表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
781/960

781話 英雄じゃないけど色を好む




 仲間と部下にハメられてエロ沼に沈められ、夢の世界へ旅立っている間に、命懸けの潜入調査がおこなわれていた事を知り……


 ショックを受けたものの、やたら強化されたメンタル耐性スキルと親バカフィルターが役に立ち、ほぼ全てを受け入れ復活することができたメグミ。



 だが……同じ「眷属を生み出した者」でも、中級神<シュッセ>を狩るのに時間を費やし、その隙を突かれて城に乗りこまれた挙句……


 追いかけっこで悪目立ちし、奇襲をかけてスピーディーに狩る予定だった中級神達に、「<シュッセ>狩り」の件がバレてしまった闇神<スティグマ>。



 彼は、リソースバーストで逃げまくったものの力尽きた<シュッセ>を捕らえて、生きたままフッ化水素酸漬けにして惨殺し……


 魂からも徹底的にリソースを剥ぎ、<シュッセ>の資産を根こそぎ奪い取った。



 しかしリソースバーストでエネルギーのほぼ全てを吐き出し、カラッカラに干からびて力尽きた<シュッセ>の手持ち資産など、たかが知れている。


 <シュッセ>が逃亡時に吐き出したリソースを、後ろで回収しながら追いかけて、彼が力尽きるのを待っていたとはいえ……


 上級神である闇神にとって、得られた利益は"スズメの涙"程度のものであり、その代償として失ったものはあまりにも大きかった。






「(チッ! 落ち着いて周囲を探ると、この視線……中級神共に気取られたな。しかも、殆どの中級神に拡散されてやがる!)」


 誰にも気取られぬよう、薄く探知網を広げて支配領域全体を調べた闇神は、中級神達の視線が自分へ向いていることに気づく。


 そしてその視線が"怯え"と"憎悪"を帯びたものであり、このまま中級神狩りを続けた場合、一斉に「自分だけでも!」と四方八方へ逃げるところまで察せた。



「(予定では、事が露見したと同時に支配領域を包む結界を強化して、中級神共が外へ出られないようにし、結界を壊される前に狩りを済ませるはずだった)」


 だが……想定よりはるかに早く中級神達にバレてしまったので、このまま策を続行すると、半数近くの中級神を逃し派閥崩壊&没落は確定的となる。



「(正攻法で上手くいかぬなら、多少の回り道はやむを得ん。一旦城に引きあげて"休んだフリ"をし、中級神共の勘違いを誘発するのだ!)」


 もしこのまま闇神が中級神狩りを続けたら、次の中級神に被害が及んだ時点で、ターゲット達は「自分も例外なく狩られる」ことに気づき死ぬ気で逃げる。



 だが嫌われ者だった<シュッセ>だけを狩り、他の中級神には手を出さずそのまま城に引きあげたら……


 恐怖で極限状態にある中級神達は、自分の心の安寧を守るためにも、「ただ有害な部下を殺処分しただけ。自分達は助かるかも」と思いこむ可能性が高い。


 そして実際には命の危機が迫っているのに、ナワバリ惜しさに自分の管理区域から逃げず、そのうち油断して闇神を監視する事すらなくなるのだ。






「(中には、私が城に引きこもり休んでいるうちに、"チャンス"と判断して逃亡を試みるクソ神もいるだろうが……。ハァ〜、どこまでも厄介な連中だな)」


 思うところは多々あるものの、「この機を逃すまい!」と自発的に他派閥の支配領域へ飛ばれると、其奴のリソースも他派閥に奪われてしまうため……


 闇神はさり気なく、自分の支配領域を包む結界に"脱出防止"の加工をほどこして、中級神達の逃亡を阻止した。



 この処置に関しては、露骨にやって中級神達に気付かれると、「やっぱり闇神は全粛清を企んでいる!」とバレてしまうので……


 「中級神が時間をかければ破れなくもない程度」の結界にとどめて、全粛清ではなく「動揺による逃亡防止」くらいに受け取られるよう、調整済み。



 それと同時に、さり気なく通信妨害結界も張って他派閥との連絡を妨げ、彼等の派閥移動を物理的に塞ぐ。


 中級神達がいくら「危険! 逃げよう」と思っても、受け入れ先との話がまとまらなければ、ナワバリを捨てての逃亡などできないし……


 妨害を受けながら話をまとめている間に時が過ぎ、闇神が居城でコンディションを整えて狩りを再開するまでの、時間稼ぎになるからだ。






「(なにより眠い! 基本的に私クラスの上級神は、"睡眠"という"下等生物特有のムダ行為"をおこなう必要などない。神界のトップ・オブ・トップだからな)」


 だが……いくら闇神のスペックが高くても、何日も追いかけっこで疲弊させられ……加えて、これまでの疲れも溜まっているのであれば、話は別だ。


 睡眠をとった方が効率よく心身を回復できるし、心なしか頭もスッキリするので、普段は眠っている彼の睡眠欲が目を覚まし自己主張を始める。



「(それに種付け要員共も、子を産み終えて暇を持て余していることだろう。また新たな仕事を与えねば!)」


 マトモな神経の持ち主なら、「そんなに疲れているなら早く寝ろ」と突っ込む状況だが……現在の闇神は、「本能剥き出しのサル」みたいなものだ。


 いくら勃○不全に悩んでいようと、これだけ昂った状態で、自身の欲を抑えて優等生になれる筈もなく、脳内をピンクに染めてギンギラギンの城に帰還した。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いや、通信妨害なんかした時点で粛清継続する気なのバレるでしょ。それに他の上級神もある程度は事情知ってるだろうし、中にはあらかじめ亡命受け入れ許可まで済ませてる奴もいるだろうし、連絡取れなくなれば不審に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ