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887話 裏方の戦い


〜モンティートside〜




「あぁ〜。またメグミ君が狂い咲いちゃった。すでに<働神>の神格に護られているし、リソースの注入量も充分だから、過労死することはないけど……」


 この様子じゃ、当面「理性的な判断」を期待するのは無理だな。



 セクハラ承知でサーシャちゃんに「もう一発、叩き込んできてくれ」と頼めば、復活の可能性もなくはないけど……


 すでに闇神が間近に迫っている状況で、<ピー>に興じて時間を潰し、枯れ果てた状態で爆睡させる余裕などない。



「一応この有り様でも、悪知恵を生み出す思考回路は生きているっぽいし、ダンジョンの拡張作業くらいはできるかと。トリップはもう諦めましょう」


「そうだね。マサル君、悪いんだけど……もし僕が監視できていないタイミングで、メグミ君がさらなる深みへ潜りこもうとしたら、力尽くで止めておいて」



「了解っス! 最悪、糞尿プールにブチ込む幻覚を見せて嫌悪感をMaxまで引き上げれば、意識も浮上すると思うんで、ショックを叩きこみます!」


「うん。ありがとう」



 メグミ君の再トリップは、デメリットもあるけど神々をビビらせる"数少ない有効打"として、黒光りしているし……


 彼より"過労力"の弱いカルマ君&スティーブ君も、似たようなトリップ状態に入ってしまい、そっちの方が(死ぬ可能性があるぶん)重症だ。






「先輩ぃ〜。追加の加護札、できました〜♪ あ〜働くの楽しいなぁ〜〜〜。組織への無償奉仕って、どうしてこんなに幸せなんだろう〜〜?」


「…………良かったね。(ダメだこりゃあ。というか、地獄世界のモニターに映っている状態で"加護札の追加"って……それ、尊厳破壊確率が上がる脅し……)」



 無自覚な威圧発言で、地獄世界がまたザワついてしまったが、討伐軍の中級神達が逃げたり闇神に寝返る可能性は低いし……無視でいいか。


 成果をあげられなかった者に対してだけ、加護札(笑)を貼って神格矯正を強要する、と脅す討伐軍の上級神に対して、闇神は配下を大量虐殺したばかり。



 そんな闇神が口触りのいい勧誘文句を並べたところで、言葉が薄っぺらく信用皆無であり、「命を預けて一発逆転を狙う」バカが現れる可能性はほぼない。


 また討伐軍は連合なので、この状況で上司を裏切って逃亡すると、自分が管轄していた世界を失うだけでなく、所領に置いてきた私財も没収されること確定。


 そして転職先の別派閥もまた、討伐軍に所属する一派……という事になり、地位・権力・信用全てを失って"干され生活"をおくるハメになる。



「(つまり現場の中級神達は、逃げる手段がなくて精神的に追い詰められているうえ、迫りくる加護の恐怖で脳内パニック状態)」


 そういう時って、威圧している側に対してヘイトが溜まるのは勿論だけど、「最優先で闇神を殺さなきゃ……」って極端な思考に陥るものだから……



 どうせ裏切りとかメグミ君抹殺に思考の舵を切る前に、闇神とぶつかって殉職するし、「無害で都合のいい神材」なんだよ。


 本人達の気持ちとか精神状態をフル無視した、パワハラ道の極地にある、長くは続かない最低な神材運用であることも……また事実だけど。






「(さてと……あまり対岸の火事ぶってもいられないな。案の定、<サルトー区・ポルカト界>の付け替えに反対する魔王が出てきた)」


 詳細を知られぬようボカシつつ、「地獄で戦争が起きているから、<サルトー区・ポルカト界>を護る意味で付け替える」ってニュアンスで説明したけど……



 情報足らずなのは一目瞭然だし、メグミ君のダンジョンを利用して<農民><小鬼>同盟が<サルトー区・ポルカト界>を乗っ取る。


 そう勘違いされても、仕方ない状況だもん……反発が出るのも仕方ない。



 とはいえ……「探られると痛い腹」である以上、さらに詳しい説明をするのは不可能だし、のらりくらり躱すしかない。


 幸いにも、求められている情報は「地獄世界で起こっている情勢変化」であり、「格上にあたる神様達の事情なんて、深くは知らん」の一言で突っぱねられる。



 そんなボヤッとした情報で、<サルトー区・ポルカト界>と<恵のダンジョン>を入れ替えるなんて、横暴だ!


 という意見も出るだろうけど、あくまでも予防的処置だし「<恵のダンジョン>が守りに一番適している」と言えば……


 納得させることは無理でも、「投票による多数決」での決定に基づいて黙らせることはできるだろう。



「(そもそもの話……世界っていうのは、広いほど優れていると勘違いされがちだけど……守りを考えず広がった世界なんて、弱点だらけで防御力皆無)」


 現在反対している魔王達も、その位のことは理解しているはずだ。



 その弱点だらけの代物である<サルトー区・ポルカト界>よりは、鉄壁のガードを誇る<恵のダンジョン>の方が守りに適している。


 という説明でゴリ押して、投票を締め切るまでに少しでも賛成割合を増やすのが、僕の仕事なんだけど…………上手く押し通せるかどうか……。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
ところで、メールやらネットやらで、かなり金額いってそうだな
むしろ乗っ取るつもりだ!って言うやつのダンジョンを、そう設定してやるから名乗り出ろ!って言って先着順に多重構造にして闇神にぶつけて全部やられたらメグミのダンジョンでいいんじゃないかなと
逆らう魔王に加g……いやいやまさかそんな。
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