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803話 毒をもって毒を制す


〜メグミside〜




 マサルの任務成功を喜んでばかりはいられない。


 こちらも早いこと自力で「割りのいい案件」を獲得して、他派閥からの仕事紹介に頼らなくても稼げる状況に持ち込まないと!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


それで、本当に大丈夫なんだろうな?


お前達がやらかしたら、これまで積み上げてきた信用がゼロになり、数ヶ月後には<農民><小鬼>同盟全滅……パターンの可能性も増すんだけど。



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


はい、大丈夫です!


私も<ボッチ>も、ご主人様のお役に立てることが至上の喜びであり、その為に命を賭けて尽くす所存ですので、大船に乗った気でご安心ください!



byブラック


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 自力で依頼をとり、ガッツリ稼ぐと言っても……


 現在、眷属の<キアイ>は中級神<エース>と行動を共にしており、「他派閥からの依頼を請け負うメッセンジャー」として働いているので、動かせない。



 また<ノルマ><ガッツ><ツヨガリ><ゲンキ><ハヤイ><ドウテイ>は、帰還にもう少し時間がかかり……


 コチラが顧客開拓の伝手にしようと企んでいる、「以前"紹介状"を置いていった中級神」の神殿を探す手間も考えると、仕事を割り振れない状況だ。



 そして誠実な人柄の眷属<シツジ>は、側仕えさせているゆえ持っている機密情報が多すぎて、探られたとき致命傷になっちゃうからNG。


 同じく手隙の<ボッチ><ブラック>は、性格面に難アリで、とてもじゃないがこの手の仕事を任せられず……


 素早く安全に顧客開拓ミッションをこなせる者が誰もいなくて、焦っていた。






 そんな僕に対して、余計な動きをさせぬよう「スティーブの監視」を任せていた<ブラック>から、メールで提案が届く。


 その内容は、「自分と<ボッチ>がペアを組んで、紹介状を置いていった中級神の神殿を探る」というものだった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


いや、<ボッチ>に二人以上での行動とか無理だし。


コッチは大丈夫だから、お前はお前の仕事をしなさい。



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


私の記憶が正しければ、彼はついこの前も、アスタリア様とペアを組んで動いていたはずです。


毒舌で嫌われるタイプとはいえ、根は素直でいい子ですし、私が我慢すれば問題なく働けるかと。



byブラック


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「そうかもしれないけど、何方かというと"お前"に問題があるんだよ!」


 <ボッチ>は協調性皆無だしクライアントにも暴言を吐いてしまうから、交渉に参加させられないので、今回は動かせない……というだけ。


 だが<ブラック>は、高スペックかつ礼儀礼節も弁えているものの、全身から漂う「いずれ裏切る感」が酷すぎて信頼できず、外仕事全般を任せられないのだ。



「でも<ボッチ>と行動を共にしている状況なら、<ブラック>も露骨な裏切り行為はできないはず。"毒をもって毒を制す"って言葉もあるし……やるか?」


 少なくとも、<ボッチ>は素直で信用に値する子だ。


 そして自分の頭で考えることも、こまめに「報・連・相」することもできるので、彼の目がある限り<ブラック>が堂々とやらかす事はないだろう。



 また<ボッチ>が致命的に苦手とする他者との交渉も、<ブラック>と組ませれば、(相手に不信感は残るものの)可能っちゃ可能だし……


 神殿を見つけるところまでやらせて、残りの仕事は帰還した<ノルマ><ガッツ><ツヨガリ><ゲンキ><ハヤイ><ドウテイ>に振ることもできる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


分かった、お前の提案に乗るよ。


ただし、<ボッチ>には定期的に「報・連・相」させること!


そして顧客候補との交渉は、弁が立つ他の眷属に任せるつもりだから、お前達の仕事は「その神様の神殿前に拠点をつくる」ところまでだと思っておいてくれ。



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


かしこまりました!


先程のメールを<ボッチ>に見せたところ、彼も非常に乗り気で出発準備を始めましたし、きっと最良の成果をあげられることでしょう。



byブラック


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 こうして<ボッチ><ブラック>ペアを地獄世界へ送り、紹介状を置いていった中級神の神殿を、捜索させているのだが……ストレスで胃が壊れそうだ。


 仕事自体で重大なミスをやらかしたとか、裏切りで破綻したとか、そういう訳じゃないんだけどさぁ〜。


 <ブラック>を地獄世界に解き放つなんて……「以前<ボッチ>が狩った闇神のクソ眷属」とか「賄賂役人」のイメージが、脳内に浮かんできて……キツイ。



「ハァ〜。まさか、<ボッチ>からの<報・連・相メール>に安心する日がくるとは思わなかったよ。少なくとも、そっちの内容は信用できるから」


 とはいえ<ブラック>だって、明確に裏切らない限りは「ウチの大事な眷属」だし……この不信感が伝わって彼が傷つかぬよう、上手く立ち回らないとなぁ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
ブラックは性格じゃなくて、仕事に向き合う考え方や働き方がブラックなだけだから…… 忠誠心という意味では結構ホワイトなのでは? ここを裏切ればもっと黒い職簿はほかに無い、的な意味でだけどw
さて、ブラックの汚名返上なるか? 腹黒でも組織には忠実な奴って結構いるもんなぁ。
ブラックは裏切りのブラックではなく社畜を育てる会社...ブラック会社とかのブラックでは?
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