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869話 カスタマーハラスメント


〜メグミside〜




 鬼畜すぎるモンティート先輩とマサルの予想は、見事に当たった。


 僕の自販機が呪いつきで乱立する様を見た闇神は、思いっきり顔をしかめた後、「場所が悪すぎる」と言い出し……


 討伐軍にとって都合のいい環境が整った場所から逃げ、自販機と<巣食う花>がほとんどない場所へ陣取った。



「あーぁ。せっかくご主人様が踏ん張ったのに、水の泡だ。というか……危険な現場に出向いて自販機設置を手伝った、私達の努力が……」


 自販機設置の際、僕が現場へ出向く必要はなくなったものの、支配下にいる誰かを向かわせないといけないので、眷属の<ボッチ>と<ブラック>が大奮闘。


 それにも関わらず、設置してすぐ獲物に逃げられたんじゃ、リスク・リターンの帳尻が合わないよ!



「先輩達は、まだいいですよ〜。メグミ先輩は<働神>になったから無限労働できるし、<ボッチ>達も活動量自体は少ないでしょう?」


「「「…………」」」



 僕等も理不尽な展開に不服だが、それよりヤバイのが、眷属達の輸送で<コマンダー>を乱発する事になったカルマだ。


 すでに平常心を失い、愚痴を言いながらもニコニコ笑って「鼻水・涙・ヨダレ」全てをダラダラ垂らしているので、トリップ一歩手前なのが見て取れるが……


 愚痴ったそばから、中級神<エース>経由で「闇神が逃げた場所に自販機の設置を!」という追加依頼が入ったので、頑張って耐えてくれ!



 ちなみに、マサルの元にも「あの奇妙な植物の増殖を!」という要望が届いたが、<巣食う花>はターゲットの闇神目掛けて自然と繁殖するため……


 新たに手を加えずとも、勝手に闇神を追尾してくれる。


 そのため報酬を受け取ったにも関わらず、マサルは特にする事がなく、拠点にある自販機で買った高級和牛を、一人で焼肉にして食っている状況だ。






「ねぇマサル。なんかコレ、理不尽じゃない?」


「仕方ねぇだろう。自販機に足を生やせないお前が悪い」



 そんな無茶な!?


 足が生えた自販機なんて、君が暮らしていた日本にも存在しないでしょ!?


 そこまでいったら、もはや「新手のモンスター」だよ。



「だけど、ここはもう一発……気合いと根性で頑張るしかない! <ボッチ><ブラック>、悪いんだけど再度現場へ出向いてくれる?」


「<ブラック>と別行動ならいいですよ〜」「ふふふふふっ。ご主人様のためなら、よろこんで!」



 気合いを入れ直した僕は、いい匂いを漂わせて一人で焼肉を食うマサルを尻目に、眷属達と力を合わせて新天地へ自販機を設置したのだが……


「また逃げた!? ねぇ、いくら何でも卑怯でしょう! アンタ、上級神だよね!?」



 闇神は、またしても自販機と<巣食う花>が蔓延った段階で逃げだした。


 一生懸命マナを注いで、命を削る覚悟で働いたのに……理不尽だ!!



「モグモグモグ……。そりゃあ、冷静に考えたら逃げる一択だろう。闇神にとって、<自販機><巣食う花><コソ泥><口裂け女>……環境が悪すぎる」



 あぁそっか。


 アスタリア先輩のコソ泥作戦は継続中だし、闇神に恨みをもつオバケさんも、討伐軍の神々を追う形でフラフラ新天地へついて行ったもんね。


 どうせ逃げても追われる訳だし、逃亡する意味なんてないと思うけど……コンボが効きすぎて、闇神にとってはキツイのかも。



「お前だって理解できるだろう? 過労の呪いがついたウンコが其処彼処に落ちていて、しかも意図的に踏ませようとする連中に囲まれているんだぞ」


「ウンコ違う! まぁでも、本人にとっては辛いだろうねー。集団リンチは、邪神を堕とすときにやった闇神の十八番だから、同情の余地ないけど」






 理解したところで、またまた中級神<エース>経由で、「闇神が逃げた場所に自販機を設置してくれ!」と依頼が。


 マサルの方にも、<巣食う花>の移動依頼がきている……コイツは金をもらうだけで、追加業務一切ナシなのに!



「不労所得ウマウマ。萎びるまで働く社畜共を見ながら食う高級焼肉、ウマウマ」


「ムカつく! なんか殴りたい!!」



 あれ?


 この依頼メール、なんか追記があるぞ?



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ殿。


まことに申し訳ないのだが、こうも逃げ回られては自販機設置の予算がな……。


可能であれば、自販機に足を生やして自動追尾させてくれないか?


其方も、我等と同じ"神"になったのであろう?


割り増し料金を支払うゆえ、検討してくれ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「無茶言うな〜! カスタマーハラスメント、反対! 出来もしない依頼を、多少の割り増し金で強要するの、反対!!」


 自動追尾なんて器用なまね、マサルみたいに応用力があるタイプじゃないと出来ないっつーの!



 というか、下民出身の僕等に頼っていないで自分達も働け!


 "名ばかり神"の僕と違ってアンタ達は中級神なんだから、自力でなんとかしろ〜!!!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
意思を持った機械VS人間、そんな映画があったな(なお、従来のエスカレーターなどは、意思を持っていなかったため、両方から利用された)
素直にマサルはピムトとかの自走する無人販売機をみせればよいんじゃないかなあ。 実は最近そういうものが出来てるから無理な注文ではないんだよなあ。
自販機に転生するのもいるしワンチャンあるのでは
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