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787話 タチの悪い営業力


〜メグミside〜




<<<<<−−− ピロリロリーン♪ −−−>>>>>


「はいはい。思ったより罠の数が多いうえ、この罠に気付いて避けた奴を引っかけるための、二段構えの"隠しトラップ"もあるのね。えげつなさ過ぎじゃん!」



 嫌がらせのように飛んでくる、ほぼ同じ内容だけど微妙に違って、テンプレ返信できない「報・連・相メール」や……


 <恵のダンジョン>内で働いている子達からの、メンタル破壊攻撃を受けながらも、僕は僕で仕事をこなす。



「このトラップの存在に気付いている者は、派閥内の中級神でも僅かなんじゃないか? だったら、恐怖を煽るネタになるよね〜。使っちゃおう!」


 日々のノルマであるダンジョンマスターとしての仕事が終わり、現在僕がやっている事……


 それは、<ボッチ>の提案がキッカケで動き始めた、「中級神から引っ越し代をカモろう作戦」で使う、プロモーションマニュアルの制作業務だ。



 闇神に粛正されるかもしれない状況かつ、結界も強化されて逃げるに逃げられない中級神達に対して、"裏技紹介"的なアプローチをするのだから……


 普通に売りこむだけでも充分な成約率は見込めそうだが、どうせやるなら彼等の不安をより煽って、高額な引っ越し代をボッタクる方が得でしょ?






 という事で……セレクト自販機で買った、「不安を増幅させた者が勝つ!」というタイトルのコピーライティング本を参考に……


 トラップの件をネタにして中級神達の不安をさらに煽る、セールス文を作ってみた。



 勿論この文章を、今すぐメールで彼等へ届けることはできないけど、探索班が「闇神以外の上級神の支配領域」を見つけ……


 そこを<コマンダー>で拠点化でき次第、以前もらった紹介状をツテとして中級神達(=見込み顧客)にセールスをかけ、精一杯ボッタクるつもりだ。



 問題がないか確認してもらうため、先輩方とマサルに文章を回してチェックしてもらったところ、「詐欺師の文章そのもの」という評価を受けたが……


 提供予定のサービスは「中級神達の命に関わるもの」だし、詐欺の意図はないんだから、多少セールス文が胡散臭くたっていいじゃないか!


 それに……この商売が終わったら、他所の世界へ引っ越した中級神達とも関係が切れるわけで、「短期決戦で一気にボッタクる」のが最善手だと思う。



 多少彼等に恨まれたところで、派閥移籍を余儀なくされて弱体化した中級神達が、<サルトー区・ポルカト界>にチョッカイをかけられる訳でもないし……


 それ以上に、移籍先の先輩神からパワハラのシャワーを浴びて、そちらへ負の感情が向く可能性が高いから、「僕等みたいな木っ端業者」は逆に安全なんだよ。






 そう主張したところ、マサルに「お前、情報商材屋の扉も開いたな」と言われてしまったが、イマイチ何を指しているのか分からなかったので気にしない。


<<<<<−−− ピロリロリーン♪ −−−>>>>>


 というか、「報・連・相メール」の着信音が常時鳴りまくっているので、耳と頭がキンキンしてきて、マサルのイジリにつき合う余裕などないんだ。



「ん? これ、どういう事だ? 虚無空間で猛者の気配を感じた……と書かれている。相手も気付いており、現在はジリジリ間合いを詰めているところ……?」


 幸いなことに、相手も対応を決めかねているのか即殺は避けられたようだが、平凡なキングデーモンでしかない<キアイ>が単独で勝つのは厳しいだろう。



「"負ける前に引け"と指示するべきか? だけど其奴は、闇神派閥の支配領域がある方向へ進んでいた……とも書かれている」


 偶然ならともかく、その相手が意図的に闇神領へ近付こうとしていたのであれば、<キアイ>を引かせるのは悪手かもしれない。



「虚無空間は広いから……彼を引かせた後、再び"味方サイドの誰か"とその相手が遭遇する確率は低い。だけど、完全に無視できる程じゃないし……」


 そもそも結界で覆われている闇神領に、物理的に近付く個体がいる時点で、「僕等が知らないナニカが起きている」って事じゃん。


 把握しないと、致命傷になりかねないでしょう。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


キアイ、命を狙われたら迷わず逃げろ!


だけど相手も情報収集をしたそうな場合とか、「亡命の手助け」「中級神の引き抜き」目的の他派閥スカウトだったら、一度面と向かって話をした方がいい。


念のため、方角的に近くにいる<ガッツ>と<ノルマ>を、「お前のGPSが示す現在地」へ応援に向かわせる。



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ありがとうございます!


たぶん相手に殺意はなく、話し合いを求めているのか伝達用のネズミを送ってきたので、コチラも誠意をもって接します!!


もし私がハメられたときは、即座に<血道の刃>で喉笛をかき切り、記憶を持ったまま転生いたしますので、転生に必要な"器"の準備をよろしくお願いします。



byキアイ


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分かった。


万が一の事があっても、「頑丈で高スペックな肉体」を用意してやるから、安心して臨め!


だけど「命を狙われた」と分かったら、その時点で即座に逃げるんだぞ。


最優先は、お前の身の安全。


「<血道の刃>使用による転生」は、あくまでも最終手段だ!



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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