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835話 「狂人の扉」に穴が空いている男


〜メグミside〜




 記憶の修正を求める割には蹴りを入れた足が臭く、「ただの事実じゃん」と思ったが、マサルの価値観だと事実陳列罪は重罪扱いらしい。


 嫌がらせ用に保管している「汚臭地獄の期間に着ていた服」を、容赦なく顔面に投げつけられ、あまりの臭さに意識が飛びかけたよ。



「(オエェェェ〜〜〜〜〜ッ!! キモすぎて死ぬ! とはいえ……リアル汚臭攻撃で、サーシャにくらったエロ攻撃の余韻は飛んだし……良しとするか)」


 とりあえず、早く仕事を終わらせてシャワーを浴びよう。


 汚服は即燃やしたので脅威は消え去ったけど、汚臭が目とメンタルに沁みて涙が止まらん!



<−−− ツルッ −−−>


「おっと危ない! 汚物に対処していたら、手が滑って宝玉を落とすところだった! これ、何気に命の危機だって!」



 見たところこの黒光りする宝玉には、1個で「引っ越しビジネス3回分」くらいのリソースが含まれている。


 もしそんな貴重なものを壊してしまったら、命を張ってリソースを奪ったアスタリア先輩をガッカリさせてしまうし……


 モンティート先輩すら枯れ果てた程の説教&お仕置きが、僕に降り注ぎかねない!






「んっ、アスタリア先輩から追記のメールが来ている。可能な限りリソースを盗んで宝玉化し、その都度ソッチへ送るから、皆の強化を始めておいて……か」


 アスタリア先輩の望みどおり皆を強化するとなると、明言こそしていないものの、年功序列で宝玉を渡していけばいいかな?



 たぶんアスタリア先輩は、まずモンティートに"自分と同じくらいのリソース"が注がれる状況をつくり、強さを"元の順番"に戻したいと望んでいる。


 つまり、モンティート先輩→ゴーブル先輩→ナーティー先輩→サーシャ→スティーブ→カルマの順で、宝玉を使ってもらえば報われるはずだ!



「という事で、サーシャ。悪いんだけど、モンティート先輩をこの宝玉で強化してきてくれる? たぶん嫌がるから、後輩力でゴリ押す感じで」


「了解! 先輩の説得は骨が折れそうだけど……最悪"女の涙"で感情論に持ちこんで、強引に強化する流れでいくよ」



 アスタリア先輩の希望に関わらず、リーダーモードに振り切ったモンティート先輩は、「そんな余裕があるなら前線に出る奴を強化しろ」と一蹴するだろう。


 そして理屈上はモンティート先輩の方が正しく、今後も活躍が期待されるアスタリア先輩やマサルに、リソースを振り分ける方が正しい訳だが……


 それじゃ頑張ったアスタリア先輩が報われないし、僕だって「メンバー内で埋めようのない実力差が生じる」状況は、長期的な幸福に繋がると思えないもの。



 だからアスタリア先輩の望むままに、年功序列でリソースを注いで皆の実力を底上げし、「狙われたら即終了」な弱小魔王がいない状況へ持っていきたい。


 そのためには、最低でも6つの宝玉がいる訳だが……アスタリア先輩もそれを覚悟のうえで臨んだはずだし、先輩ならきっとやり遂げてくれるだろう。






 と言っている間に、「自販機を設置するのに適した場所」を見つけた眷属達から、「早く置け!」という催促メールが!


 ゴメンゴメン、すぐ全部処理するからあと5分だけ待って!



「(キツゥ〜。近場で自販機を置くのと違って、遠方……どころか異世界への設置料金を追加で取られているから、一ヶ所置くだけでマナが飛んでいく!)」


 マナポーションを飲めば数回は耐えられるけど、僕のノルマは「100個も自販機を設置すること」なので、理屈をねじ伏せる覚悟が必要だ!



「(<水の職人>でアイテムを量産したときの、スティーブを見習え! 口に漏斗を突っ込むパターンだと、モニターが確認し辛いから……鼻を捧げる!!)」


 チューブを通しやすくするために一時的に鼻を削いで穴を広げ、そこから胃まで繋げて、執事オートマタに自動注入してもらう。


 そして役目を終えて"ただの水分"になったマナポーションは、小腸の入り口に刺したチューブから体外へ排出される仕組みを作って、自動化すればいい。



「コソッ(なぁカルマ。メグミ先輩……まだ大して追い詰められている訳でもないのに、自発的に"人外の選択肢"を選んだぞ。やっぱり、素でイかれている)」


「コソッ(仕方ないよ。だって先輩は、ナチュラルに狂った過労マンだもん。扉に穴が空いているから、僕等と違い"新たな扉"を開ける必要すらないんだって)」



 おーぃ後輩ズ、陰口が丸聞こえだぞ〜。


 お前等だって、僕と同じ「気合いと根性で限界を越えていく無限労働マシーン」なんだから、そのうち"似たような価値観"になるんだよ!



 それにしても、このチューブ方式……実際にやってみると、胃の内容物も消化液も全部流れちゃって地獄だな。


 回復魔法の応用で精神を安定させているから、心が壊れることはないけど、部屋中ゲロの臭いが充満していて物理的にグロい。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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