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897話 マシな選択肢




 残念ながら、<恵のダンジョン>に生息している「他所から連れてこられた野生のゴキブリやウジ虫」に、"敵""味方"を段別する知能などないため……


 キモさ限界突破のバイオハザード攻撃は、闇神の後を追い地獄世界から<恵のダンジョン>に移ってきた、討伐軍の中級神達と"口裂け女"にも降り注いた。



<<<<<<<<<<−−− ガサガサガサガサガサ……! −−−>>>>>>>>>>


<<<<<<<<<<−−− ウネウネウネ……ネチョネチョ……! −−−>>>>>>>>>>


<<<<<<<<<<−−− ヴ〜〜〜〜ンッ! ヴンヴンヴ〜〜ンッ! −−−>>>>>>>>>>



「「「「「ギャアァ〜〜〜〜〜!!!?」」」」」


「助けてっ! もう帰るっ、俺はもう自由になりたい!」


「ママァ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」



 多くの者に見られているなか、汚物の中心でママへの愛を叫んだ、マザコン神はともかく……


 彼等も闇神と同じく「傅かれて暮らしてきたエリート」ばかりなので、肥溜めより汚いこの環境に適応できるわけもなく、即発狂。



 中には、防御をミスってパンツの中に潜り込まれた者もおり、数の攻めによる<ピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜>の結果、尊厳と心身を破壊されてしまい……


 査定されていることも忘れて、秒速で地獄世界へ逃げ帰った。



 ゾンビゆえ腹に穴が空いており、臓物ガン見え&破れた腸から色々垂れ流している"口裂け女"は、そもそも生物扱いされておらず攻撃を受けないため……


 身も心もノーダメージで済んでいるが、中級神達による援護がないと単独では闇神に太刀打ちできないため、彼等と同じく入り口で足止めをくらう。






 だが<恵のダンジョン>は、討伐軍の面々に厄災をもたらすために地獄世界へ繋がれたわけではないため、彼等には救済措置が与えられた。


 限界を超えて狂い咲いた結果、知恵熱を出して寝落ちしてしまったメグミの代わりに、モンティートから指示を受けた……


 <恵のダンジョン>の環境に適応済みのスカベンジャースライム達が、"乗り物"として彼等の元へおもむいたのだ。



「グスッ……何だよ、このスライムゥ…………」


「紙がはさまっているぞ。ぅん……これは…………」


「我々は、魔王<メグミ>より遣わされた貴方達の味方です。身を守りたければ、我々の中に入って"足代わり"にしてください……だと?」



 討伐軍の中級神達も、現在いる場所が<恵のダンジョン>内部であることには気付いておらず、<サルトー区・ポルカト界>だと思っているため……


 なぜメグミ配下のモンスターがこのタイミングで現れて、自分達を手助けしようとするのか、理由が分からず数秒戸惑う。



 だが、地獄のような選択肢しか持たない彼等に拒否権などない!


<<<<<<<<<<−−− ガサガサガサガサガサ……! −−−>>>>>>>>>>



「分かった、お前達の中に入れてくれ! 俺は、糞まみれのゴキブリに<ピー>を狙われるために、ここに来たんじゃない! 罠の可能性なんて知るかぁ!!」


「俺もっ!」「俺もだっ! こんな所で、社会的命を散らしてたまるか!」


 拒否すれば、襲いくるゴキブリ達に取り囲まれて、公衆の面前で尊厳破壊される危機が迫っているのだ。



 だからといって背を向けて逃亡したら、安全地帯で彼等の働きを監視している上級神達から「逃げた無能」の烙印を押され……


 強制的に<働神の加護>を与えられて、尊厳どころか全てを破壊され、過労死するまで笑顔で働き続けるヤバイ奴にされてしまう。


 それゆえ彼等は、ヤケクソでスカベンジャースライムの提案を受け入れて、その体内に入って匿われ、目先の安全を確保した。






 だが……物理的な危機は逃れられても、透明な肉体を持つスカベンジャースライムの中にいる彼等には、外の様子がハッキリと見えており……


 生理的嫌悪感を消すことはできず、先ほどのショックを思い出して耐えられなくなり、吐いてしまう者が続出。


 せっかく糞尿地獄から逃れて衛生的な環境に移れたのに、また臭くて汚い環境に置かれるという、負の連鎖が発生した。



 それに加えて……


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


では出発いたします。


このスカベンジャースライムには、最低限のリソースしか渡していないので、移動にかかるガソリン代は皆様がご負担ください。


また闇神から攻撃を受けると、耐えきれず爆散する可能性が極めて高いので、清潔な環境をお望みなら、スライムを護ってやってくれると助かります。



by魔王<モンティート>


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 こんなメッセージカードが手元に届き、移動コスト強制負担で財布にまでダメージが入る追撃を、味方であるはずの魔王からくらうハメに。




 "泣きっ面に蜂"状態だが、これでも彼等はまだ恵まれているのだ。


 なんせ……彼等の先を行く闇神には、「身を守ってくれるスライムジェル」も「移動用の足」もなく……愚痴を言い合える仲間すら存在しないのだから。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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