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812話 マサルを救え!


〜メグミside〜




 <ブラック>と二人でゆっくりご飯を食べながら語り合い、改めて「<ブラック>は信じるに足る奴だ」と認識して、"今後はコキ使う"と宣言した後……


 引っ越しビジネスの仕事現場に戻ると、カルマだけでなくサーシャまでもが過労で目を回していた。



 というか……彼女の足元にある「<ピー>のとき、いつもお世話になる媚薬」は何だ!?


 えっ、もしかして気が狂ってカルマに使っちゃったとか!!!?



「(いや、冷静になれ。もしサーシャに"逆ハー願望"があったとしても、過労で人格崩壊しかけたカルマを見て"喰いたい"と思うか? さすがに無いだろう)」


 カルマの名誉のために言っておくと、彼は気弱なタイプなので女性にアタックできず未だ童貞だが、男としてのスペックは普通に高い。


 たぶん僕よりも上だし、過度なストレスを与えず正常な状態に保てば、「忠犬ハチ公のような彼氏」になれる優良物件だ。



 とはいえ、現時点では「崩壊間際のロボット」にしか見えないので、いくらサーシャでもこの状態に「喰いつきたい」とは思わないだろう。


 そもそも、ウチの彼女はそんな節操ナシじゃないし!



「でも、何でそんなにイきかけているの?」


「あぁ、メグミ君。ようやく戻ってきてくれた! 早くお仕事を手伝って。<ガッツ>と<ゲンキ>の営業活動が上手くいきすぎて、過労でパンクしそうなの」



 あっハイ、ウチの子達が原因なんですね……申し訳ございませんでした!


 誠心誠意働いて事態解決に努めさせていただきますので、どうかご容赦ください!!






 サーシャに言われたとおり、引っ越しサービスの予約票を見ると、上から下までビッシリ埋まっており……


 その中には、<ガッツ>と<ゲンキ>がとったモノと思われる直契約もゴロゴロ混ざっていた。



「(というか、直契約の方が多くない? もしかして、彼等は天才営業マンなの!?)」


 一瞬驚いたが、「引っ越しサービス利用者の発言メモ」を確認したところ、時期と場所による恩恵ありきの成果だと判明。



 もし<ガッツ>と<ゲンキ>が本物の天才なら、「親として、彼等が才能を活かせる場所を用意してやらねば!」と思ったけど……


 "素質アリ"って程度なら、闇神戦後もしばらくは一緒に暮らして、のびのび育てるカタチで大丈夫なので、焦る必要はなさそうだ。



「それにしても……これ、一番の問題は"マサルしか引っ越しに立ち会えない"点だよね? ここの人員を増やせないと、処理速度が上がらず事態も改善しない」


「うん。だけど現実問題として、送り込めるのはマサル君くらいでしょ? 他のメンバーは、実力か態度に問題があるもん」


「たしかに」



 契約をとるだけなら<ガッツ>と<ゲンキ>で充分だけど、引っ越し直前の……この見苦しいゴネ具合と、リストラ組の押しつけを見ると……


 最低でも、「マサルと同程度の戦闘力を持つ者」が現場へ行く必要があり、かつ体力も要求される。



 だから実力があっても、<農民>同盟の先輩方に頼むわけにはいかないのだ。


 もし仮に彼等が地獄世界へ行ってくれたとしても、相性が悪い瘴気まみれの空間とエンドレス過労で、体力が尽きて殺られてしまう可能性が高い。



 恥ずかしながら、僕もダメだ。


 マサルほど瘴気に適応できないうえに戦闘力も微妙で、かつ僕が死ぬと眷属達も道連れになってしまい……


 地獄世界に適応できる味方が一気に減って、マサル単独で闇神戦……みたいなヘルモードになりかねないもの。






「とはいえ、ここままだとマサルが過労死してしまう。先輩方にも相談して、早急に対策をひねり出すべきだ!」


 そう思った僕は、さっそくモンティート先輩へメールを送り、「何かいい案はないか?」と尋ねた。


 すると……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ルノーブルの眷属達に出てもらおう。


彼自身は、制約で己のダンジョンから出られないけど、眷属達なら出入り自由だし、アンデッド集団だから瘴気耐性もある。


ちょっと"尊大さん"だけど、メグミ君からコピーした<水分身>ギフトで、マサル君が自分の分身を作って、交渉役だけ引き受ければ何とかなるでしょう。


僕等が地獄世界へ直接行くのは、属性の相性が悪すぎるから可能な限り避けたいけど、メグミ君達の手伝いならできるし、誰か派遣しようか?


それか……<水の職人>でレアアイテムを増やすのを一旦諦めて、スティーブ君を君達の仕事に加えるのも、アリだと思うよ。



byお爺


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 明確な解決策が届き、数分後にはルノーブル先輩の眷属さん5体が、カルマのダンジョンに来てくれた。


 モンティート先輩いわく……ルノーブル先輩の眷属は、闇属性かつ冥府に近い存在ゆえ、普通の魔王が設定できる"眷属"と違い……


 僕が<眷属創造>で生み出した眷属に、近い存在らしい。



 神力<眷属創造>に比べると、「地獄世界への適応度」や「個体スペック」は一段階落ちるけど、一般魔王の眷属と比べると圧倒的だそうだ。


 その代償として、「空気読めないタイプ」かつ「プライドTAKEEE系」の割合が8割を超えるが、それでもルノーブル先輩への忠誠心は標準装備なんだとか。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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