表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

929/938

929話 闇神流の解決策


〜闇神side〜




「どうする? この危機、一体どうすればいい?」


 目の前に置かれた山盛りの激辛料理は、激辛なんてどうでもいいほど調理過程に難があり、あのクッキング動画を見せられた後じゃ口に入れられん!



 しかし、コレを含む激辛料理のフルコースを制覇しなければ、先へ進む扉は開かず、力技での突破も困難を極める可能性大。


 ゆえに感情面を抜きにすれば、調理過程はどうあれ一応「消化できる有機物」であり、鑑定しても特に異常は見られない、この料理を食うのがセオリーだろう。



「(だが理性が"Goサイン"を出しても、感情が全く追随しない。そりゃあそうだ。あんな外道クッキングを見せられて、その成果物に食欲など湧くわけがない!)」


 今すぐ記憶から消し去りたいのに、私のムダに優秀な頭脳がクッキング動画を1秒も漏らさず記憶してしまい、気を抜くとすぐグロ映像が脳内再生される。



 そもそもの話として、たとえ熱で全てが消毒されて衛生面の問題が解決されたとて、あんな酷い作り方をされた飯を食うなど屈辱だ!


 私は、神の中でもトップに君臨する上級神だぞ。


 その高貴な私が、どうして肥溜め暮らしのオークキングや口裂け女の病原菌が入った、悪意盛り盛りの汚物飯など食わねばならぬ!?






<<<<<<<<<<−−− ジィ…………イッキ! イッキ! イッキ! イッキ! −−−>>>>>>>>>>


「ん、次は何だ? イッキ? …………。クソ自販機共、こんな動画で私を煽りやがって! 誰が、こんな汚物飯をイッキ食いするか!?」



 食わねばならぬと理解していても、拒絶感が理性を凌駕してしまい手をつけられない私を見て、このままでは埒が明かないと思ったのか……


 これまで「応援旗を振る映像」を流すだけで大人しく鎮座していた自販機共が、急に「魔王<メグミ>がジュースを一気飲みするCM」へ切り替えやがった。



「そんなにイッキして欲しいなら、テメェが飲んでいる美味そうなジュースをよこせ!」


 というか……テメェの首さえ手に入れば、その頭蓋骨を皿にして汚物飯を盛り、一口くらいなら「勝利の晩餐」として食ってやらんでもない。



「(ぬっ! 足止めされている間に、討伐軍の奴等もこのフロアに入ってきたな。だがまぁいい。奴等にも、私に出されたのと同じ汚物飯が……ん?)」


 ちょっと待て、「敵の敵=味方同士」の魔王<メグミ>が奴等に汚物飯を出す合理的理由など、無くないか?



 仮に同じ激辛料理が出されるとしても、奴等に提供される飯は「衛生的な環境で作られたただ辛い飯」である可能性が、極めて高い!


 そうなると、私が手をこまねいている間にパパッと激辛料理を処理され、先を越されてしまう!



「中級神如きに先を越されたところで、直接戦えば負けはしないが……これを好機と見た上級神共が、挟み撃ちを狙ってくるかもしれん」


 そうなったら私は、汚物飯を胃の中に納めたまま極度のストレス状態で戦闘を強いられ、堪えきれず地に伏すだろう。


 いや……この糞ダンジョンの場合、倒れ伏す場所が、地面ではなく文字どおり"糞の中"になってしまう可能性も……。






「ふぅ〜、仕方がない。覚悟を決めるべきだ! 大丈夫。たとえ飯がクソだろうと、直接消化管に触れぬよう細工をすれば、万事解決!」


 ゼリーで包むか?


 いや……ゼリー程度では、ふとした拍子に汚物飯が漏れ出して惨事になるやもしれん。



 ならば頑丈な金属のカプセルに……ダメだな、出口で詰まるわ。


 口から肛門まで一時的にチューブを通して、その中を無理やり通過させ、食ったことにする案はアリか?


 だが「胃まで」と「大腸から」はともかく、十二指腸と小腸は細くて厄介だし、そもそも貫通可能な太さのチューブじゃハンバーグなんて流しきれない。



<−−− ピーンポーンパーンポーン♪ −−−>


『ミッションに挑戦中の良い子達にお知らせです! 課題の激辛料理は、上からじゃなくても"食べれば"OK〜! マゾヒスト君は、ぜひチャレンジしてね〜』



「それだっ! 無理やりケツに詰め込んでミッションをクリアした後、この部屋を抜けたところで出せばいい!」


 口から詰めようと思うから、クッキング動画で見せられた「不衛生極まりない調理過程」が気になるのだ。


 ケツの容量を異空間でも作って一時的に拡張し、「もうじき糞として排泄されるもの」として溜め込めば、「便秘で腹が痛い」程度のダメージになる。



「私は断じてマゾヒストではないが、こんな汚物飯……口から入れる方が、屈辱的だろう。適当に包んでケツに仕舞えば、全て解決!」


 この時の私は、「いかに汚物飯を処理するか」に気を取られ過ぎていて気付かなかった。


 この部屋には監視カメラが仕掛けられており、もしそんな事をしたら、鬼畜魔王の<メグミ>が「ケツ丸出し映像」を拡散するに決まっている……という事を。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ケツ丸出しそのものは既に拡散しまくってて今更なので誤差ダメージ。 「自分の意思で食い物を挿入する」ってところが今回のダメージポイントかな
>私は断じてマゾヒストではないが それ以前に断じてよい子ではない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ