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843話 呪いの自販機


〜マサルside〜




 狂いすぎて一線を越えてしまい、モンティート先輩によるリソース注入によって、「廃人コース→働神」へと歩みを強制変更されたメグミ。


 ぶっちゃけ、どちらも"ヤバイ奴"ってことに変わりはなく……強いて言うなら、「周りの被害がデカくなりそうな働神」の方がおぞましいが……


 廃人コースだと、そのまま三途の川を渡り過労死するリスクもあったっぽいし、第三者視点から見ると「人外へのクラスチェンジ」の方がマシなのだと思う。



『アハハァ……ハァハァ…………。闇神モ……エネルギー補給ナンカシテイナイデ…………エンドレス労働、逝ッチャイナヨォ〜〜〜〜〜』


 トリップで溶けた顔でヨダレを垂らしながら、こんな妄言をほざき、次から次へと闇神領へ自販機を送り続けるメグミは、まさしく「無限労働の神」。


 会社に寝泊まりしながらサビ残漬けの日々をおくり、カップラーメンをすするのが唯一の癒しという、日本で見たプロ社畜と同じニオイを感じるぜ。



「マサル君。残念ながら、メグミ君の発言は"妄言"じゃないみたいだよ〜。アスタリアから、シャレにならない報告メールが来た」


「えっ? マジですか」






「うん。闇神と討伐軍の神々が戦っている側にある自販機にね、闇神限定で発動する"呪い"の魔方陣が浮かびあがったみたい。それの中身が……」


「…………。まさか…………」



「そう。メグミ君が神になって得た『ワーカホリックになり過労死コースへ一直線』って効果の呪いを、闇神に対してだけカウンターで撃ち出す術式なの」


「嫌な盾っスね。エネルギー効率的に、カウンターで撃ち出す呪いの原資となるリソースは、闇神の攻撃を不壊特製の自販機で吸収したモノのはず」



「それを嫌がらせ感ハンパない呪いに変えて、自動で撃ち返す機能をもつ、盾をかねた自販機……。恐ろしや」


「もはや、自販機じゃないっスよ。その超越物。名前が<自販機>なだけのナニカです」



 闇神限定ってことは、たぶん俺達や味方の神々が触れても害はないんだろうが、目の前でキモい笑い声をあげている過労トリッパーを見てしまうと……


 安全と分かっていても触りたくないし、魔方陣など浮かびあがっていないダンジョンの自販機でも、しばらくは購入ボタンを押すのに躊躇しそうだ。



「ちなみに闇神は、その"一発で即死しちまう地雷"……踏んだんスか?」


「いや。ギリギリで気付いて、自販機を巻きこんだ攻撃を取り止めたみたい。神様だけあって悪運強いね」



 たしかに……知らない間に「過労の呪い」に取り憑かれて、"休憩"や"適度な手抜き"の概念を忘れ、働きに働いて死ぬよりはマシだが……


 突然目の前に、そんなウ○コトラップ並の「嫌がらせ魔方陣」を設置されたら、トラウマになるだろう。


 少なくとも俺なら、「目立つ魔方陣は囮で、本命のトラップがどこかに仕込まれたんじゃ?」と怯えて、攻めるべき場面でも防御に意識がいってしまう。






『ツイデニ、リサイクルボックス……ノ……ヤクメモ…………。アヒャヒャヒャヒャ〜〜〜♪』


 ダメだ、メグミの奴……リソース注入で爆増したキャパを使って、また自らタスクを生み出しやがった!



 分析した感じ、自販機周りの空間に残っているリソースの残渣やリソースになるゴミを、自動で吸引して回収ボックスに貯め……


 それをリサイクルしてリソースを抽出する、「アスタリア先輩の真似事?」をやろうとしているみたいだが、これ以上仕事を増やしたら……お前死ぬぞ!



「大丈夫だよ。メグミ君〜。それで回収したリソースは、全て君がモグモグ食べちゃっていいから、好きなだけ働きなさい!」


『アヒャヒャヒャヒャ〜〜〜〜〜♪』



「いや、モンティート先輩。煽っていないで止めてくださいよ。いくらキャパを増やしても、自ら仕事を生み出してその枠を埋めるんじゃ、始末に負えねぇ!」


「マサル君、心配しなくても平気だって。闇神と中級神達の戦いは、何ヵ月も続くわけじゃない。それにメグミ君も、闇神以上に悪運が強いタイプだから」


「うっ! 否定……出来ねぇっス」






 ただまぁ、メグミだけに任せておくのも癪だし……そろそろ俺も、以前闇神領へ行ったときに仕込んだ種を咲かせようかな?


 あの頃の俺は現在よりも遥かに弱かったし、こういう状況になると分かった上で仕込んだ訳じゃないから、効果は限定的だ。



 とはいえ……一応「<スキル図鑑>に収載されたレア能力」と、「制約によるブースト」を組み合わせた、切り札の一つだから……


 "決定打になる"とまではいかなくても、何らかの形で役に立つだろう。



「メグミ君程じゃないけど、君も大概だよね〜」


「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ! 先輩。お願いですから、あの過労マンと比べないでくださいよ! いや、比べてもいいけど……"ボロ負け"判定大歓迎っス!!」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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『ワーカホリックになり過労死コースへ一直線』って"一発で即死しちまう地雷"として完成するまで疲労や尊厳無視した最高効率で仕事するわけだよな。 闇神の仕事って自分の神域と支配世界の維持だから、反逆者の農…
とんでもないトラップ!もはや、自販機という名の特級呪物!w メグミさんは、元に戻れるのかな??マジで…。
闇神スティグマは元々第623話の時点で、メグミの事を身震いするほど危険な魔王として警戒し、彼が邪神へ昇格するのをかなり嫌がっていた。 そのメグミが知らぬ間に「働神」へ昇格した途端に戦場の自販機へ仕掛け…
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