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902話 搾取のプロvs搾取のプロ




 単体だと借金が絡み付いていて搾取できない事に気づいた、討伐軍の上級神達は、「ならば分割して、破産用と搾取用に分けてしまおう」と……


 何処ぞの胡散臭い経営者がやりそうな手法で、闇神の資産を強奪する方針を決め、さっそく最寄りの管理世界の登記情報に触れた。



「チッ! 1つの世界を2つに分割するのには、闇神本人の署名がいるか。ならば、私が所有している極小世界を合併させて……」


 もちろん搾取のプロである闇神も、登記情報変更による強奪対策を施しており、一番簡単な「世界そのものを2つに分ける」手法はブロック済み。



 ゆえに強奪チャレンジ中の上級神は、自分が所有している「創ったばかりの極小世界」を、闇神の管理下にある世界と核を保持したまま合体させ……


 その核を礎に再分裂させるカタチで2つに分け、自分が所有権を持っている方の世界に、闇神管理下の世界の財産を移そうと企む。



「むむっ! ダメだ。世界の合併と再分裂まではできたが、元の資産割合でしか分裂させる事ができない。この手法も対策されている!」


 だがこちらも闇神の想定内であり、「再分裂させる際のリソース割合」は「元の資産割合」に準拠する……という定めになっていた。



「この感じだと、他の分裂案も全滅かと。闇神とて、我等と同じ上級神。気付いて対策している以上、他のパターンもくまなく網羅済みでしょう」


「うむ。その可能性は高いな」






「しかし、どうする? それだと、闇神の世界資産を略奪できんぞ!」


「う〜ん。少し手間ですが、世界を2つ経由させる案はいかがでしょう? それなら、対策する術もないはずです」



 負債システムによってガッチガチに護られていた、闇神管轄下の世界に対して、若い上級神は強引な手に打ってでた。


 まず先ほど試したパターンで、闇神の世界と自分の管理下にある極小世界Aを繋ぎ合わせ、闇神所有の世界にあるリソースも一時的に動かせるように。


 そして、その状態で別の極小世界Bに対して莫大なリソースを貸し付け、闇神管理下の世界が持つリソース資産を空にした。



「あとは、このリソースたっぷりになった極小世界から、取り立て防止のために別の世界Cへリソースを貸し付け……空っぽになったところで破産させる」


 破産状態になった世界の扱いは、管轄する上級神が定めた神法に準拠するため、破産時のペナルティーを一時的に「なし」としておけば……


 ペナルティー無しで世界Cへリソースを移管でき、結果として、闇神管轄の世界から資産を奪えるという寸法だ。



「最後に、闇神管轄の世界と結合させてしまった極小世界Aを引き剥がせば……あれ、引き剥がせない? って、うわあぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!?」


 残念ながらこの奪取方も闇神の想定内であり、「合併時に負債を生み出した負債は、再分裂の際、管理者の上級神から直接取り立て」という法律が……


 闇神法の端っこに、見えるか見えないかという小さな文字でヒッソリ記されていた。



 それゆえこの最年少上級神は、闇神管轄下の資産を世界Cへ移すカタチで奪えたものの、代償として世界Aに与えられたペナルティーを被り……


 自分の財布から同額のリソースを強制天引きされたうえ、世界の繋ぎ合わせや分裂に必要な手数料も、自腹で支払わされて大損。



 また奪い取ったリソースの質も、闇神管轄下とはいえ一介の世界でしかないものゆえショボく、奪われた自身のリソースの方が高純度という……


 ある種の"募金"状態になってしまい、泣きを見たのである。






「うぅぅっ……グスッ…………! くそぅっ……!!」


 無駄金を使わされたうえ、闇神の手のひらで転がされた事に気づいて、悔し泣きする最年少上級神を、他の上級神達は華麗にスルーし……


 他の搾取方もいくつか試してみたが、案の定"全て"闇神に対策されており、闇神管轄下の世界から資産を奪うことはできなかった。



 そして結局、皆同じ結論にたどり着く。


「「「「「「「「「「闇神<スティグマ>を殺して奴の債権を抹消しなければ、闇神管轄下にある世界は奪えない!」」」」」」」」」」


 …………と。



 もちろんコレには例外もあり、闇神が自ら管轄を外していた<サルトー区・ポルカト界>のような自治世界は、管理者不在ゆえ奪い取ることもできる。


 しかし、自ら権利を手放すような世界なのだ。



 当然、邪神が無茶苦茶やって赤字転落し不採算世界扱いされたときの<サルトー区・ポルカト界>と、似たような経済状況であり……


 奪い取る旨みは一つもない、と言えた。



 じゃあ、どうする?


 結局、旨みのある世界を奪い取ってハッピーエンドを迎えるためには、闇神を殺して「世界の管理権」と「借金の債権」を失効させる必要があり……


 肥溜めの中を彷徨っている闇神を殺す他に、手はないのだ!



 そして上級神の殺害を、現場にいる中級神や神ですらないモンティート達が成しえる可能性は、ほぼゼロと考えられるため……


 自分達が同じ世界へ行って直接闇神を撃ち滅ぼすか、肥溜めから逃げ出した闇神を地獄世界との狭間で待ち伏せして殺害……の2択となる。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
さあ、高みの見物はここまでだ、クソ上司(黒い笑顔) まあ、実際のとこは引き返してくる闇神を待ち伏せで入口待機の奴も少なくはないだろうけど。
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