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779話 メグミの胃は鍛えられた


〜メグミside〜




 その後も<ボッチ>は、鳩尾をえぐるような無遠慮砲を放ち続けて、辛うじて上半身を起こしていた僕を再びベッドダイブさせた。


「(もし父上が今も生きていたら、僕の青春時代を見てハラハラし、似たような気持ちになっていたのかな? でも僕は、もう少しいい子だった気がする)」


 現実逃避をしてみるが、<ボッチ>は「僕の中にある特性を、一部抽出して受け継いだ眷属」なので、慰めにならず、むしろダメージが増幅されるだけである。



 というか、眷属に「相談=時間をドブに捨てる行為」と言われた主人って、<眷属創造>ギフト持ちの中で僕だけなんじゃない?


 いや……言葉にこそ出さないものの、モンスター達も先輩達に逆らう事なく"見ざる・聞かざる・言わざる"したって話だから、眷属だけじゃ済まないのか。



 とりあえず、ストレスで胃がブッ壊れて口の中が「血の味」になっちゃった件は、置いておこう。


 それよりも、重要なのは……



「<ボッチ>……それにサーシャも、事後報告でいいから今後もちゃんと教えてよ! 最初から最後までスルーだけは、お願いだから勘弁してください!」


「了解!」「はい。勿論です」



 許可取りや事前相談どころか、事後報告すら「時間をドブに捨てる行為」と見なされて、重要案件から完全に締め出される"ボッチ化"を避けることだ!


 これで"ボッチ化"させられた日には、僕は闇神以上に「眷属を生み出しちゃマズかった人」になり、ショックで引きこもる自信がある。






「それにしても……闇神城の中なんて、よく正気を保ったまま探索できたね。やっぱり、不気味でおっかなかった?」


「そうですね。ご主人様とサーシャ様の<ピー>後とは違う、死臭混じりのエロ会場に踏み込んだのは初めてだったので、ある意味おっかなかったです」



「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」


 えっ、ちょっとどういう事!?


 どうして<ボッチ>が、闇神城でエロ現場に遭遇したの!?



「…………サーシャ?」


「いや、それについては私も知らない。ボッチちゃん、どういう事かな?」



「どういう事と言われましても、そのままの意味です。闇神に囚われて出産マシーンにされた女神達が、飼われている建物の付近から侵入しましたので」


「「…………」」



 なるほど。


 そういえば、さっき「アスタリア様が女囚の反逆を利用して、活路を開いた」って言っていたね。


 まだ幼く、そういう経験などない<ボッチ>の口から"エロ"が語られてことに、過剰反応してしまったかもしれない。






「他には、そうですね〜。闇神の美的センスの壊滅さには、ある意味恐怖しました。金色のギンギラギン城で寝泊まりするとか、私には恥ずかしくてできません」


「あっうん。それは何となくイメージできたかも」



 最近生まれたため、魔王のダンジョンについて見識が浅い<ボッチ>は、知らないかもしれないが……


 ダンジョンのデザインに予算を投じて、大して強くもないのに自己顕示欲を満たす輩は、闇神だけでなくこの世界にもウジャウジャいるのだ。



 以前殺した元皇太子<ロミオット>のダンジョンも、貴重な初期ポイントを盛大にムダ遣いして内装にこだわった、厨二病ダンジョンだったらしい。


 僕は直接見ていないんだけど、新米狩りに潰された後の搾取タイム中、魔王掲示板でその事について反省させられていたので、色々と察したよ。



 ちなみに……僕が治める<恵のダンジョン>は、外観のこだわりなど一切なく機能性しか重視していないので、パッと見"とにかく地味"だ。


 というか<農民><小鬼>同盟のメンバーで、外観にこだわり"俺SUGGG"感を出す魔王はいないので、そういうエピソードを聞くとつい軽蔑してしまう。






 そんな事を話しているうちに時間が経ち、「無許可での大冒険」を知ったときはネジ切れそうだった、胃の痛みも和らいだ。


 そして自然と起きあがれるようになり、HP残量を見るためにステータス欄をチェックしたところで、<メンタル耐性>スキルが育ったことに気づいて……


 時間経過で自然と乗り越えたのではなく、単に「自分が図太くなった」だけだと察する。



「(でも、まぁいいや。僕を貶めようとした訳じゃなく、僕や仲間のために行動してくれた結果なんだから。受け入れて素直に感謝しよう)」


 だけど次からは、もう少しだけでいいから穏やかに動きなよ?


 <血道の刃>を持たせているとはいえ、ウチの子が痛い思いをして命を失うのは辛いし、「来世も今世と同じくらい強い」なんて保証はないんだから。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜血道の刃〜


この刀を使って自刃すると、魂は輪廻に戻るのではなく主人の元へ行き、「主人が創った器」に入ることで、記憶を引き継いだまま転生できる。


ただし転生前のスペックは引き継げず、能力値は「新しい器のスペック」となるため、記憶を引き継げるからといって、必ずしも恵まれた来世を歩めるわけではない。


なおこの刀は、「記憶の媒介役」として自刃者の魂と共にその主人の元へ向かい、役目を終えたあと"刃こぼれした状態"で顕在化する。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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