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895話 全員集合




 悲惨な目に遭っている闇神とは反対に、アスタリアの帰還によって仲間全員が揃い、地獄世界との付け替え作業も終わったメグミ達はというと……


 狂い咲くメグミを見てドン引きし、トリップ状態から我に返ったカルマとスティーブを温かく迎え、皆で協力して"仕上げの作業"に勤しんでいた。



 なお……仲介役ということで、中級神<エース>の元へ派遣されていた眷属<ガッツ>と<ゲンキ>も、このタイミングで引きあげている。


 中級神<エース>が<働神の加護>を強制付与され、トリップしてしまったのを見たモンティートが、「抑えが効かないリスク」を危惧したためだ。



 下手に出て穏便に事を運んだとはいえ、<農民><小鬼>同盟は討伐軍からの防衛協力の誘いを断っているため、100%良好な関係とは言いがたい。


 そしてこのタイミングなら、「防衛に全リソースを注がなければならず、カルマの<コマンダー>による転移にリソースは割けない」と言い訳できる。


 そのため上級神達に脅迫付きで反対されないうちに、<ガッツ>と<ゲンキ>を引きあげさせ、討伐軍と微妙に距離をとった……という事情も。



 眷属2体の主人であるメグミはトリップで理性を失っており、そういう判断はできない状態だが、コミュ力オバケの彼等はモンティートの指示に従った。


 広い視野で物事を見て立ち回れる彼等は、やや脳筋気味ではあるものの、モンティートがなぜ帰還命令を出したのかおおよそ察せたし……


 メグミからの勅命ではないにせよ、「帰還した方が主人にとって得」と理解できたからだ。






 もちろん<ガッツ>と<ゲンキ>の引きあげによって、討伐軍との繋がりが完全に絶たれてしまうと、後々困る可能性が高いので……


 モンティートは、「何一つ理解できていない」のを悟りつつもトリップ中のメグミに許可をとり、連絡用のタブレットを中級神<エース>へ贈った。



 このタブレットは、討伐軍の機嫌を損ねぬよう機能こそ最新版の"お高いやつ"だが、<農民><小鬼>同盟の連絡ネットワークからは切り離されていて……


 討伐軍との連絡用に用意した新品のスマホを介してのみ、やり取りができる仕様の"業務用端末"である。



 今後、討伐軍と決別した場合、端末を解析→模造されてしまう可能性はあるが、相手はそもそも上級神。


 管轄している地球のような「文明が進んだ世界」にアクセスして、その知識と技術をインプットすれば、似たような物など簡単に創れてしまうため……


 タブレットを渡すことによる損失は限定的であり、眷属<ガッツ><ゲンキ>を人質にとられたり連絡手段が途絶えるリスクよりマシ……と判断したのだ。



 結果として、眷属含む全員が地獄世界を離れて<サルトー区・ポルカト界>に戻っているので、<農民><小鬼>同盟が地獄世界の影響を受けることはない。


 逆に、闇神が<恵のダンジョン>を食い千切って<サルトー区・ポルカト界>に出た場合、全員"無防備な状態"で脅威に晒されることになり……


 全滅する可能性が高い、一連托生の状態だ。






 そんな中……移界ポイントに近付いていた闇神が、<恵のダンジョン>から漏れてしまった汚臭&ゴキブリに足止めされ、僅かな時間的余裕が生まれた。


『すごい。泉のようにアイデアが湧き出てくる! この創作欲と衝動……止まらない!!』



 メグミのクリエイター化(笑)も加速して、<恵のダンジョン>はより一層凶悪になり、"影の力持ち"として支える<農民>同盟の頑張りもあって……


 間に合うかどうかの瀬戸際だった、「ダンジョンの拡張&強化作業」を無事終え、万全の状態で闇神を迎えられるように。



『もう何も思い残すことはありません。本望です……』


『ふふふっ、お疲れさま。闇神の相手は僕等がやっておくから、メグミ君はしばらく寝ていなさい』



 代償として、メグミは知恵熱を出して倒れたが……しばらく寝かせた後、サーシャの手厚い介抱を受ければ、意識だけは回復するので大丈夫。


 闇神が侵入した時点で、<聖者の祈り>の強化版みたいな神力を使われる前提で動いていたため、もうメグミの仕事は終わったのだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜聖者の祈り〜

純潔を守りとおし、"長い間"修行を積んだ聖職者だけが得られるギフト。

ダンジョンの改造阻害や、ダンジョン攻略時のステータスアップなど、熟練度によって叶う範囲が広がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 闇神侵入後も、ダンジョンの細かな管理作業やルート誘導等の仕事はあるが、現在のメグミには仲間も配下も大勢いるため、彼等に任せればいい。


『グゥ……グゥゥ…………シゴト……ォ…………』



『うんうん。子供用の"お仕事セット"を手に持たせてあげるから、夢の中で好きなだけ働くといい。現実世界の仕事は、僕等が引き継ぐから』


 というか……狂い咲いて知恵熱爆発したメグミに、細やかで知性を使うデスクワークを求める者はいないため、モンティート爺の手で休まされるのである。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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