表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
841/961

841話 もう治療不可能なんで


〜メグミside〜




 アスタリア先輩いわく、闇神が戦闘用を有利にするべく「領内を護る結界」を消したことで、闇神管轄の世界は存亡の危機に瀕してしまったらしい。


 そりゃあ無防備なところに、ライバルの上級神達が容赦ない攻撃を遠方から一方的に打ちこめるわけだから、ボロ雑巾になるだろうね。



 幸いなことに、僕等が暮らす<サルトー区・ポルカト界>と、自販機作製ギフトの起点になっている可能性がある<ロンド区・地球界>は……


 消し飛ばすと自分達の首を絞める事になりかねないため、ライバル神達から攻撃されることなく存続しているが、攻撃をくらった他の世界はヤバイそうだ。



 なのでナメられない程度に闇神討伐軍への協力度合いを高めて、上級神達に「ウッカリ消し飛ばしたらシャレにならない」と、より明確に認識させ……


 <サルトー区・ポルカト界>と<ロンド区・地球界>の安全性を高めるのが、身を護るうえで重要……という指摘メールが来た。



 たしかに彼等が、神ですらない魔王である僕達の身の安全に本心から配慮する訳もなく、用済みになったら"チュドン"と討ち滅ぼされかねない。


 だから自販機の設置台数を増やしたり、より危険な場所に不壊特性の自販機を置くことで、貢献度合いを高めろという先輩の主張はもっともだ!






「自販機設置台数増加による負担? そんなもん知るか! 世の中、気合と根性さえあれば99%のことは何とかなる!!」


 追い詰められるほど脳内麻薬がドバドバ出て、現在の状況とその中で必死に足掻く自分が「ファンタジー物語の主人公」化してしまい……


 「太く・短く・波瀾万丈な人生を生きたい!」という考えが浮かんで、どんな無茶振りをされても返事が「はい」か「Yes」になる。



 しかも心の奥底で、僅かに残った理性が「冷静になれ! 常識を思い出せ!」と叫ぶものの、それが気にならないほど脳内麻薬があふれ出し……


 生存の限界ギリギリを攻める快感と、社畜道を極める喜びで心が支配されて、「きっと出来る! エクスタシィー!!!!」となるんだよ。



 先程から、カルマが「メグミ先輩、正気を取り戻してください!」と絶叫し、スティーブもドン引き顔を浮かべつつ引き止めてくるが……


 人間、無意識のうちに自分の心身が壊れぬようブレーキをかけているものだから、能力のキャパを広げたいなら限界突破の機会を逃しちゃダメ!


 たとえその時辛くても、それを乗り越えれば広がったキャパが資産となり、10年後の自分にチカラを与えてくれるはず!



『メグミ先輩、それを"生存者バイアス"って言うんです! 生き残ればそうなるかもしれませんが、死んだら墓しかのこりません!』


『カルマ。すでに先輩は"狂気の扉"をくぐってしまったんだ。正気に戻すのは諦めて、魂が肉体から離れたら皆で力を合わせて戻す方針でいこう』


『スティーブ君……。グスッ』



 何故だろう?


 こんなにも楽しい状況なのに、カルマが"死んだ魚の目"をしている。


 僕と同類である筈のスティーブも、ため息をつき天を仰いで……不思議なこともあるもんだなぁ〜。






<−−− ヴーーンッ −−−>


 あれ、モンティート先輩……そんなに慌てて、どうしたんですか?



『先輩、コレです。すでにヨダレを垂らして"命がけの過労"を喜ぶマゾモードに入っているので、上手いこと処置してやってください』


『うわぁ〜。うん、ちょっと待ってね。いや、さすがに……コレはダメだな。正気に戻すのは不可能だから、"リソースを注ぎ頑丈にする方向"へ切り替えよう』



 なんかマサルと二人で僕を見て、失礼極まりないことを言っている気が……?


 でもまぁ僕は増えた仕事で手一杯なので、文句を言うのは後にして今は水に流しますよ。



『アスタリアが少しでも僕等にリソースを回そうと、闇神領の結界にギリギリまで寄生してくれた甲斐があった。あと2段階丈夫にすればメグミ君は助かる』


『生き残れた結果、限界突破したうえ基準値ズレまくりのマゾ野郎が誕生するわけで……素直に"助かる"と言っていいのか、疑問は残りますが』



 不思議だなぁ〜、いくら働いても心身の疲労が襲ってこないし、モンティート先輩の手が触れるたび身体がポカポカする。


 相変わらず暴言吐かれまくりで、キレなきゃいけない状況なはずだけど、今はそれよりも……このみなぎる力を使ってさらに働きたい!


 そして一足飛びに成長して、<農民><小鬼>同盟の仲間達や大切な配下を護り、安らかに暮らせる未来を手に入れるんだ!!



『あのぉ……モンティート先輩。俺の見間違いじゃなきゃなんスけど……メグミの種族、魔王から神に変わっていません?』


『変わっちゃったね〜。でも死ぬよりマシじゃない? もう少しキリのいいところまでリソースを注いで、安定するラインまで持っていくから』


『ハァ〜。お手数をおかけします』

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いや、あっさり神になっちゃったな、おい。 無所属の野良神なんだろうけど。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ