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925話 恐怖の讃美歌




 被害者達の強い希望により、追加報酬ナシで量産ループに入った、闇神への煽り動画と呪詛動画制作。


 その成果は、途切れる事なくインタビュー映像が流れ続け、闇神のメンタルをゴリゴリ削るという形で、功をあげており……


 よりモチベーション高く罵倒に勤しんでもらうために、担当者達が告げた「貴方のおかげで闇神が参っている」という言葉で、さらに拍車をかけた。



 常に煽りor呪詛動画だと、闇神も慣れてしまいメンタルの消耗度合いが限定的になるので、緩急をつける目的で稀に別系統の動画が流されることもある。


 しかし……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


<−−− ブッ、ブブゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! ブリリリブリリブリリリリッ! −−−>


「ふぅ〜、いっぱい出たぁ〜。でも下痢便だなぁ〜。ニンニク食べすぎちゃったのかも」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 こういう"音から臭い排便動画"が流れた直後に、頭上からその「出したてホヤホヤのブツ」が降ってくるという、臨場感あふれるパターン。


 または……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


仕事〜し〜てたら〜朝が来た〜〜。


仮眠? そんなの要らないよ〜♪


やる気があれば無限に飛べる〜、さぁ始めよう〜今日の仕事〜を〜〜。


サン、ニ〜、イチ、ハイッ!


ノルマ〜♪ ノルマ〜♪ ノルマ〜♪ ノルマ〜♪ 


この世はノルマで回ってる〜〜♪


こなそう、ノルマ〜♪ ノルマ〜♪ ノルマ〜♪


働け〜ば、皆が笑顔にな〜る〜さ〜〜〜〜♪


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 このような、メグミの生声でおくる「モチベーション爆下がりの社畜カラオケ」CMのみ。


 ボン・キュッ・ボンのエロい美女が映ったり、癒し要素のある動画は一切流れず、闇神がイラっとし終えたタイミングで終わり……


 再び煽り動画と呪詛動画が繰り返される、地獄タイムに入る。






 もはや世界で一番嫌がらせされていると言っても過言ではないほど、あらゆる手段でメンタルを削られている闇神はもちろん……


 "キチガイ自販機"から逃亡しつつも闇神の監視を続けている、討伐軍の上級神達もまた、この地獄ループを見せつけられた。



 とはいえ……彼等は超一流の搾取者でサイコパス極まっているため、闇神に寄せられた被害者の罵倒映像を見ても、闇神と自分を重ねる事などなく……


 ただ「憎き闇神が貶められる飯ウマ映像」を楽しんでおり、「今後の言動次第では自分も部下に報復される」という恐れは、カケラも抱いていない。



 そもそも論として、目下の者を思いやり報復の可能性を考えながら統治する神は、普段から搾取などしないため……


 搾取体質のガメつい神に比べると、どうしても昇格が遅れ、いずれ騙されて出世レースから脱落するか処刑されてしまう。



 つまり上級神まで成り上がれた時点で、彼等に「目下の者を思いやる心」など1ミリも無いというのは、明白であり……


 ズタボロに罵倒されている闇神を見たところで、「搾取のやり方を間違えたバカ。為政者失格! ざまぁwww」という、サイコパスな解釈しかできないのだ。



 そして合間に流れる臨場感抜群の排泄動画も、上級神達の頭に下痢便が降ってくるわけじゃないので、多少「汚い」と感じる程度。


 というか……闇神がいるエリア自体が「巨大な肥溜め」であり、生々しいブツが降ってくる映像を見せられたところで、今更である。






 だが流石の彼等も、メグミが「全労働者の幸せ」を願って純真な気持ちで歌う、生声のカラオケを聞かされると、ストレスで膝をついた。


 嫌がらせで歌っているなら、まだ「底辺らしい考え方だな。そのまま地の底で一生働いておけ」と蔑み、聴き流すこともできる。



 しかしメグミの場合、嫌がらせでも何でもなく、本心から「労働の良さを広めて皆を幸せにしたい!」と思っており……


 加えて(<働神の加護札>等)実害もあるため、讃美歌(笑)を聴くだけで腹が痛くなってしまうのだ!



 そんな事など一切知らぬメグミは、周りにいる「悪い大人達」の勧めるがままマイクを持たされ、次々と「自作の労働歌」を熱唱させられた。


 もちろん本人は、それが「働神の務め」と勘違いしているため、喉が渇れるまで歌っても幸せいっぱいで、ニコニコ笑顔を浮かべている。



「メグミ君〜。カラオケ動画はたくさん撮れたし、次は詩吟でいこう! 君の吟じる労働詩吟、きっと闇神の心にも響いて"労働の布教"につながるよ!」


「はい、喜んで! モンティート先輩のお言葉に従い、与えられたノルマを最後までこなして、闇神が"労働教"に入るよう誠心誠意導きます!」



 自覚のない「ありがた迷惑な布教活動」は、時に「殺意が伝わってくる恨み節」より怖いものだ。


 しかし働神<メグミ>がそれを自覚して、周りの迷惑にならぬよう配慮する日は……残念ながら来ない。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
しかし<農民><小鬼>同盟が闇神スティグマの脅威から少しでも逃れるためには、あそこまでエゲツない事をやっても依然として決定打から程遠い感じもする。 また、本作がハッピーエンドを迎える為には、メグミを…
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