表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
816/969

816話 6人のマサルから


〜メグミside〜




 ルノーブル先輩の眷属達が加わってくれたことで、6倍のスピードで引越し依頼をこなせるようになり、処理速度が受注速度を上回ったものの……


 その代償としてマサルの精神は崩壊し、カルマを筆頭とした後方支援チームも、事務処理とサポート業務でパンク寸前に。



 途中で、「<水の職人>ギフトを使ったアイテム制作業務」を中断したスティーブが、応援に駆けつけてくれたから、まだ辛うじて回っているが……


 理不尽な残業が毎度のように発生するうえ、提携している他神派閥も、計算間違いを装いリソース報酬をケチったりするので、全ての業務で気が抜けない。



<−−− ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ −−−>


 そしてスマホからは、余裕がなくなり「配慮」という言葉を忘れたマサルの、メール受信を知らせる通知音が絶え間なく鳴り響く。



 僕等の中で一番キツイ仕事をこなしている彼に対して、「メールすんな。大人なんだから黙って乗り切れ!」と突き放すなんてマネ、当然できる訳もなく……


 命の危機を知らせるメールが来る可能性もあるので、忙しい業務の合間を縫って、全て僕が目をとおし、自分の頭で考えた返信メールを返している状況だ。



 そんな中、マサルから「ちょっと毛色の違うメール」が届いた。


「あれ、どうしたんだろう? "涙"とか"ゲロ吐き状態"の顔文字が入っていないメールなんて、珍しい」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


理由は分からないけど、状況が変わった。


俺の<探知狩り>名簿にずっと載っていた、闇神の名前が消えたんだ!


当たり前のように残業を押し付けようとしていた顧客の野郎も、露骨にビクッとなって喋るのを止め、身の安全を再確認していたぜ。


俺にとっては、「気配がザコになるデバフ」をかけなくても活動できるって事だから、プラスでしかねぇし……


そもそも耐性オバケ過ぎて、このデバフがかからず存在感むき出しだった、ルノーブル先輩の眷属達にとっちゃ、霧が晴れたようなものだろう。


油断していると、また悪い状況にコロッと変わる可能性もあるから、気は抜かねぇが、このチャンスを活かして引っ越し作業を進めてやる!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜探知狩り〜


自分のことを、能力を使って探った相手のパーソナルデータを、逆に狙い撃って強制開示する能力。


開示できる項目は、「相手とのパワーバランス」と「事前に賭けておくマナの量」によって変わり、大量のマナを賭けてターゲットを狙い撃てれば、その者の情報を丸裸にすることも可能。


しかし「相手が能力を使って探りを入れ、自分がその影響を受ける」という条件をクリアしないと発動しないトラップ型なので、能力の自由度は低い。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ふむ。マサルの<探知狩り>を凌駕するほどハイレベルな探知を、このタイミングで闇神が取り入れてきたとは考えづらいし……探知中断って意味だよね?」


 彼の言うとおり、闇神が探知を止めた理由が分からない以上、油断していると足をすくわれて酷い目に遭うかもしれないから、気は抜けないけど……


 味方にとってポジティブな変化だし、喜ばしいことだ!






 そう考えて、マサルへ"祝賀メール"を返そうとしたところで、今度は「水分身のマサル達」から立て続けに報告が。


<<<<<−−− ピロリロリーン♪ −−−>>>>>



 全員「マサルのコピー体」であり、スマホの登録名や文章の癖もそっくりなので、一斉にこられると紛らわしい事この上ない。


 とはいえ闇神の探知中断は、マサル本体がいる場所でだけ起こったはずないし、分身達もそれぞれ何か感じて、その異変を報告しようとしてくれたのだろう。



「ふむ。方角こそ違えど、本体と同じく"地方暮らしのクライアント"を担当していた分身は、"探知が消えた"と言っている。つまり、地方は解放されたわけだ」


 一方……中心部に近い場所に神殿を構える、中級神の接客をしていた分身のメールには、「探知が弱まった。だけど闇神城の不透明性は増した。不気味」とある。



 よって中心部は、依然として"闇神の監視"に晒されているものの……地方程じゃないにしろ注力されなくなり、動きやすい環境に。


 その代わり「闇神城の不透明性」がさらに増し、「もし内部で中級神狩りがおこなわれていても、外からじゃ一切気付けない状態になった」可能性が高い。



「骨の髄から腐っている連中でも、さすがは中級神。側で観察しているだけで、こんなに詳しい情報が分かるとは!」


 逆に、これだけ詳しく調査できる能力があるのに……なぜほとんどの中級神が、己に魔の手が迫るまで亡命を躊躇ったか、謎だけど……


 限りなく黒に近かろうと「確定じゃない情報」は、それだけ迷いを生み、「現実から乖離した期待」を抱かせてしまうモノなのかもしれない。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ