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846話 貴方は買えません




 闇神領をおおう結界のみならず、自身の根城である闇神城の結界もほとんど解除して、大胆なコストカットをおこなった効果はすぐに出た。


 再び均衡を破り優勢となった闇神は、今度こそチャンスをモノにして近場の討伐軍を屠り、その者達のリソースを剥ぎ取ることに成功する。



 いくら「嫌がらせ力100点」を誇る<メグミの自販機>の裏に隠れても、超スピードで接近されて自販機の裏まで来られたら、太刀打ちできないわけで……


 「ここなら休める」と油断した中級神は、速攻で首を落とされて餌食となってしまい、それを見てカウンターを試みた部下達も同じ末路をたどった。



 だが"数の利"を活かして四方八方にバラけ、遠方から援護したり交互に休憩することで、格上の上級神と渡り合っていた討伐軍の中級神達を……


 一気に殲滅することは位置的に難しく、すぐに不利を悟って距離をとられ、闇神が望む「援軍が来る前に一網打尽」とはいかなくなってしまう。



 とはいえ、リソースを集中させた闇神が有利な状況に変わりはなく、"自販機の盾"も魔法による遠隔攻撃ではなく、直接回り込めばいいだけなので……


 これまでの「連続で攻撃して闇神を疲弊させ、後から登場する自分達の上司が、楽にトドメを刺せる形でバトンを渡す」という、討伐軍の狙いは潰える。






 僅かながら余裕を持てた闇神は、ふと側にある自販機を視界に入れ、「煮湯を飲まされたソレを今度は自分が利用してやろう」と思い至った。


「(このボタンを押せば商品を買えるんだよな? 丁度いい。敵が用意した補給場を、これ見よがしに利用して悔しがらせてやろう)」



 極限まで追い詰められているときは、考えを巡らせる余裕がないので変態性も顔を出さないが、基本的に闇神は根っからのサディストである。


 よって僅かに余裕が出た瞬間、無意識のうちに「格下のくせに自分を困らせた敵」の嫌がることをして、歯軋りさせたい欲が出てしまい……


 闇神に対してのみ作用する、「ワーカホリックになり過労死コースへ一直線」してしまう呪いを、自販機に仕込んだメグミを困らせようと考えたのだ。



 しかし残念ながら、闇神領に設置された<メグミの自販機>は"顔認証制"であり、闇神がいくら認証を試みてもエラーが出て商品は買えない。


 闇神配下であっても、矮小で存在すら認知されないような木っ端なら、認証コストが勿体ないので、「普通に買い物できる状態」になっているが……


 自販機を設置したエリアを討伐軍から奪い取り、利用する恐れのある闇神だけは、「出禁客」として登録されているため絶対に買い物できない仕様だ。






 だがそれを知らない闇神は、中級神達がやっていたように「ボタンを押せばどうにかなる」と思って、何度もボタンを押し……


 全く思い通りに動いてくれない自販機にイライラして、本能のまま台パンしかけた。



「おっと危ない! そうだった。この箱に攻撃を加えると、私に対してだけ、"おぞましい嫌がらせカウンター"が発動するんだった」


『チッ! あと少しで、メグミの仕掛けが成就するところだったのに。さっさと過労マンになって、女遊びする余裕がないほど枯れ果てろよ。そして死ね!』



 寸前のところで"呪いの件"を思い出し、慌てて手を引き冷や汗を流した闇神と、それを自販機の監視カメラ越しに見て舌打ちするマサル。


 呪いを仕掛けた張本人であるメグミは、すでに狂気沼に落ちていて、マトモな言葉を発することもないが……


 メグミの意を汲んでおり、彼以上に闇神を嫌っているマサルは、思わず毒々しい本音を吐いてしまい、それを側で聞いていたモンティートにたしなめられる。



『こ〜ら。あの呪いが成就してほしいのは、僕も同意見だけど……もうちょい上品にね。顔はニコニコ、腹黒く……だよ』


『はい。スミマセン。反省して、次からは先輩を見習います』



 なお……<ヒッキー>経由で、この映像をメール受信したアスタリアも、マサル以上に下品な言葉を吐き捨てていたのだが……


 側にモンティートはおらず、共に行動しているルノーブルの眷属達もすでに飼い慣らされているため、誰からも叱責の声は出なかった。






 そして闇神がゾッとするレベルの「う○こ属性トラップ」を、生み出したメグミはというと……


 内心では狂喜乱舞しているものの、それを言語化するほどマトモな思考力はすでに失われ、「キャハッ! キャハハッ!」とおぞましい奇声をあげている。



 だが闇神が自販機の側を離れて、次の敵を倒すために移動したのを見て、すかさず「その先にある自販機」にも呪いを付与した。


 言葉には出せずとも、「闇神死ね」と思っているのは皆同じなのだ。



 行動で「言葉にならない本音」を察したモンティート達は、そっとメグミの頭や肩を撫でて彼を落ち着け、サーシャの手作りチョコを食わせてやった。


 向かう先にも「う○こ属性トラップ」が待ち受けていると、誰にも教えてもらえない闇神とは違い、メグミは狂っても周りに愛されている。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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