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854話 己と向きあえ


〜メグミside〜




 頭の中が"労働"一色になり、極めすぎて脳内麻薬が噴出しエクスタシーを感じたところで、記憶が途絶えており……


 気が付くと、明らかに「エロ沼に沈みました!」と分かる状態で、サーシャと一緒に使っている高級ベッドに寝かされていた。



 体感的にコレは、掘り起こしちゃいけないレベルで致しているので、メンタルがブレると困る戦争中に掘り起こすのは厳禁だが……


 僕にサーシャを誘った記憶がない以上、きっと先輩方かマサルによる強制シャットダウンだし、仕事場に戻ったらイジられて詳細を知るハメになるだろう。



「自販機の収益、順調なんだ。とりあえずは良かった。設置する前にリタイアして、賠償金地獄……みたいな展開にはなっていないんだよね?」


「もちろん! それどころか神様達がファン(というか中毒者)になっちゃって、戦後も自分の支配領域に欲しい! って騒いでいたよ」



 ふむ……闇神との戦いが終わった後まで、闇神に匹敵する搾取体質と思われる、討伐軍の神様達と連みたいとは思えないんだけど……


 キレられて難癖をつけられ搾取要員にされてしまうと、二度と浮上できなくなるので、「それよりはマシ」と考えるべきなのだろう。


 利用料金をケチられたら困るが、そこさえ守ってくれるなら「お客様は神様」だし。






「だけど、自販機設置ノルマを達成してからシャットダウンしたとなると……結果オーライなのかも。冷静に考えて、あの仕事量は正気じゃこなせなかった」


「いや、さすがに反省して! 私は裏方だから全然平気だったけど、マサル君とモンティート先輩がフォローで苦労したんだから」


「あっハイ、了解です。戻ったら、誠心誠意ジャンピング土下座いたします!」



 「喉元過ぎれば何とやら〜」と言うし、記憶が飛んでいる間に一番苦しい作業行程が終わって、「ラッキーじゃん♪」と思ったが……


 どうも皺寄せがモンティート先輩とマサルに行ってしまい、知らず知らずのうちに迷惑をかけていたみたい。



 まぁ冷静に考えると、誰にも迷惑をかけずに「淡々と仕事をこなすマシーン」化しているだけなら、乙女のサーシャに頼んでエロ落ちなんてさせないよね。


 記憶は1ミリもないけど、きっと現場で何かやらかして迷惑をかけ、神様と約束しちゃっている自販機設置ノルマが片付き次第、退場させられたのだろう。



「とりあえず、二人と……ついでに迷惑をかけていそうなカルマ&スティーブに、謝罪メールを送っておこう。対応は早い方がいい!」


 あとお歳暮用の高級フルーツ詰め合わせを、<セレクト自販機>で入手して、執事君に頼んで付け届けしてもらえば、謝罪の前座としては及第点かな?






<−−− ピロリロリーン♪ −−−>


 おっ、早速マサルから返信がきた!


「(どれどれ、怒っていませんように…………ウゲェッ!!!?)」



 説教文こそ記されていなかったけど、メールには「僕がトリップしていた時の写真」が幾つも添付されており、最後には動画まで載っていた。


『キャハッ! キャハハハハハッ! シゴトォ、シゴトォ〜〜〜タノシイ!!!! キャハハハハハッ!』



 うん、これは真面目にダメなやつだ。


 トリップ中の僕……笑っているにも関わらず形相がおぞましすぎて、もはや人間と思えないもん。



『ボク、ハタラクゥ! ミンナ、ガンバルゥ! ゼンイン、シアワセェ〜〜!  キャハハハハハッ!』


 おぃトリップ中の僕、もう少し冷静になれ!


 ヨダレを垂らしながらキモい笑みを浮かべて狂っている男と、一緒に限界まで労働して、幸福感を感じる奴は「真性の変態」だ!



「う〜わ。食道に漏斗を挿しこむとき、"これでもっと働ける"って感じで喜んじゃっているし。普通にキモイ。どうしてこうなった?」


 目標を達成するために頑張るのは大切だし、気合いと根性で乗り越えなきゃいけない事もあると思うけど、ここまで狂う必要はないだろう。


 自販機設置ノルマを達成できた代わりに、何か大事なモノを失った気がする。






「とはいえ、実際に被害を受けたマサルに愚痴をたれる訳にはいかないな。土下座の絵文字を送って、誤魔化しておこう」


<−−− ピロリロリーン♪ −−−>



 返信早っ!


 いや違う……今度はモンティート先輩が、無事を労いつつもイジる気満々のメールを送ってきた!



「それにしても、スティーブとカルマは……」


「あぁ、あの二人? メールなんて返す余裕ないと思うよ。メグミ君が抜けた分、よりミッチリ働いているし」


「あっうん。なんかゴメンナサイ」



 拳で強制シャットダウンされて、「強制退場の刑」になっていないという事は、今回もあの二人は僕のようにトリップできず……


 正気を保ったまま過労と向き合い、「淡々と仕事をこなすマシーン」と化しているのだろう。



 キモイ顔面と仕草で周りをドン引かせた代わりに、ノルマ・トリップの恩恵を存分に享受した、僕としては……


 思うところがあり過ぎるし、何を言っても「お前が言うな」で切り捨てられかねないので、リアクションに窮するが。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
10人くらい魔王を配下にしないと、やばい
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