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904話 愛の目覚め(笑)


〜メグミside〜




 腰が痛い……というか、全身がなんか怠い…………あれ?


 僕は闇神を迎え撃つために、<サルトー区・ポルカト界>の代わりに地獄世界と繋いだ<恵のダンジョン>を、先輩方と協力して強化していたはずじゃ……。



「ぅぅぅ……重いよ、サーシャ…………」


「いや、目覚めたときの第一声! 女の子に向かって"重い"は禁句だって。せめて、"おはよう"とか"元気だね"くらいにして!」



「はい、スミマセン。おはようございます……サーシャ…………」


「顔から"重い"って本音がダダ漏れだけど、声に出すのは止めたからヨシ! メグミ君、おはよう。そしてお帰りなさ〜い♪」



 なるほど、このパターンは見覚えがある。


 そうか……僕はまたハイになり過ぎて、限界を超えシャットダウンしたんだな。


 そして童話の「王子様のキスで目覚める」パターンを、男女逆かつより生々しくして、いつも通りサーシャが起こしてくれた……と。



「でも、このタイミングで寝るのはマズかったよね? 闇神の対応、大丈夫?」


「大丈夫! メグミ君は、ちゃんと自分の仕事をやり切ってから寝落ちしたし、闇神もしっかり"挨拶"をくらって心折れているわ」


「そうか。なら、とりあえず良かったよ」



 毎度のことながら、先輩方&マサルに「どういう起こされ方をしているか」バレバレなので、皆の所に戻るのが気まずいけど……


 そんなの今更すぎるし、すでにネタにされた後だろうから、僕は絞られすぎて「5回煮出した後の茶っ葉」同然の"枯れ枝"として戻るのみ。






「あっ、そうだ。メグミ君に、アスタリア先輩からプレゼント。カサる虫を弾こうと足掻く闇神が、時々失敗してリソース泥棒の餌食になっていてね。はいコレ」


「おぉ、リソース珠! ありがとう。これでまた元気になれそうだよ!」



 こんな事をサーシャの前で口走ると、また限界まで搾り取られて"ミイラ"と化し、戦争終了までベッドから起き上がれなくなるかもしれないけど……


 アスタリア先輩の差し入れに対して感謝が甘いと、それはそれで「直系の後輩」である彼女から先輩に伝わり、後で教育的指導をくらう可能性が上がる。



 もちろん、この場合の教育的指導とは「SE・KU・HA・RA」ではなく「PA・WA・HA・RA」の方だ。


 それも価値観と倫理観がぶっ飛んだ、だけど厳しい一面もあるアスタリア先輩からの指導だから、心折れて啜り泣き辺りを徘徊するゾンビになってしまう。






「討伐軍の方々は? ちゃんと闇神に追いつけた?」


「う〜ん。まだ追いつけてはいないかな。というより……<恵のダンジョン>が強烈すぎて、皆先へ進みたがらないの」



「えっ!?」


 僕の予想では、闇神に比べると劣悪な環境で過ごしている討伐軍の前線メンバーは、<働神の加護>によるバフも相まって"動ける"はずだったんだけど。



「現場から逃げ出して<働神の加護>を強制付与された、哀れな犠牲者達は、スカベンジャースライムに入ることもせず突撃して散ったわ」


「……………………」



 サーシャいわく、彼等は「臭い・汚い・危険」に対するマインドブロックが消えて、勇ましく闇神の所へ突進したものの……


 その道中、身体にまとった糞尿と虫によって「走るバイオハザード」と化し、生理的嫌悪感でリソース管理の概念を忘れた闇神に、秒殺されたそうだ。



「明らかにリソース管理がなっていないから、闇神にとって手痛い消耗となったのは間違いないけど、彼等の遺体は肥溜めに沈み……」


「…………南無。せめてリソースだけでも抽出して、再利用してあげないとね。肉体は分解されて、新たな命の糧になりそうだし……」



「メグミ君。きれいにまとめても、悍ましい出来事が起きたことに変わりはないわよ」


「うっス」






 結果として、仲間の悲惨な末路を知った現場の討伐軍メンバーは、なりふり構わずファーストペンギンになるのを拒絶。


 しかし定期的に「成果不足による<働神の加護>札付与」がおこなわれるため、それによってファーストペンギンが決まり、均衡が保たれているとのこと。



「自発的に動いたのは、元々ゾンビで<恵のダンジョン>に悪感情を抱かなかった、"口裂け女"さんだけ。彼女は、強制されずとも闇神を追い詰めているわ」


「ゾンビだからなのか、覚悟を決めた女性だからなのか……勇ましいね。でも、肉体は護ってあげたんでしょ?」



「うん。単騎で突撃しても秒殺されるのがオチだし、ルノーブル先輩がアンデッド部隊と組ませて、"リアルおばけ屋敷"度を上げたの」


「なるほど。それなら攻撃されたところで、本体に当たって死滅する可能性は低いし、闇神の精神は削られ続けるからOKだね」



 とはいえ……神様同士の戦いなのに、僕達魔王が用意した戦場で"口裂け女"さん頼りの戦線を展開するんじゃ……正直やってられん!


 汚物にまみれたくない現場班の気持ちも分かるけど、自分達が主役の戦争なんだから、奥でコソコソしている上級神共々、もっとしっかり働いてほしいよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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