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888話 手伝いたくありません!


〜モンティートside〜




 代案を出してくれるわけでも、<サルトー区・ポルカト界>の防衛を手伝ってくれるわけでもないのに、文句だけはガッツリ言い……


 隙あらば足を引っ張ろうとしてくる、残念な人生を生きている魔王達に対して、どうゴリ押しし切るか考えていたところ、マサル君から提案が。



「先輩、そう悩む必要ありませんよ。ただ黙って、反対派の全魔王に"メグミ達のトリップ映像"を送りつけてください」


「えっ!?」



「そして、"お望みなら手伝ってもらっても構わない"と伝えるんです。あと……<働神の加護>の存在っスね〜。暴露しちゃいましょう」


「あぁ、そうか! 文句があるなら、彼等にもトリッパーになっての防衛協力を強制する……と、脅しをかければいいんだ」



「はい。内心では反対したい魔王が大半でしょうが、メグミみたいな状態にされる自分を思い描いたとき、協力するルートに乗りたい奴っています?」


「マサル君の言うとおりだね。賛成! その案でゴリ押すよ」



「くくくっ、助けになって良かったっス。あくまでも、メグミ達は必死に防衛体制を整える中でこうなっちゃった感を出していただいて……」


「うん。自主的に加護をバラ撒こうとする、無自覚な嫌がらせ体質は隠して、そうでもしないと世界全体が滅んでしまうから必死なんだ! とアピールする」



 何をするにも、建前って大事だもんね。


 加護の強制付与が、メグミ君の欲を満たす道楽ではなく「そうでもしないと神様に抗えない」という切羽詰まったもの、というイメージを与えられれば……


 正面切って「嫌」とは言えず、かといって自分達が犠牲者になるのも真っ平御免だから、消去法で「コチラの案に賛同する」という結果になる。






 マサル君のアイデアは素晴らしいものだし、代案を考えている時間的余裕もないので、僕は即座に魔王掲示板へトリップ動画を貼り付けた。


 それと共に、「協力してくれるなら、この環境で働いてほしい」という建前で、ウンコ沼と化している「<恵のダンジョン>の玄関口」の写真もアップ。



 すぐに「こんな場所で神様を迎えるとか、恥晒しもいいところだ!」という反論コメントが、大量発生したが……


 「なら君達のダンジョンで出迎えるか? 連結すれば、数秒は滅びるまでの時間を稼げるかもしれない」と返すと、全て削除され「削除痕」だけが残った。



「ハァ〜。コメント時に名前とダンジョン名も表示されるなんて、新米魔王でも知っている常識なんだから、恥をかきたくなきゃ黙っておきなさいよ」


 自分の身に危険がおよぶかもしれないと悟るや、速攻でコメント削除して引っこんだ連中には、呆れの感情しかないけど……



 あらかじめそういう可能性も踏まえて自制できるタイプなら、今微妙な立ち位置でくすぶるハメにもなっていないわけで……仕方ないよね。


 バカは死ななきゃ直らないし、バカがいるから後発組のメグミ君達が栄達できた、って側面もあるんだもん。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


658 名前:モンティート(1期)

 ごめん、やっぱり提案中のやつ……変更入れることにした。

 『<サルトー区・ポルカト界>の代わりに<恵のダンジョン>を地獄世界に繋ぎ、盾にするのに賛成か反対か』じゃなく、『このやり方で盾にするか自らのダンジョンも防衛に加わるか』の二択で!

 もちろん防衛戦は過酷だから、メグミ君も加護の付与で応援してくれるって言っているし、安心して命をかけてくれていいよ^^


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 という訳で、ズドーンと爆弾コメントを書きこみ多数決中の提案の文言を書き換えたところ、ものの10分で賛成票が大量投下された。


 僕としては、「若造なんかに任せられるか!」と息巻いて自らも防衛に加わり殉死する、勇敢な魔王も出てくれて構わないと思ったんだけど……


 だれも実名公開での書き込みはしなくなり、かつ「メグミ君、すべてヨロシク。盾になってこの世界を護って」案に、票を投じまくるとか……ダサッ!



 悪ノリして、「兵隊派遣だけでもボランティアで協力〜」というコメントも追記したんだけど、本当に誰一人乗らないのね。


 掲示板では、誰も喋らなくなって過疎ったところで、トリップ中のメグミ君が高笑いする映像が流れ続け、カオスな状態になっている。



「でもコレ、メグミ君が正気に戻ったら泣きますね。また黒歴史が増えた〜って」


「存在自体が黒歴史のブラック野郎だから、問題ねぇだろう」



 最初から書き込みしていないものの、兵隊の派遣やリソース譲渡含めて協力してくれている、サーシャちゃんとマサル君の二人が……


 コメントではなくリアルで言葉を交わし、「本人の許可を得ることなく流してしまったトリップ映像」について、私見を述べているだけだ。



「まぁいいや。<農民><小鬼>同盟以外からの賛成票も充分集まったし、賛成多数って事で処理して終わろう」


 正気に戻った後、涙と鼻水を流しながら「なんでこんな黒歴史を放流したんですか〜!」と怒ってくる、メグミ君を受け流す苦労を考えると……疲れるもん。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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