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769話 メグミ、退場させられる




「たぶん、このチャンスを逃したら次はないですよね」


「えぇ。闇神がまた似たような追いかけっこに興じる可能性も、ゼロとは言えないけど……居城をガラガラにしてくれる、と期待するのはダメ」



「もし次のチャンスが来なかったとき、ご主人様やお味方全員、攻撃のタイミングを逃して破滅してしまいますもんね」


「うん。だから、リスクをとるなら今しかない! って前提で動かないと」



 二人共、考えていることは同じであり……このままさらに奥まで突っ込んで、可能な限り闇神城に近づくべき……という結論も出ている。


 ただ、ここで厄介な障壁が一つ。



「アスタリア様。ウチのご主人様は、どうしましょう? まず間違いなく反対するし、説得している間にチャンスが流れますよ?」


「そうなのよね〜。メグミ君……自分が命の危険をおかすのは平気なクチだけど、配下の事となるとムダに心配性だから」



 理性的なように見えて情が深く、「最悪の場合は見捨てる」つもりで眷属を生み出しておきながら、もう損切りする気がなくなっている……


 <ボッチ>の主人、メグミの許可を取りつけること。



 彼も新人魔王時代は、己の身を危険に晒して格上との戦いを繰り広げ、成り上がってきた猛者なのだが……


 知能を持ち言葉を交わせる配下に対しては、余計な情を持ってしまう嫌いがあり、「最終的には決断を下せるものの、時間がかかる」弱点になっていた。






「う〜ん。仕方ない……。サーシャ様に頼んで、奥の手を使ってもらうしかないですかね?」


「あぁ、アレね。OK! こちらで動くから、5分だけ待っていて」



 生まれて間もないものの、主人のことが大好きでその弱点についても理解しているボッチは、「それをもう一つの弱点で打ち消す」策を提案。


 それを聞いて概要を察したアスタリアも、「急ぎで動くなら、他に手はない」と了承し、致命的な"弱み"であるサーシャに"とある指示"を送った。



<−−− ピロリロリーン♪ −−−>


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


スマホに気を回せない状況にして、管理業務をモンティート先輩へ丸投げするよう、"エロ漬け"にすればいいんですね?


了解です!


そろそろ夜のお楽しみを……と狙っていたところだし、今日はスマホの存在を忘れるくらいゴリゴリ攻めますよ!!



byサーシャ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そう……アスタリアはサーシャに、「メグミが思考を放棄するくらいエロエロ攻撃して、指揮権をモンティートへ委譲させろ」と命じたのだ。


 メグミは定期的にサーシャに喰われて、仕事を放棄せざるをえない状況に陥るため……


 その間に取り返しのつかない事態が起きてしまう、最悪の展開を防ぐために、モンティートやナーティーに指揮権を渡すことがある。



 今回はそれを逆手にとって、指揮権を譲り受けたモンティートに秒速で許可をもらい、メグミの「でもでもだってタイム」を削る狙いなのだ。


 やり過ぎると、彼等の信頼関係を損ねる原因にもなるが、事後報告で発狂したあと冷静に考えれば、メグミも諸々理解して諦めるし……


 「それが最適だった」と認めるパターンなので、途中で<ボッチ>が殺されて取り返しのつかない事態にならなければ、「終わりよければ全てよし」で済む。






 そして10分後……


<−−− ピロリロリーン♪ −−−>



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ君がサーシャちゃんに陥落させられ、いつも通り指揮権限を委譲してきたよ。


地獄世界のことは全面的にアスタリアの好きにしていいから、いけると思うところまで攻めろ!


たぶんメグミ君は、半日は回復しないと思うけど……もしゾンビ復活しかけたら、再度エロ沼に沈めてもらうよう、サーシャちゃんに指示を送っておいてくれ。



byモンティート


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


了解!


途中で復活されてオロオロされても困るし、足腰立たなくなるまでしっかり沈めてもらうわ。


サーシャには、もう既に「数日コースでよろしく」と伝えてある。



byアスタリア


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 おっかない爺婆+彼女の手によって、メグミは容赦なくエロ沼に沈められ、数日間は再浮上できないことが確定した。


 このやり取りをしている間も、チャンスタイムは刻々と減っているのだが……きちんと許可を取らない限り、作戦の肝となる<ボッチ>は動けないし……


 許可待ち時間を使って、アスタリアが「これから攻める予定のルート」を式神に開拓させているため、ただ時間をドブ捨てしたわけでもない。



「う〜ん。たぶん、このルートならいけそう。ボッチちゃん、多少リスクは伴うけど進んでちょうだい」


「かしこまりました。ご主人様が夢の世界へ旅立っている間に、独り身の私もリスクをおかす"危険プレイ"を楽しんでまいります」



 こうして、メグミの知らぬところで話は進み……地獄世界探索班とサポートチームは、より危ない橋を渡り始める。


 なお……<ボッチ>だけでなく他の眷属達も、「モンティートに指揮権を委譲する策」については、秒速で受け入れた。


 皆、主人であるメグミのことは大好きだが、「命の責任を負う立場」に立たされた経験はないため、イマイチ「彼が思い悩む気持ち」を理解できないのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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