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838話 基準が盛大にズレている男


〜メグミside〜




 7割くらい"闇神の悪口"が含まれているものの、実際に闇神領に入って式神を放ち、領内の状況を逐一伝えてくれるアスタリア先輩には感謝しかない!


「(ふむ。ついに闇神と討伐軍の神々がぶつかったか。普通に考えたら、上級神である闇神に中級神以下で構成された討伐軍が勝てるとは思えないけど……)」


 実際のところ、そこまで単純な話でもないようだ。



 闇神<スティグマ>はたしかに強いが、成熟していない身内以外に味方がおらず、睡眠時間を確保するどころか食事すらままならない状況。


 人間と違って神様だから、寝食を怠っても死ぬわけじゃないけど……戦闘時の疲労をソレ無しで癒すのは難しく、回復は限定的になってしまう。



 一方、討伐軍の神々はそれなりの数派遣されているうえ、事前に作戦を決めて「疲れたら引き、他の者に任せて自分は休む」を徹底するルールになっている。


 なので闇神が彼等を疲弊させても、すぐ後ろに控える元気な神々と選手交代されて、後方で回復されてしまうのだ。



 そしてココで重要になるのが、自意識過剰かもしれないけど"僕の自販機"なんだよ。


 食事のストックを気にせず好きな物を好きなだけ食べられるうえ、熱々のスープや新鮮な魚といった「戦地とは思えない料理」も買えるので……


 普通に戦地で休むのと比べて、メチャクチャ回復しやすくなる。



 というか……飲食物だけでなく、疲弊して後方に引いた神々が休憩するポイントの自販機では、羽布団や枕も売っているから……


 文字どおり"ぐっすり眠れて癒される"こと、間違いなしだ!






 あとこれは副次効果なんだけど……たぶん闇神も、戦闘に集中したら「後方へ下がった神々」に対して監視網を広げるじゃん?


 そこで美味しい物を食われて快適な環境でグッスリ休み、みるみるうちに回復していく敵達の様子を見たら、発狂モノだよね。



 自分は頼れる味方がおらず疲弊していく一方なのに、敵だけ快適な環境で癒されてすぐ復活するとか、理不尽もいいところなんだよ。


 実際のところ、そうなるのは全て闇神のせいだし自業自得なんだけど、自分が追い詰められたときにソレを顧みられるような奴は、こんな状況に陥らない。


 ゆえに肉対面だけでなく精神面も、討伐軍の休憩が本格的に始まったら蝕まれ、最終的には壊れるんじゃないかな?



 ただ現場へ派遣され命がけで戦っている討伐軍も、背後にいる上級神達にとっては"捨て駒"であり、闇神を疲弊させる事ができればお役御免。


 あとは適度なところで力尽きて倒され、管理世界と遺産リソースを丸ごと接収されて、上級神達に美味しくいただかれるという……


 頑張りが何一つ報われない、悲惨な最期が待っているのだとか。



 そして討伐軍の"数による攻め"と"理不尽な環境格差"で、心身共にボロボロになった闇神も、後から出張ってきた上級神達にトドメを刺されて……


 闇神領ごと食い尽くされる予定なわけで……情もヘッタクレもない神々の世界、マジで怖い。



 この戦いが終わったら僕等はお役御免で、通常の魔王生活に戻れるはずだけど、下手に目をつけられて彼等との関係性が続くと疲弊してしまうだろう。


 彼等相手にボッタクリ価格で商売しておいてなんだけど、搾取と裏切りが日常になっている連中と付き合うのは、メンタルが保たないんだよ。






「(ほげぇ、またアスタリア先輩から"自販機設置よろしく"メールが来た! 分かっているけど、いつまで続くんだ……この地獄は!)」


 すでに肉体的なキャパは限界を超え、漏斗で無理やり注がれるマナポーションと、気合い・根性だけで耐えている状況。



 現場で命を張っている面々や、長期間コレをやってレアアイテムを生産していた、スティーブ程じゃないけど……


 精神的には、脳内麻薬を噴出させてトリップしないと壊れてしまうくらい、限界に近付いている。



「(とはいえ、ガッツリ稼がせてもらっている訳だし……神様達も"僕の自販機"を前提に動いているんだから、弱音なんて吐けないよね)」


 きちんと課された「自販機100台設置」のノルマをこなして、後方支援部隊の役目をこなしてから倒れよう。



 一度設置された自販機は、僕が疲労で気絶しても死なない限りは自動で商品を売ってくれるし、集金の仕組みも半自動化されているから……


 根性を出して設置し切ってしまえば、後の事はどうとでもなるのだ!



 そう考えると、疲れ果てて気絶しても叩き起こされて残業を強要されるカルマより、"ホワイト寄り"な能力だよなぁ。


 以前、モンティート先輩にお勧めされて読んだ本に書いてあった、「労働集約型」と「事業資産蓄積型」の違いか?



 とはいえ……設置作業さえ済ませてしまえば比較的楽な自販機業者でも、設置時に無茶し過ぎて死んだら、全てが終わるわけで……


 根性論は「口から魂が漏れ出す程度」にとどめて、最後の一線は越えないようにしなきゃダメだけど。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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