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814話 リスク・リターン


〜メグミside〜




 モンティート先輩の案に従い、「ルノーブル先輩の眷属」に「マサルの水分身」をくっつける形で、引っ越し作業をこなせる部隊を1→6まで増やした。


 依頼は山積みだし、<ガッツ>と<ゲンキ>も引き続き営業活動に勤しんでくれているので、これからも受注案件は降ってきそうだけど……


 闇神派閥の中級神は、(全員が生き残っていた時点でも)50名しかいなかったため、このビジネスには限りがある!



 つまり……負担が集中しているマサルとカルマも、「仕事を完遂して休める日」が必ず来るので、それまで気合いと根性で頑張ってほしい。


 じゃないと、受注案件が処理できずクレーム祭りになり、提携している他派閥の怒りも買って粛正されかねないから、マジでお願いします!



<−−− ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ ピロリロリーン♪ −−−>


「しかし、まぁ何というか……そこまで分身ってキツイのね。<水分身>ギフトの強化に、リソースを割かなくて正解だったよ」



 <スキル図鑑>でコピッた<水分身>ギフトを使い、5体の分身を生み出して、本体含めて6ヶ所で"顧客の接待"をこなしているマサルは……


 プライドが鬼高いルノーブル先輩の眷属達に、足を引っ張られているようで、スマホが鳴り止まないくらい愚痴メールを送ってくる。



 あまりにも煩いので、一瞬「迷惑メールに振り分けようか」と思ったが、生死が絡む連絡が来たら困るし、バレると後々祟られそうなので止めておいた。


 危険な現場で過労を強いているのだから、愚痴くらい受け止めるべきだろう。






「それにしても……くくくっ、ここでキョンシーが登場するとは! 眷属達は"ブチ切れ"みたいだけど、ルノーブル先輩……喜んじゃっているし」


 アンデッドの割に感情が豊かなルノーブル先輩は、おデコに札を貼られた眷属達が可愛かったようで、隙間時間に自撮りさせてその動画を堪能している。



 見るからに殺気ムンムンの眷属達が映っており、そこにスマホアプリのキラキラ加工で「キョンシーLove」と注釈されている、動画を送られたときは……


 返答に困ってしまい、その動画に「いいね」マークを押すことしか出来なかったよ。



<−−− ピロリロリーン♪ −−−>


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


分身達が顧客に媚びまくって、鬼のように揉み手しているっぽい。


最悪だ……アイツ等が消えたら、俺……5倍の鬼揉み手で、指紋が消える感覚を味わうかも。



byマサル


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ドンマイ! もし手が焼けるように痛んだら、僕が自販機で"薬買い放題サービス"を提供してあげるから、成仏してくれ」


 というか……負担激増でイきかけているマサルも大変だけど、<コマンダー>の使用頻度が6倍に増えたカルマの方が、"死"に近いんだ。



 「ノルマ・トリップするとサーシャに媚薬を使われて詰む」と思っているのか、まだ辛うじて意識は保っているけど……


 セルフビンタで喝を入れまくり、事あるごとに「気合いだ!」と叫ぶ、別の扉を開きかけているので、本当にシャレにならないんだよ。






「マサルの方で心配なのは、いつ闇神が本格的に動き出すか……ってこと。身内でキョンシーしている分には、シバかれる程度で済むから安全なんだけどさ〜」


 闇神が中級神狩りを再開したら、標的の中級神を逃しているマサルは真っ先に狙われる可能性があるし、命の危機にさらされる。



 そうなる前に、6馬力で山積みの引っ越し依頼を全て片付けて、トンズラこけるといいんだけど……


「それだけ獲物が減ったら、さすがの闇神も気付くしマサル達に目をつけるよなぁ」



 <サルトー区・ポルカト界>を含む、数多の世界群を間接支配している闇神が、もしマサル……ひいては、その後ろにいる僕達に殺意を向けたら……


 世界丸ごと滅ぼされてしまう可能性だってあるので……依頼完遂を目指しはするが、もしタイムアップになったら"残りの顧客は見捨てる"のも、また重要だ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 メグミがそんな事を考えて、リソース報酬と襲撃リスクを天秤にかけ悩んでいる頃……闇神<スティグマ>は、居城の中でマジギレしていた。


「アイツ等ぁ……!! せっかく呼んでやったのに、カメのようにノロノロ参上しやがって!!!!」



 彼がキレている相手は、名指しで呼び出されたものの、「ファーストペンギンになりたくないから」と遅参レースを繰り広げている、地方組の優秀な中級神達。


 命がかかっている状況かつ、皆が「最初に到着するのは本当にヤバイ」と理解しているため、彼等の歩みは遅く……


 自分達の神殿があるエリアこそ抜けたものの、まだ闇神城がそびえ立つ中央区画には、入っていない有り様だった。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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