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797話 気付く者


〜マサルside〜




 メグミは、目が<$ $>になっている銭ゲバモード。


 そして実働待ちのカルマは、過労が極まりトリップ一歩手前の状態だったが、とりあえず仕事はしてもらえ地獄世界に着けたので問題ない。



「ふむ。この転移拠点から、南の方へ3時間くらい走る感じか。監視の目はあるが、まぁ余裕だろう」


 現在、闇神領には「粛正や破滅がかかった権力者」が多数いるため、テリトリー内はほぼ「誰かに監視されている」と思った方がよく……


 俺が立っているこの場所も、転移後すでに4名から見られている……と、逆探知システムのリアルタイムデータに表示されている。



 このギフトを<スキル図鑑>に収載させてくれた人は、「マジで何の使い道もない」とボヤいていたが、立場が違う俺にとっては有用だ。


 とはいえ……使い道などない人生の方が幸せな気もするし、俺が支払った金でその人は家を買えたのだから、「100%ムダ」という事もなかったと思う。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜探知狩り〜


自分のことを、能力を使って探った相手のパーソナルデータを、逆に狙い撃って強制開示する能力。


開示できる項目は、「相手とのパワーバランス」と「事前に賭けておくマナの量」によって変わり、大量のマナを賭けてターゲットを狙い撃てれば、その者の情報を丸裸にすることも可能。


しかし「相手が能力を使って探りを入れ、自分がその影響を受ける」という条件をクリアしないと発動しないトラップ型なので、能力の自由度は低い。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 探知者の中には闇神もいたが、情報開示に必要なマナの量が多すぎて、狙い撃てたのに名前と年齢しか分からなかった。


 とはいえ……奴がこんな辺鄙な外周部まで監視しているとなると、他派閥の上級神達が想定していたとおり、「粛正再開」となる可能性が高く……


 受け入れ交渉を長引かせて様子見している中級神達は、このままだと逃げ遅れて闇神に捕まり、何もかも失う悲惨な最期へ一直線だ。






「(闇神の目は……うん大丈夫、コチラには向いていない。たぶん俺の存在が矮小すぎて、監視区域に突然現れてもなお気づかなかったのだろう)」


 他の監視員3名も、神ですらない俺の存在はゴミ同然なのか、警戒フィルターにかかっておらず……


 <コマンダー>で転移してきたのに、殺し屋を差し向けられるどころか、殺気すら向けられなかった。



「(そりゃあ、神同士でバチバチやり合っているところに俺程度の存在が現れても、ザコすぎてスルーしちまうよな。とはいえ……)」


 油断していると足をすくわれかねないし、似たような扱いを受けて不快な思いをした<ボッチ>と同じく、俺も「カモってやる」と意地悪な気持ちになった。


 やはりどんなザコ相手でも、自分の進退がかかっている状況でなおざりな対応をするのは、良くない。



「さてと……これだけ待機して反応ナシなら、動いても大丈夫なはず。不審がられない程度にスピードを出して、客先まで突っ走るぜ!」


 俺は眷属達と違って、「地獄世界に適応できる肉体」など持っていないので、この空間に充満する瘴気を防ぎつつ移動しなければならない。



 しかも、俺にとって一番手軽な「聖結界で打ち消す」やり方は、「暗闇で一人だけ懐中電灯を照らす」ような悪目立ちとなり……


 せっかくスルーしてもらえた存在を、闇神や監視中の3名に認識されてしまって、任務の失敗率アップに繋がるため使えないのだ。



「だからといってガチガチの多重結界なんか張った日には、俺が"ただのザコ"じゃなくて"微妙に厄介なザコ"ってバレちまう! 仕方ねぇ……」


 現状気づかれていないとはいえ、監視が張り巡らされている状況で"能力ブッパ"は悪手だし、一旦瘴気を受け入れる方針でいこう。


 そして任務達成後にルノーブル先輩のダンジョンへ行き、その深部で瘴気を吐き出して、肉体を浄化すればいい!






 そう判断した俺は、可能な限りザコに擬態しつつ瘴気を受け入れ、闇神領の中を走った。


 この前<ボッチ>に施してやったザコ擬態は、もちろん自分にもかけているし、心身の不調を承知で瘴気も浴びている。



 「転移時点で気づかれなかった訳だし、ここまでやれば流石にバレない」と思ったのだが、2時間ほど走った頃……


 逆探知システムのリアルタイムデータに"新たな監視者"が追加され、しかもそれが今回の顧客である、中級神<ベテランス>と判明。



「(いや、ちょっと待て。この神様、俺の存在に気づいてやがる! しかもガン見されている感がエグくて、走るのに集中できねぇ!)」


 幸いなことに、中級神<ベテランス>が向けてくる視線に殺意や害意は含まれていないが、こうもジロジロ見られるとなぁ〜。



「(逃亡直前ゆえ特に警戒していたところへ俺が乗り込んできて、他の連中と違って気を抜いてねぇから、その存在に気づいたんだんだろうが……怖ぇよ)」


 命懸けなのは理解しているけど、せめて神殿の前に着くまで、圧迫面接官ばりの視線をコチラへ向けて情報収集するのは止めてくれ!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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