表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
845/967

845話 予算削減で対応する方針です




 本人達は否定するだろうが、仲良くイチャコラやっているマサル&メグミとは反対に……


 信頼するパートナーなどおらず、常にボッチで戦っている闇神は、突如として浮かんだ「自販機を攻撃すると現れる、カウンター式の呪術魔方陣」に驚愕。


 そして波状攻撃のように闇神領全体に現れた、明らかに自分に対して殺意を抱いている数多の気配にも気づき、内心焦っていた。



「(マズイぞ。これだけの数ゆえ幻影かとも思ったが、微妙に害意の色が違ううえに気配の面影がある。この害意の正体は、私が殺した連中の怨念だ!)」


 実際には、闇神が最初に考えたとおり「実態のないただの幻影」なのだが、<巣食う花>が養分として吸い取った、「ターゲットに対する他者の憎悪」は……


 闇神に殺されたり酷い目に遭わされて、成仏できない思念となって地獄空間を彷徨っていた、"亡者の怨念"が主成分。



 それゆえ思いを抱いた経緯や、怨念の持ち主の生前の格によって、それを餌に育った"花"が放つ害意にも差があり……


 中には、闇神が「生前の面影」を思い出すほど(潰した)相手と似ている波長で、害意を放つエグい"花"もあったのだ。



 そのため闇神はマサルの<巣食う花>を、「魔王による盛大なハッタリ」ではなく「中級神が残した遅延性の攻撃」と勘違いしてしまい……


 討伐軍への攻撃を緩めてまで、脳内で「誰がどのようにして自分を出し抜いたのか?」真剣に考え、せっかく生み出した均衡の崩れを失ってしまう。



 そして一頻り慌てた後、「まずは目の前の奴等を殲滅しないとダメ」と悟り、再び得意の"リソースごり押し"で2度目の"優勢"を勝ち取ろうと足掻き……


 その攻撃をほとんど「呪いカウンター付き自販機」のせいで台無しにされて、戦闘中にもかかわらず怒りで発狂しかけた。






「(あの自販機、本当に不愉快だ!! 攻撃力や防御力にデバフがかかる類のものなら、あらかじめ喰らう前提で耐性スキルを極めてあるのに!)」


 さすがの闇神も、「ワーカホリックになり過労死コースへ一直線」という呪いが、この世に存在するなんて思っておらず……


 色々と特殊過ぎて、弾けるだけの耐性スキルも持ち合わせていなかったため、もしメグミの呪いを喰らえば、何かしらの影響を受けてしまう可能性があった。



 だからといって、この呪いを気にするがあまり攻撃の手を緩めると、討伐軍の神々が嬉々として攻撃を再開し、不利になりかねない。


 つまり闇神は、どうにかして「呪われた自販機」をかわして背後に隠れた神々を潰し、再び「先手を取れる状態」まで持っていかねば……


 "お先真っ暗に"なってしまうので、一向に浮かばぬアイデアと無情にも過ぎる時に焦り、進むも引くもできぬ状況に心を潰されかけたのだ。



 とはいえ闇神も、絶体絶命のピンチを幾度となく潜り抜け、闇属性神最大の派閥を率いるまでになった猛者。


 ゆえに「監視カメラに映されているかもしれない状況で、慌てを見せるのはむしろ悪手だ」と、本能的に察してストッパーがかかり……


 映像に残るカメラ前で暴れ狂い、生き恥をさらした挙句、それを解析されてさらに状況を悪化させる……という愚行はおかさなかった。



 その代わり、ブーメランのような軌道の魔法攻撃で「自販機を盾にして隠れている神々」を攻撃し、おぞましい呪いを避けつつ成果を出そうとしたり……


 自分を慕う子神達に命じて、闇神領近郊にいる「強い害意を持つナニカ」を調べさせたうえ、最悪の場合は彼等に"道連れ自爆"するよう指示。


 またメグミの自販機にも、「自分以外が一度呪いを喰らえば、この状況が変わるかもしれない」という狙いで、能力不足な子神を呼び出して突撃させている。



 当然、その子神は「恨まれる対象」ではなかったため、自販機に殺されることなく、不壊特性の自販機に中途半端な攻撃をしかけ……


 物理的に頭をぶつけて更にバカになった訳だが、闇神にとっては「その辺のゴミと変わらない存在」なので、サラッと無視されそのまま討伐軍に殺された。






 ただ、結果として「現在の手持ち札では足りない」事に変わりなく、このままだとジリ貧なので……


 気狂いモードに入った闇神は、闇神領を覆う外周部の結界だけでなく、闇神城の結界も主要なモノ以外は解除して、さらなる「リソースの集中」に努めた。



 彼が闇神城の結界を厳重にしていた主な理由は、寝込みや弱っているところを襲われたり、城内にいる配下の裏切りを警戒してのものだったが……


 すでに彼は場外におり、配下も「洗脳済みの子神」以外は次々と逃げ出してしまい、ほとんど残っていない。



 唯一ガッツリ残っていたのは、闇神の特殊性壁を満たす道具にされた女神囚人のみであり、彼女達で遊ぶ余裕がない状況なので結界解除は止むなし。


 もしそれで配下が逃げ出したり、女神囚人の誰かに領内の機密情報を持ち逃げされたとしても、今さらだ。



「(状況を変えるウルトラCを思いつく事はできなくても、コストカットによる予算削減は可能。まずは確実にリソースを手元に戻して、その後まき返す!)」


 世の経営者達も好んでやる、大胆なコストカット策。


 その是非はともかく、闇神も「長年トップに立っていた者」らしい考えで経費を削り、不本意ながら悪化させられた状況を改善しようと打って出た。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
細かいことで申し訳ないが、 闇神は、自販機知ってるの??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ