほど性格悪くねぇもんな』


『格下だった若造の軍門にくだるのは、プライドが邪魔して耐えられんが……搾取野郎やウンコ野郎を上司にするより、まだマシかも…………』



 いや待って、ちょっと冷静になろう!


 いくら命令に従うのも闇神に寝返るのも嫌だからって、逃げるように、"第三の選択肢"として「僕の配下につく」なんて考えないでくれ!



 僕にだって、選ぶ権利はあるんだよ。


 何が悲しくて、「捨て駒として使われるほど役立たず」という烙印を押された"能無し神"を、部下に迎えなきゃいけないのさ!!

読んでくださり、ありがとうございます!


10月8日に、『クラス全員で魔王転生!』のコミック2巻が発売されました!

興味がある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


詳細ページへは、下の表紙イラストから飛べます↓↓↓

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― 新着の感想 ―
第842話で魔人族(魔王)→下級神「働神」へ、第914話で更に中級神へと昇格した20歳のメグミに対して、他の中級神たちがあんな態度を見せるとは! 次から次へと凄い展開だ。
むしろ手頃な人材でさえあるんだけどなぁ。 直属の上司がアレだから下馬評が全くアテにならんし、少なくとも中級神になれるくらいの能力はあるんだし。 まあ、新米神じゃポスト用意できんからそもそも彼らの受け…
いや、今まで(闇神討伐以前からのブラック)生き残ってる時点で中級神の実務能力は担保されてるんだし、 役立たずの捨て駒にすると判断した上級神の判断基準が信用ならんから、能無しとは限らんぞ。 十分な使用期…
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