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906話 ダンマスとて例外ではない


〜メグミside〜




 寝落ちにより戦線離脱してしまったのは情けない限りだけど、その間も先輩方が頑張ってくれ、順調に「働かない奴等」から搾取していると聞き……


 働神として心が軽くなった僕は、いつもと同じくブッ壊れて使えなくなった足腰を諦めて、移動式ベッドに乗った状態で皆の所へ戻った。



<−−− ウィーーンッ −−−>


「あぁ、メグミ君お帰りなさ〜い。あっ、いや少し待って! サーシャちゃん。ゴニョゴニョゴニョ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


「うわっ、そうだった! すみません。一旦退却します! 失礼しました〜」



 と思ったら、なぜか秒で退却させられて再び<恵のダンジョン>最奥の、管理フロアへ戻される。


「どうしたの?」



「あはははは〜。もう少しキレイに洗ってからでないと、現場復帰させられないなぁ〜って。(これじゃ、働神爆発で徴税エリアに出た瞬間、自滅しちゃうし)」


「…………?」



 さっぱり分からないので詳しく尋ねてみたところ、現在<恵のダンジョン>で徹底した徴税対策が敷かれている副作用で……


 ダンジョンマスターである僕でさえ、特定の条件を満たした状態でダンジョン内の視察に出ると、課税沼にハマってしまうことが分かった。






「という事で、もう一回だけお風呂に入ろう! <十色の泉>の<青竹の泉>でリフレッシュしないと、エロ課税に引っかかっちゃうから」


「あ〜、つまり……この管理フロアを除いて、エロ関連全般に対する課税を激的に強化しているのね」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜十色の泉〜

乳白色で美しい10の冷泉が、枯れる事なく湧き続ける泉。

色は付いているが飲むこともできる。


・桜の泉(思い人と一緒に飲むと恋が実る)

・紅の泉(精力増強作用がある)

・山吹の泉(肩こり・腰痛を回復させる)

・山梔子の泉(MPを微回復させる効果がある)

・白花の泉(HPを微回復させる効果がある)

・青竹の泉(フレッシュな気分になれる)

・若梅の泉(頭の回転がはやくなる)

・常盤緑の泉(目の病気に効く)

・露草の泉(リラックス効果がある)

・葡萄の泉(香り高く美味しい)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そして、さっきモンティート先輩がサーシャにおこなっちゃ忠告は、たぶん「精の残り香が〜」云々だったと考えられ……なんか嫌だな。


 でも現在<恵のダンジョン>を荒らしている神々は、男神ばかりかつ戦続きで"ご無沙汰"なので、オ○ニー不足でエロに飢えているのだろう。


 そういう奴等をエロで釣って課税すれば、格上の神相手でも的確に課税条件を狙い撃てるし……このくらいの副作用は、受け入れなきゃダメだ。






 色々悟り諦めがついたものの、サーシャと風呂に入ったんじゃ、いくら<青竹の泉>でリフレッシュされても、再び喰われて課税対象になっちゃうので……


 僕は覚悟を決めて彼女に「混浴の辞退」を申し入れ、オートマタの介助を受けつつ入浴したうえ、過去に撮った「エロ撃退AV」を見て熱を冷ました。



「オエェェェ〜〜〜〜〜〜ッ!!」


 口内がゲロ臭くなるしシンプルに不快だから、好きこのんで見たいものじゃないけど、エロい感情を撃退するには役立つんだよ。


 ロミオット・ホムビッツ・ナステックの「元イジメっ子トリオ」を模した、ドッペルゲンガーが密に絡み合う、嫌がらせBL動画は。



 <セレクト>自販機をアダルト仕様にすると手に入る、日本産のキレイなAVデータと違い、この手の動画は対象者を貶めるために作ったブツなので……


 毛の処理とか<ピー>の美化なんてカケラもしておらず、"ありのまま"をドッペルゲンガーに模してもらい撮影した、モザイク加工ナシの汚映像だから。



 そして徹底的にエロ熱を冷まして、サーシャに抱きつかれたり刺激を受けたところで、再燃しないほど「ロミオット達の絡み」を頭に叩きこんだ僕は……


 完全に悟りを開いた状態で再度皆の所へ戻り、拒否されることなく受け入れてもらうことに成功した。






「どうしたんだよ、メグミ。今回はやけに、ソッチ系の後処理が早いじゃねぇか。いつもそうしてくれると助かるんだが」


「さすがに勘弁して! いくら冷却のためとはいえ、見たくもない野朗共の絡み映像を寝起きに脳内に刻みこむとか、地獄だから!!」



 というかマサル……彼女不在で"ご無沙汰"な君も、エロ課税されちゃマズイんじゃない?


 そもそも先輩方……はまぁ、年齢的に枯れている可能性が高いから問題ないとして、カルマとスティーブは課税対象になりそうだし……いいの?



「コソッ(サーシャちゃんが張り付いているお前はともかく、この過労環境じゃ、エロに意識を向けられるほど余力なんて残らねぇよ。理解しろ、超絶過労神!)」


「コソッ(酷っ! 過労神じゃなくて働神だし、ちょ〜っとフィーバーし易いってだけで"適切な労働環境"じゃん! もっと気楽に働こうよ〜)」


「コソッ(うるせぇ。浮世るのも大概にしやがれ!)」



 それでマサル……先輩と"エロの話"なんてしにくいから……悪いんだけど、「どういう課税項目」を設けたか教えてくれない?


 管理モニターいっぱいに表示された怪しい文字列を見て、なんとなく概要は掴めたけど、細かく教えてもらわないと知らずに引っかかりそうだし。

読んでくださり、ありがとうございます!


私が以前なろうで連載していてた「落ちこぼれ国を出る」のコミック第10巻が、8月8日に出版となりました。

我ながら面白いと思うので、興味ある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


下のイラストから詳細ページへ飛べます(^_^)

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