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883話 ブーメラン炸裂




 当然だが、中級神<エース>経由で「働神の加護札」を受け取った上級神達が、大喜びでそれを使うはずもなく……


 彼等は呪札に触れてしまったときと同じ反応で、その加護札を弾き飛ばして結界で封じ、触れてしまった指先を切り落とした。



「痛っ! このクソガキがぁ……なんつー物を、送りつけやがる!!」


「加護じゃなくて呪いですよね、コレ。ウチにも<闇職の加護>とかいう、授かると一生表で働けなくなる、呪いをバラ撒く"厄災"がいますが」


「それはまだ、一生ニートで親に寄生すればいいだけだからマシじゃねぇか。この加護の効果を見ろよ。授かった瞬間、生涯過労が確定する罰ゲームだぞ」



 その罰ゲームをくらいそうになり、顔を真っ赤にして怒った上級神達だったが、添えられていた手紙と映像データを見て黙った。


「「「「「「「「「「(コイツ等、嫌がらせ目的じゃねぇ。本物のキチガイだ!)」」」」」」」」」」



 触るのも嫌なその加護を授かり、過労人生を受け入れてトリップしているカルマ&スティーブ。


 そして彼等よりも狂い咲き、イっちゃった表情で労働を賛美するメグミ。



 彼等によって過労は「名誉なこと」であり、価値観から狂っているので、「働神の加護札」をバラ撒くのが公害レベルの迷惑行為であること。


 それを理解させるのは不可能だと、中級神<エース>同様悟ったのだ。






「どうします? 説教と共に送り返しても、狂い過ぎていて我等の気持ちを理解できず、"加護札が足りなかった"と解釈されてしまうかも」


「その結果、より多くの加護札を送りつけられたら……。<サルトー区・ポルカト界>より先に、我等が滅んでしまう! 奴等に道理を説くのは悪手だ!!」



「枚数を増やされるだけなら、全部封印すればいいだけだし助かるかもしれませんが、強化される可能性もありますよ」


「"すみません。やっぱりザコかったですよね?"という、斜め上の勘違いをかますパターンか!? もしそんな事をされたら、この世の終わりだぞ」



 今頃になって、必死に自販機を避けていた闇神の気持ちが分かり、やや同情した上級神達。


 しかし彼等は、闇神と違って名指しでターゲット指定されていないため、かわそうと思えば加護札(笑)から逃れることができる。


 そして上級神達は、他者を犠牲にして自分がいい思いをできるよう立ち回るプロであり、それに気付いた後の判断は早かった。






「働きが足りない者に対して、この札を貼り付け"過労マン"にするというのはどうでしょう? 避けられた者も、見せしめの狂気に怯えてより頑張るかと」


「それは良いな。戦果に対する功績で報いる……と口約束で釣るより、過度な罰を与えて縮みあがらせる方が楽だ。即効性がある」


「トリッパーの哀れな姿を見て、その加護の持ち主に狙われている闇神が怯える可能性もありますし、"お仕置き"としては二度オイシイかも」



「うむ。その案を採用しよう! あと、我等にこんな悍ましいモノを送りつけてきた中級神<エース>にも、"分からせ"が必要だな」


「そうですね。他にも現時点で"札確定"のゴミはいますし、10枚じゃ足りませんよ。少なく見積もっても、100枚は要るかと」



「ならば、札が足らんとメグミ達へ説教文を送ろう。現場のブーストに使えるなら、これは呪い札じゃない……我等の勝利をもたらしてくれる、加護札だ!!」


「えぇ。加護札の制作にはコストがかかるので、追加分の報酬はくれてやらねば彼等がパンクしますが、それは中級神<エース>の財布からで」



「分かった。直属の上司として、その旨を命じる手紙をしたためる。奴には、我等の肝を冷やした責任を取らせなければ!」


「自らの意思で加護札を受け入れて、マトモな神生を捨て……トリッパーになる道を選ばせるのですね。悪くない仕置きと存じます」






 こうして「自分は無関係」と信じこみ、加護を受け入れ働き者に変貌した上司達の姿を思い描いていた、中級神<エース>の元に……


 働神の加護(笑)を得て新たな扉を開くよう記された、残酷な命令文書が届く。



「絶対に嫌だ! しかも自腹ぁ!? 払う訳ないだろう! ゴキブリ飯を出した糞食堂が、会計で一丁前に定価を請求するのと同等の、泥棒行為だぞ!!」


 残念ながら、嫌がったところで拒否は「神生の終わり」を意味し、今さらメグミ達に交渉を持ちかけようにも、彼等だって生粋のキチガイ。


 中級神<エース>に残された道は、「働神の加護」を受け入れてトリップし、嫌なことを全部忘れて仕事に生きる……社畜神生だけである。



 また、さらに恐ろしい事に……


『おぃ、誰が"泥棒"だって? 今までロクに成果も出さずポジション泥棒してきたゴミ神が、随分と偉そうな口ぶりだなぁ』


「ヒイィィィィ〜〜!!!?」



 中級神<エース>は、加護札を自ら受け入れてトリップするまで上級神達に監視される運命にあり、陰口も丸っと聞かれていた。


 人を呪わば穴二つ……と言うが、今回の場合、中級神<エース>の足元に「二人分のデカイ穴」が出現したカタチだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
作者様は どこまで つっぱしられるのですか?w
色んな中級神に加護与えて働かせてたら メグミの格が上がり過ぎて手を出せなくなったりして 働かせてたら格を上げてしまうけど成果も出る なかなかやばそう
この上級神どもも闇神諸共滅んだ方が良いな
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