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894話 芸術家<メグミ>

更新が遅れてしまい、申し訳ございませんm(_ _)m


次回更新は、通常どおり13日の夜におこなう予定ですm(_ _)m




 もちろんゴキブリに敵味方の区別がつくわけがなく、恐怖の虫攻撃は、闇神を追ってきた討伐軍と口避け女にも牙を向いた。


 しかし……ゴキブリはこの場所で繁殖したわけじゃなく、あくまでも<恵のダンジョン>から漏れ出ただけなので、ダンジョン内と比べると数が少ない。



 そして"躾け"を忠実に守って、最初に近付いてきた闇神に襲いかかり、その「パンツの中」を目指して特効したため……


 闇神の拒絶反応によって大きく数を減らしてしまい、後から其処にやってきた討伐軍と口避け女に襲いかかれるゴキブリは、ごく僅かに。



 また生き残ったゴキブリ達も、仲間が大勢殺されたことで「盾にできる存在」がおらず、近付くと即認知されてしまうので……


 パンツの中どころか足元に到着することもできずに、魔法を撃ちこまれて死に絶えた。



 そして……ボッチで逃げている闇神と違って、味方が沢山いる討伐軍には、「自販機」という頼もしい仲間も付いているので……


 誰かが「嫌がらせ用にラインナップされた殺虫スプレー」の存在を思い出し、「これ使えるんじゃね?」と言ったところで、防衛用の魔法すら不要に。


 日本製の殺虫スプレーが世界を超えて活躍し、プシューッと吹きかけるだけで、ゴキの命は絶たれたのだ!






 なお……その様子を見ていた闇神は、中級神の一神を殺して殺虫スプレーを奪い取ろうとしたが、襲いかかったところにスプレーを噴霧され……


 ゴキブリと同じ方法で殺虫を試みられたことに、ブチ切れ。



 怒りのあまり、その中級神をミンチ肉になるまで叩き潰したはいいものの、肝心の殺虫スプレーも一緒に壊れてしまい……


 リソースも「殺神に要する平均量」の3倍消費して、良いところなしで終わり、諦めて<サルトー区・ポルカト界>への移動を優先することに。



「ハァ〜。気持ち悪いし疲れさせられるしで、とんだ疫病神だった。なぜこの私が、中級神どころか虫相手に消耗させられなければならないのだ!」


 躾けられたとおり「サイズの大きな生物」へ特攻して、地獄世界に侵入したゴキブリの多くは死に絶えたため、闇神も徐々に平静を取り戻した。



 だが彼が無駄にした時間は、<サルトー区・ポルカト界>の代わりに繋がれた<恵のダンジョン>のバージョンアップに、大きく貢献してしまい……


 彼がこれから突入する空間を、さらにエゲツナイ鬼畜仕様へとクラスチェンジさせ、メグミ達の防御力を向上させる。



 闇神は知らないことだが……偶然起こったこのゴキブリ騒動は、自販機の監視カメラ経由でメグミ達にも見られており……


 過労トリップと相まって狂い切ったメグミに、新たなインスピレーションを与え、創作活動(笑)を促してしまったのだ。






『すごい。泉のようにアイデアが湧き出てくる! この創作欲と衝動……止まらない!!』


『オーケー、オーケー……気の済むまでやっちゃいな〜。バックアップは僕等とサーシャちゃんがやるから、メグミ君はその鬼畜性を存分に活かしてくれ』



 残念ながら、<農民><小鬼>同盟に「暴走したメグミを叱りつける者」はおらず、伸び伸びと好き勝手やらせる爺婆ばかりなので……


 メグミは「"狂い咲き"によって足元がガタガタになり、ミスで全てを台無しにする心配」なく、思うがまま創作活動に勤しめダンジョンの凶悪性を磨けた。



『凄いな。ダンジョン構築の基礎知識すら飛んでいる状態だから、補助がないと全崩れしちゃうけど……ここまで突飛な"嫌がらせ空間"を創ったのって……』


『メグミ君が初めてですよね〜。私やモンティート先輩のダンジョンも、一般からすると相当変わっている部類だけど、ここまでブッ飛んではいないし』



『ケヒッ! ケヒヒヒヒ……ッ!』


 無限湧きする創作欲と充実感で脳がドーパミン漬けになり、もはやマトモな言語すら発せなくなったメグミ。



 しかし頭脳は健在で……しっかり底支えしてくれる仲間のもと、IQの昇竜拳をかまし、天才の世界へと足を踏み入れる。


 そして無自覚なまま<働神ブースト>をかけ、脳を限界を超えて酷使し、新たな珍称号と共に素晴らしい作品(笑)を生み出したのだ。






『もう何も思い残すことはありません。本望です……』


 創作欲のままに全てを出し尽くして作品(笑)を創りあげたメグミは、脳の過剰使用によるショート(知恵熱とも言う)で倒れ、深い眠りに落ちた。



『グゥ……グゥゥ…………』


『ふふふっ、お疲れさま。闇神の相手は僕等がやっておくから、メグミ君はしばらく寝ていなさい』



 これが「美しい作品を創りあげた芸術家と、そのサポーターの物語」だったら、感動モノなのだが……


 あいにくと、生み出されたのは「臭く・汚く・穢らわしいダンジョン」の鬼畜空間だけであり、感動もヘッタクレもない。


 だが鬼畜仕様で防御力が大幅に向上したのも、また事実であり……メグミは大きな仕事を成し遂げた。



 そして……いよいよ<恵のダンジョン>は、<サルトー区・ポルカト界>に代わって闇神を迎え入れる。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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