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859話 女神様の置き土産


〜アスタリアside〜




 現在いる闇神領の外周部から、女神様達がいる中心部へ転移するのは、闇神の奇襲を受けるリスクを高める行為であり……


 直接狙われたら一溜まりもないない私にとって、命を危険に晒すものだった。



 また僅かながら回復したとはいえ、式神経由で見た女神様達は酷くやつれており、「儚げな美女」であるものの本人達にしてみれば納得いかない状態。


 そこへリソースを注がれて婆から若返り、ツヤツヤの肌を持つ私が行ったら……あまり良い顔はされないわよねー。



 そう思ったのだが、合流した私の姿を見た女神様達の反応は良好だった。


「ふむ、存外可愛らしい姿をしておるではないか。これは……なるほど、リソースを奪った結果なのだな」


「僅かながら闇神のニオイを感じる。もしかして貴女、アイツから奪ったの?」



「はい。闇神は支配領域を護る結界を外周部に張っていたのですが、それが無防備だったので、寄生してリソースをチューチュー吸わせてもらいました」


「「「「「「「「「「おぉ〜っ!!!!」」」」」」」」」」






<<<<<<<<<<−−− パチパチパチパチパチ! −−−>>>>>>>>>>


 よく考えてみると、限界ギリギリまで闇神に搾り取られていたとはいえ、彼女達は歴とした神様であり、私のリソースの構成比くらい一瞬で調べられる。



 そして私が若返った原資のほとんどは、カルマ君達が引っ越しビジネスで稼いでくれたものだが……


 私自身、闇神のリソースを寄生虫方式で抜く際、自分の身体を通して"使える状態"まで濾過する作業をおこなったので、すでにリソースは入れ替わっている。



 ゆえに現在私を構成するリソースの多くは、カルマ君達が稼いでくれたモノではなく、「"闇神のクソ汚いモノ"を濾過したブツ」なのだ。


 なのでソレを見た女神様達が、私のリソース奪取過程を推察し……「闇神に一撃くらわせた頼もしい女性」扱いしてくださったのも、納得がいく。



「最初に力をくれたのは下界にいる仲間達です。私自身は、そんな大したもんじゃありませんよ」


「ふふふっ、謙遜するな。経緯はどうあれ、あの闇神に一泡吹かせた女子が目の前にいるのだ。讃えずにいられようか!」



 女神様達からすれば、「憎き闇神を少しでも困らせた相手」なら無条件に"仲間"であり、その容姿などどうでもいいのかもしれない。


 そもそも全盛期の状態に戻れば、彼女達の方が美しいわけで……「眼中にない」っていうのもありそうね。






<−−− パキッ、パキキッ! −−−>


「よしっ、これでOKです。避難後に別れるよう指示された場合に備えて、<巣食う花>の携帯端末は3つ用意いたしました。お納めください」



「うむ。ここまで御膳立てしてもらって無駄骨では、我々の立場がないからな。手段を問わず避難先の男神に泣き落としをかけ、エネルギーを回収する」


「頼もしいお言葉。感謝いたします」



 丁寧に回路を繋いだ「<巣食う花>の携帯端末」を持って、女神様達は<コマンダー>で避難場所へと旅立った。


 彼女達は本当に私を"仲間"と認めてくれたようで、去り際にありがたい置き土産を残し、その使い方についても「何でもアリ」という破格の条件を提示。


 最後まで礼儀正しく、私を格下扱いせずに立ててくださり……こう言っちゃなんだが、「地獄世界で初めてマトモな神様と接した」気分になったわ。



「それで、コレが"闇神のDNAデータ"ねぇ。どう使いましょう?」


 彼女達は、闇神城で数えきれないほど闇神に陵辱された。


 その過程で、当然<ピー>もされており……事後コッソリ、身体に残された闇神の残渣を取り出して、「復讐の種」として保管することも可能だったわけだ。






「闇神も迂闊よねぇ。自分に怨みをもった女性と交わり、相手の体内に"DNAデータ"を残すなんて。後々悪用されるリスクとか、考えないのかしら?」


 だがまぁ男というのは「そういう生き物」であり、下半身に脳がついているため、魅力的な女を前にすると自制が効かないもの。



 マサル君も勇者時代にハーレムしていた元カノ達に、盛大にゴシップをばら撒かれて、評判を地に落とされていたし……


 ウチの爺共が特殊なだけで、男というのは「そこまで考えが回らない」のが標準なのかもしれない。



「とりあえず、このDNAデータをモンティート先輩とマサル君に渡しましょう。私も使わせてもらうけど、悪巧みならあの二人の方が多分上だし」


 メグミ君が起きていたら、突飛かつ闇神に深刻なダメージが入りそうな、DNAデータの悪用方法を思いついて、黒笑いを浮かべただろうけど……


 現在彼は、我が弟子のサーシャに食い尽くされて枯れ果て、強制シャットダウン中ゆえ、助太刀を期待するのは難しいだろう。



「DNAデータを用いた相手の潰し方は、基本"呪い系"で……手法は無数にある。とりあえず私は、また"寄生系"で闇神からタカるつもりだけど……」


 このネタを受け取ったモンティート先輩とマサル君は、どういう手段で闇神の足を引っ張るのかしら?


 忙しくて注視する暇なんてないけど、気になるわね。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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平気なんだろうか? メグミたちは、異界に素で入れなかったけど…
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