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913話 神々の動き




『なにが"雑魚なりに知恵を巡らせ〜"だ! こんな回りくどい文章じゃ分からんではないか! もっと正確に、何をどのようにやるか伝えろ!!』


『今すぐクレームを入れたい。だが入れると、詫び金代わりに大量の加護札が届くのがオチだ』


『しかも直近のメールで、私達用のオーダーメイド加護札を作る提案をしてきやがったからな。なぜ私達が、あんなモノの標的にならねばならぬのか!』



 事前に具体的な説明をしていなかったメグミに、クレームを送りつけようとしても、その先に待っているのは「ありがた迷惑な加護札(笑)」だけ。


 しかし散々な被害が出たことも事実であり……格下にしてやられたままだと、ムカつきすぎて安眠することができない。



 そんな板挟みの状況に置かれた討伐軍の上級神達は、ストレスで頭皮をかき毟り、せめてもの抵抗としてメグミに呪詛を吐いた。


 なお……メグミの名を借りて、加護札を盾に鬼畜外交を繰り広げているのは90%モンティートであり、当のメグミはサーシャに喰われていたのだが……


 上級神達がそれを知る術はないし、もし仮に知ったとて「ストレスを生み出す元凶が二人もいる」という事実に、より発狂するハメになる。



 非常識な狂人と関わってしまった時点で、彼等に精神的安息は訪れないのだ。


 もっとも……メグミの曖昧な表現によって、世界の付け替えを把握しないまま<恵のダンジョン>に突っ込み、不潔地獄に落ちた現場班に比べれば……


 精神的ダメージで済んでいるだけ、上級神達はまだマシな立場だが。






 そして上級神達ほどではないにしろ、優れた探知能力で闇神の動向を探っていた、現場の中級神達も……


 闇神が怒り狂って大声で真実を叫んだことで、「<サルトー区・ポルカト界>が<恵のダンジョン>に置き換わっている」ことに気づいた。



 彼等としては、突入先の世界が「下民の巣窟」だろうと「劣等な創作世界」だろうと、闇神が同じ場所にいれば問題なく、ただ闇神を追って進むだけだが……


 貴重な新情報である事には違いなく、成果を報告しないと体罰(=<働神の加護>付与)をくらうハメになるため、争うように報告書を作成。



 そして既知の情報が、「自分がどれだけ頑張ってキャッチアップしたか〜」という不要な脚色付きで、上級神のもとに届き……


 メグミに呪詛を吐いていた上級神達をさらに苛立たせ、彼等の鬼畜スイッチを踏み抜く。



『虚偽の報告をしてきた奴は、全員まとめて<働神の加護>付与の刑に処す! 自我を失った過労マシーンとなり、糞尿沼に沈みたまえ』


『死ぬ前に、ちゃんと闇神にダメージを与えろよ。打ち取れと言っているんじゃない。糞を口に含んで、顔から奴に突撃するだけでいいんだ』


『殴ったら口から噴出するようにして、自爆する最期か。いいな。誰でも得られる情報を、自分の功績であるかのように報告した、口だけ野郎に相応しい末路だ』



 哀れな話だが、誇張した報告をあげた中級神達は身の処し方を間違えた。


 その代償として支払うのが「自らの命と尊厳」なあたり、救いがないが……それが、「鬼畜の巣窟」である地獄世界クオリティーである。






 手柄を競って自滅した愚か者はともかく、討伐軍の方針は真実を知った闇神の動き方によって変わるため、闇神が行動を決めるまでは指示など出せない。


 ただ怒りに任せて絶叫する闇神の声を、一言たりとも漏らさぬよう盗聴し、彼の動向を探るだけだ。



 そして、その闇神はというと……怒りが限界突破して、絶体絶命の状況に置かれているのを忘れ、怒気エネルギーを大放出してしまい……


 モンティート指示のもと、<恵のダンジョン>の徴税システムによって、大量のリソースを奪われていた。



 だが流石に奪取量が多すぎて、頭に血がのぼった闇神も違和感をいだき、僅かながら冷静さを取り戻す。


「(おかしい。たしかに此処が<サルトー区・ポルカト界>ではなく<恵のダンジョン>なら、ターゲットに応じた搾取が可能なのも分かる。しかし……)」



 いくら細やかな設定ができる状態でも、下級神でしかないメグミが上級神に対して、ここまで大規模な搾取をおこなうのは不可能なのだ。


 もしそれが可能なら地獄世界は「物乞い神」だらけになり、豊かな上級神達もあっと言う間に財産を搾り取られて、神総貧困状態に陥るだろう。



 とはいえ……実際に<恵のダンジョン>では、不可能なはずの大規模搾取がおこなわれており、闇神でも痛手に感じる程のリソースが奪われた。


 つまり此処には、「<サルトー区・ポルカト界>じゃない」という罠以外にも、まだ「<農民><小鬼>同盟の悪知恵の結晶」が仕込まれており……


 それを解き明かさない限り、闇神は「いつ墓穴を掘るか分からない環境下」での立ち回りを余儀なくされるのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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