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820話 どっちがブラックか分かんねぇ


〜メグミside〜




 闇神の監視が緩んだのを利用して、目立たぬよう立ち回ることよりもスピード重視に切り替え、溜まった引っ越し依頼をモリモリ片付けていくマサル達。


 これだけ露骨にやったら、さすがにバレるかもしれない……と思ったが、意外にも引っ越し中に襲撃を受けることはなく、今のところ順調そのものだ。



 終始横柄な態度でマサル達に接して、当たり前のように出来の悪い配下を引っ越し直前にリストラ。


 その後処理を全部コチラに押し付けたクライアントの中級神達は、たとえ引っ越しが上手くいっても、移籍後に地獄を見る可能性が高いので……


 「むしろ移籍前に襲撃をくらい惨殺された方が、まだマシだった」と後々後悔するかもしれないけど。



 「でも、どうして闇神はわざわざ墓穴を掘るような真似を?」と思ったので、仕事ついでに、転移直前の中級神達から情報収集してもらったところ……


 闇神が遠隔地の監視を止めた理由は、「地方から名指しで闇神城に呼び寄せた10神が、城に到着しそうになったから」だと判明。



 彼等が闇神城に到着する少し前に、城内が完全に探知不可能な状態となり、それは依然として続いている……とのこと。


 また召集された10神は、様子を見ながら一神ずつ入っていくのだけど、8神目が入った現在も外へ出てきた者はいない。



 インデックスを見る限り、「彼等はまだ生きており、むしろ新たな世界の管理権を渡されて、重用されている」との事だが……まぁ、どう考えても偽装だよな。


 具体的な方法は分からないけど、遠隔地の監視を止めてまで闇神城の探知対策を徹底し、「何が起きてもバレない状況」をつくり出したのだから。



 これで闇神が、「今までゴメンナサイ。これからは心を入れ替えて部下に優しい上司になるから、君達は逃げないで僕を支えて!」とかやっていたら……


 噴飯ものだし、「あまりに追い詰められ過ぎて、頭イったの?」と突っ込んでしまいそうだ。






「とはいえ……一極集中で狙いを絞った以上、その10神はもう助からないだろう。お気の毒に……とは思わないけど、リソース乞食……したかったなぁ〜」


 彼等は地方在住の中級神の中でも優秀であり、だからこそ呼び出されたとき「もしかすると出世話かも」と思うくらいには、エリートだったので……


 当然ながら、管理する世界の数も多く蓄財リソースも莫大だった。



 彼等が命を捨てて囮となってくれたおかげで、他のクライアント達を移籍先へ逃がせて、その報酬としてリソース乞食させてもらえたものの……


 どうせなら優秀な神様のリソースと、彼等がリストラで置いていく配下の魂をチューチューしたかった、とコチラが思うのも自然な事だ。



「だけど、たしか彼等も"移籍契約"を最終段階まで進めていたよね? つまり一瞬でもコンタクトをとる隙があれば、契約成立に漕ぎつけられるかもしれない」


 それにも関わらず、「彼等が足掻いた痕跡」すらコッチに伝わらないとなると……


 闇神城の中は文字どおりの"魔窟"であり、優秀な中級神の力をもってしてもなお、外部と数秒間コンタクトをとる隙すらない。



 しかも備えさえ徹底すれば、闇神は「10神相手でも勝てる」と判断して、実際その通りになりかけている……って事だろう?


 そう考えると闇神の存在が恐ろしく感じられるし、もし直接戦うハメになったらと思うと絶望感しかないよ。



「(だからこそ、僕等はさっさと引っ越しビジネスを終わらせて地獄世界から撤退し、乞食したリソースで自分達を強化! 争いは、他派閥に任せる!!)」


 情けないこと極まりないが、大切な仲間のことを第一に考えた立ち回りをする事こそ、弱者の生存戦略なのだ!






「あっ、マサルからメールだ。ふむ。またリストラ組の殺処分でリソースが貯まり、貯蔵タンクがいっぱいになった……か。了解!」


 優秀な呼び出し組のリソースこそ逃したが、引っ越しビジネスが大盛況かつ、全員「使えない配下」をポイ捨てして去っていくので……


 その処理までしているマサル達は、アッという間に報酬リソースが現場管理できる限界量を超えてしまい、ちょくちょくダンジョンに帰還している。



 その度にカルマも<コマンダー>の乱用で壊れかけるが、側に転がりっぱなしの媚薬が抑制力になっているのか、ガチ壊れはしないのでまだ大丈夫だろう。


 過労の極みみたいな状況だが、せっかく集めたリソースを保管できず飛散させてしまうなんて勿体ないし……こればかりは仕方ないよね?



「せっ、先輩ぃ〜。キツイィィ〜〜〜〜」


「大丈夫だ、カルマ。安心しろ。僕が側で応援してやるから! 気合い・気合い・根性・根性! 何事も成せばなる〜〜〜〜!!!!」


「きぃ……気合いぃ…………」



 <小鬼>同盟男子チームに、労働基準法なんて概念は存在しません!


 月月火水木金金!


 24時間共に働ける、アットホームなチームなんです!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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月月火水木金金! そういえてるうちはまだブラック労働初心者だからまだまだ大丈夫だな ガチのブラックは毎日が水曜日!前も後ろも仕事で埋まってて曜日感覚なくなってズレに気づかなくなってからが本当のブラック…
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