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853話 メグミ、強制シャットダウン




 そして闇神領が「この世の地獄」そのものとなり、恨みと狂気が満ちるなか、安全地帯にいるにも関わらずセルフトリップしてしまったメグミは……


 仲間に支えられつつ粛々とノルマをこなし、予定されていた自販機を全て設置し終えた。



 戦況は刻々と変化するため、今後も「自販機の追加設置」を求められたり、「自販機に特殊機能をつける依頼」が飛んでくるかもしれないが……


 とりあえず最初に想定したノルマは終わり、過労ブーストをかけなくても、安定した不労所得を得られるようになったのは事実。



 よって正気に戻れないメグミ以外は、この状況を喜んでオレンジジュースで祝杯をあげ……


 奇声を発してさらに働こうとするメグミにも飲ませてあげて、強制的に休憩をとらせていた。



「それにしても、コイツ……本当に戻って来られるんですかね? いや、まぁ一度ブッ壊れちまった以上、狂気が残るのは織り込み済みですが……」


「う〜ん。僕の精霊をメグミ君の魂に作用させて、少しずつ意識をコチラに引っ張っているんだけど、まだ暫くは難しいかも。沼り方がエグ過ぎる!」



 ジュースで糖分を無理やり接種させて、目先のエネルギーを補ったうえで、マサルとモンティートが治療を試みているが……


 残念ながらメグミの沼は深く、そのうえリソースを注がれて<働神>になってしまったため、モンティートの力を以てしても予断を許さない状況が続く。






「仕方ない。こうなったら、サーシャちゃんに一度"昇天"させてもらおう。地獄世界の戦況も、数時間は膠着しそうだし……短期集中で飛ばし切るんだ」


「先輩、穏やかな声でエゲツナイこと言いますね。でも俺達じゃどうにもできない以上、愛する彼女に一度潰してもらうべきなのかも」



 こうしてメグミの意思などそっちのけで、「一度エロ漬けにして彼のエネルギーを完全に枯渇させ、正気に戻す案」が採用された。


 なお……メールにてさり気なく打診を受けたサーシャは即OKし、メグミとのイチャイチャ部屋に設置された自販機で、使うブツを物色。



 これまで地獄世界へ目を向ける仲間達の後ろで、皆のダンジョン管理や魔王掲示板のチェックを、引き受けていたサーシャは……


 トリップしたメグミの事が心配でも、自分の役割を全うし、「トリップしていない過労状態」に陥っていたため、ようやく彼と共に休めると知り歓喜したのだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


モンティート先輩。


メグミ君を食べるのは大歓迎ですが、どんな感じで料理すればいいと思います?


念のために、短時間で手早く仕上げる感じですかね?


それとも……弱火でじっくりコトコト料理して、メグミ君の潜在意識を愛の力で引き戻す……とか?


物理でも精神でも私はOKなので、メグミ君が復活しやすい調理法をご教授くださいm(_ _)m



byサーシャ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 なお……モンティートのスマホに、セクハラもへったくれもない直球メールが返ってきて、男性陣はズッコケたが……


 ここで変態アドバイスをして、後々ガールズトーク中にアスタリアへ情報が伝わると、彼等は処刑されてしまうので、答えは簡潔に「お任せ」となった。



 ぶっちゃけ、サーシャに"お任せ"するなんて超絶リスキーだが……彼等だって命は惜しいのである。


 結果としてメグミは、目先のノルマを完全に片付け終えたタイミングでサーシャに引き渡され、そのまま二人の愛の巣でフルコースにされてしまった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




「ノルマァ!!!!」


「ふふふっ、ようやく起きた♪ メグミ君、お帰りなさ〜い」


「…………はい?」



 明らかにキャパオーバーの仕事をこなすことになり、だんだんとソレが快感になって幸せに浸っていたはずが……


 気がつくとベッドで横になっており、満足気なサーシャがカモミールティーを淹れてくれているところだった。



「痛つっ! もしかして、僕……途中退場のうえ、エロで強制シャットダウンさせられた? えっ、足手まといになったんじゃ……」


「大丈夫。強制シャットダウンはその通りだけど、メグミ君は直近のノルマを全てこなしてから旅立ったから。今帰れば、また問題なく仕事に復帰できるよ〜」



「そうか。良かった〜。サーシャも、色々とありがとね。記憶がなくてイマイチ詳細を掴めないんだけど、負担かけちゃったでしょう?」


「ん? そうでもないから安心して♪ むしろ皆が働いているときにエロ沼に沈むのって、それはそれでオツだし」



 なるほど。


 もし詳細を聞いてしまうと、僕は羞恥沼に沈み二度と浮上できそうにないので……最低でも闇神との戦いが終わるまでは、<聞かざる>を徹底するべきだ。



「ところで、戦況はどんな感じ?」


「モンティート先輩の予想どおり、メグミ君の強制シャットダウンタイム中は膠着状態が続いたよ。あぁでも、自販機の収益は右肩上がりだったらしいけど」

読んでくださり、ありがとうございます!


私が以前なろうで連載していてた「落ちこぼれ国を出る」のコミック第9巻が、3月12日に出版となりました。

我ながら面白いと思うので、興味ある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


下のイラストから詳細ページへ飛べます(^_^)

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― 新着の感想 ―
メグミさん戻れて良かった
第2話「いきなり告げられる魔王転生」時点でのメグミのステータス値(抜粋) 年齢:16歳 種族:魔人族(魔王?) 職業:ダンジョンマスター(仮) HP:298/305 MP:10687/10687 スキ…
メグミさんw戻れて良かったwこの先もトリップして、サーシャさんの愛wの力で元に戻るんでしょうねw
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