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842話 働神爆誕


〜モンティートside〜




 マサル君から救援要請を受けて、急いで現場であるカルマ君のダンジョンへ駆けつけると、そこではある意味"見慣れた光景"が広がっており……


 完全にトリップしたメグミ君が、おぞましい笑みを浮かべてヨダレを垂らしながら、「シゴト……タクサン…………ウレシイ……」と壊れていた。



「先輩、コレです。すでにヨダレを垂らして"命がけの過労"を喜ぶマゾモードに入っているので、上手いこと処置してやってください」


「うわぁ〜。うん、ちょっと待ってね。いや、さすがに……コレはダメだな。正気に戻すのは不可能だから、"リソースを注ぎ頑丈にする方向"へ切り替えよう」


「あっ、やっぱり手遅れでしたか」



 そんなの、一眼見ただけで分かるでしょう。


 マサル君も……メグミ君のブレーキが壊れている事は、過去のノルマ・トリップで判明しているんだから、もうちょい早く呼んでくれないと!


 ここまで深みに入って、引き返せない状況になってしまうと、もう正攻法で彼を治すのは無理だよ。



 完全にイってしまった精神はもう治療不可能だから、強引にリソースを注入して魂の格を上げ、肉体のスペックも引き上げて……


 常軌を逸した過労を強いても、彼の肉体が壊れぬようハード面を補強して、精神的に落ち着くのを待つ。



 メグミ君のトリップ状態は、手持ちの仕事がなくなるまで途切れないけど……逆に言うと、仕事さえ片付いてしまえば放っておいても正気に戻る。


 いや、「シバいて意識を落としリセットをかける工程」がいるから、完全放置で復活するわけじゃないが、それでも仕事が終われば簡単に対処できるのだ。






「アスタリアが少しでも僕等にリソースを回そうと、闇神領の結界にギリギリまで寄生してくれた甲斐があった。あと2段階丈夫にすればメグミ君は助かる」


「生き残れた結果、限界突破したうえ基準値ズレまくりのマゾ野郎が誕生するわけで……素直に"助かる"と言っていいのか、疑問は残りますが」



 マサル君は、メグミ君を強化してこの危機を乗り切る処置に、あまり良い印象を抱いていないようだな。


 彼は友人に嫉妬するようなタイプじゃないから、メグミ君にリソースを注ぎまくった結果、"強さに差が生じる"点を嫌がっているわけじゃないはず。



 この声のトーンだと……肉体・精神共に強化されて一般人の域を脱し、生粋のブラック野郎に進化を遂げたメグミ君が、さらなる変態の扉を開かないか……


 ドン引きしつつも、友人として心配している可能性が高い。



「(でもまぁ大丈夫だよ。彼は、リソースを注ぐ・注がないに関わらず既に壊れているから、ここから更に社畜成分が凝縮されても大差ないって)」


 それより、本能のまま仕事を求めてリソース注入中も動こうとするメグミ君を、君の頑丈な手足で捕らえておいてくれない?



 そこまで大きくないメグミ君の魂を、バッキバキに壊さぬよう注意しつつ、莫大なリソースを注ぐ、繊細な超激ムズ作業中に……


 トチ狂った妄言付きで「仕事を再開しよう」と暴れられると、思わずムカついてシバいてしまい、それがトドメになって死にかねないもん。



 えっ、もっとメグミを心配してやれって?


 大丈夫、彼は強いから。


 こんな爺が心配しなくても、リソースさえ与えれば「狂気にしか見えない基準値」で困難を乗り切り、数日後には(良くも悪くも)バージョンアップする筈だし。






 そんな事を考えつつ、アスタリアが入手してくれたリソースの余りを、淡々と彼に注ぎ込んでいると、メグミ君は恐るべきスピードで進化を遂げ……


 アッと言う間に種族が<魔王>から<神>に代わり、「常識を逸した過労」程度じゃ死なない肉体を手に入れた。



『あのぉ……モンティート先輩。俺の見間違いじゃなきゃなんスけど……メグミの種族、魔王から神に変わっていません?』


『変わっちゃったね〜。でも死ぬよりマシじゃない? もう少しキリのいいところまでリソースを注いで、安定するラインまで持っていくから』


『ハァ〜。お手数をおかけします』



 メグミ君のステータスを監視していて、その変化に気付いたマサル君も、まさか<神>になるとは思っていなかったのか呆れていたが……


 そりゃあ神の格が「保有リソースの総量」で決まっていたり、上納で"リソース"が使われている時点で、「リソースを盛れば神になる」のは今更じゃない?



 僕だって、まさか<働神>とかいう珍名が付いてしまい、メグミ君が「日々是労働」をコンセプトにした、社畜神に進化するとは思わなかったけど……


 野良の<下級神>とか<神見習い>になるのは、既定路線と考えていたので、「神様が爆誕したこと」自体に驚きはない。



 もっとも……闇属性の神であるメグミ君は、聖属性の神々が付与権を持つ<加護>にあたる、<呪印>を持つようになり……


 その<呪印>の呪いが、「ワーカホリックになり過労死コースへ一直線」という悍ましい代物ゆえ、「それを無自覚にバラ撒かれないか?」だけは不安だが。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
とんでもない神が誕生してしまった
あのモンティート先輩ですら珍名とみなす闇属性の「働神」か…どうすんだよコレ? 他の魔王たちや人々の間に知れ渡ったら、一体どんな騒ぎになる事やら…
24時間戦えますか? ソノテイドナド…ジギニヒトシイ
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