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852話 エナジードリンクを飲んだ花




 メグミによって、自販機に『ワーカホリックになり過労死コースへ一直線』というとんでもない呪いを仕掛けられ、心身共に消耗したり……


 <ヒッキー>の偽証拠映像攻撃で、「使い捨ての駒」として活用できたかもしれない子神達の洗脳を解かれたりと、散々な目に遭った闇神。


 しかし諸刃の剣とも言える「結界を解除してリソース全回収」策で、防御を捨てて攻撃に全振りしたため、個のスペックだけは高まっていた。



 それゆえ一度均衡を破って圧倒した討伐軍の中級神達に、再度襲われる可能性は低いと、考えていたが……


 意外にも彼等は早々と復活して、再び徒党を組み、闇神を殺そうと襲いかかってきた。



「「「「「ケヒヒヒヒヒィッ! ケヒッ!」」」」」


 しかも何故か恍惚とした表情を浮かべてヨダレを垂らし、マサル達がこの場にいたら「メグミの初期段階じゃん」と突っ込むであろう、奇声をあげている。


 彼等が容量無視で服用した"おクスリ"は、全部が全部「トリップ系」だった訳じゃないはずだが、どういう訳か「メグミと同じ症状」が出てしまった。






 だが……イジりつつも、本気で心配してくれる仲間がいるメグミとは違い、討伐軍の中級神達は、上司から「死んでくれた方が好都合」と言われた者ばかり。


 当然、彼等の変化を見て心配してくれる仲間など誰もおらず、中級神<エース>は一気に増えた請求金額を見て、「死ね。金食い虫!」と吐き捨て……


 直属の上司である上級神達も、事態を知ってニヤリと笑い、「いいじゃないか。そのまま潰れるまでフィーバーしろ」と、容赦ない鬼畜発言をかます。



 ゆえに彼等は、誰かに止められる事もなく「ストッパー全外し状態」になり……数時間後には、「正気に戻ることが不可能なライン」まで沈んでしまうだろう。


 だが本人達が闇落ちしようと、表面的な"攻撃力"には何の支障もなく、純粋な攻撃以外に闇神をビビらせる副次効果もあるので、討伐軍的には問題ない。



 そして「おぞましい"おクスリ"」を彼等に売りつけた張本人であるメグミも、中級神<エース>から莫大な報酬が支払われたうえ……


 そもそも彼自身が狂っていて、中級神達の変化を"異常"と判別できないため、ただ「儲かった」と笑い、さらにモチベーションを上げて仕事をこなす。



 結果として討伐軍の中級神達は、「頑張っても報われない仕事」に全力投球して、命を燃やしながら闇神と戦った。


 トリップしたせいで、「もしかしたら自分達は捨て駒かもしれない」という思考も飛んでしまい、純度100%の「仕事マシーン」と化したのだ。






 そんな彼等の唯一の味方である、マサルが咲かせた<巣食う花>が……大勢でチームを組んでもなお無双してくる闇神相手に、上手いこと立ち回る。


 闇神が一番望んでいる展開にならぬよう、殺された中級神や再起不能にされた中級神を、即座に覆って"その全て"を吸い取り……


 まだ生きている他の討伐軍へ回す、一石二鳥のリソース活用術をくり出したのだ!



 本来<巣食う花>で咲かせた花というのは、ある程度の知能を持つものの、ここまでズル賢くターゲットを追い込むことはなかった。


 その花達が、なぜ軍師顔負けの動きを見せるようになったのか?



 それは「栄養として与えられたエネルギー」が、人間のモノと比べ物にならないほど高純度であり、自然と英才教育されたから。


 そのうえ咲いた花に、アスタリアが悪ふざけでエナジードリンクを与えてしまったため、<メグミ印>の腹黒気質も混ざっている。



 もちろん闇神も、ただ黙って獲物を横取りされた訳じゃなく……ちゃんと抵抗し、花を焼き滅ぼそうと火魔法を放ったのだが……


 <巣食う花>で咲いた花は地中で繋がっているため、そこにある花を焼いた程度じゃ殲滅できず、地中に残った根っこからまた生えてしまう。






 結果として、闇神に恨みを抱いて死んだ「討伐軍メンバーがいる場所」は、花が絨毯のように咲き乱れる天然の"デバフゾーン"になった。


 そこから闇神が脱出しない限り、彼は直接戦闘で勝利を収めても、"敗者の全て"を奪って回復に充てることはできず……


 ただひたすら消耗して、そう遠くないうちに来るライバル神達に、「世紀の愚か者」として葬られるのだ。



 だからと言って、上級神が「デバフゾーンに入りたくない」からと、自分の支配領域から逃げたら終わりであり……


 支配領域内で逃げたとしても、地中で繋がった<巣食う花>が自動でターゲットを追尾して、彼がたどり着いた場所をすぐまたデバフゾーンに作り替える。



 なぜ神ですらないマサルと、神に昇格したもののトリップしてしまい意識のないメグミが、土壌形成で無双して……


 捨て駒扱いされているとはいえ、一応中級神まで上り詰めた討伐軍の神々が、チームを組んで挑んでも劣勢なのかは不明だ。



 しかし討伐側の上級神達や中級神<エース>の目から見て、メグミ達の活躍は充分過ぎるものであり、彼等を満足させた。


 メグミ達は決して望んでいないが、こうしてまた一歩……「上級神達に気に入られ、闇神戦後も関係が続いてしまう」ルートに入っていく。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
地獄かな? 元が地獄みたいな領域だったわ。
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