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766話 監督者の気苦労


〜アスタリアside〜




 <ボッチ>が優れたアイデアを思いつき、それを共有してくれるのは助かる。


 だが彼は、一旦気になるとソレに思考が寄ってしまい、警戒がおざなりになるので、危険地帯でやられると、指示している側としては気が気じゃないわ。



「ちゃんと敵と遭遇しないルートを進ませているとはいえ、あの状態じゃ同格のキングデーモンにすら、奇襲一発で殺されていたんじゃない? 危なすぎ!」


 残念ながら本人に自覚はなく、今後それを気付かせるのも難しそうなので、コチラで上手いことコントロールするしかないのだが。



「ふぅ〜。このままのペースで進むと、70kmほど行った先で"神見習いクラスの敵"とぶつかるわね。目先の準危険地帯を抜けたら、少し迂回させましょう」


 私が<ボッチ>を誘導しているルートは、距離よりも「いかに中級神の警戒区域を通らず、目的地にたどり着けるか」を優先して、導き出しているため……


 迷路のようにグニャグニャ曲がっており、式神による誘導ナシじゃ正しく歩めず、幾度も危険区域に入る愚をおかすハメになる。



 そもそもの話……中級神も地獄世界を徘徊している敵も、機械ではなく「知能と感情を持った生命体」なのだ。


 ゆえに彼等の探知範囲や感情は常に変化しており、今大丈夫だからといって5分後もそうとは限らない、「揺らぎある地雷原」だと認識しなければならない。



「そのリスクを理解した状態で背負い、監視区域のギリギリ外を<ボッチ>にすり抜けさせるのは、自力で突破するより心臓に悪いのよ」


 もちろん「ザコに擬態させる」呪いをかける式神は、その都度<ボッチ>に張り付かせているが、式神を使役するにも対価(=HP)がいるのだ。



 モンティート先輩達から、莫大な基礎ステータスを借りているとはいえ、湯水の如く式神にHPを渡して、成金ムーブをかましていると……


 いざって時にHPが枯渇して詰み形となり、「<ボッチ>の命」で対価を払わなきゃいけなくなるので、「常に保険を張ればOK」という訳にもいかない。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ボッチちゃん、敵が近くにいるから少し迂回しましょう。


式神の後について、やや右側に進路変更して進んでちょうだい。



byアスタリア


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


了解です。


今は静かに任務をこなすのが最優先だし、アスタリア様に従います。



byボッチ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「それでも……メール一通でちゃんと言うことを聞いてくれるし、楽なものよ。これで、<ボウソウ>とか<ドクダン>みたいな眷属だったらと思うと……」


 でもよく考えると、地獄世界の神々って「唯我独尊」っぽい気質の奴が多そうだし、ソイツ等が生み出した眷属の中にはいそうじゃない?


 見ている分には「ざまぁwww」でしかないけど、もし生み出しちゃった不運な奴がいたら、ソイツ自身は大変でしょうね。



<−−− ブーッ! ブーッ! ブーッ! −−−>


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


アスタリア先輩。


<コマンダー>の拠点開拓、完了しました!


胃がタポタポで限界なので、送った眷属達のお世話をお願いいたしますm(_ _)m



byカルマ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ふむ。<ボッチ>が赤外線カメラの撮影データを送ってから、まだ20分しか経っていないのに、もう拠点化できたのか。予想以上に速いわね」


 これはひとえに、メグミ君のダンジョンで飼われている<ヒッキー>が優秀すぎて……


 私じゃマニュアルを読んでも理解できなかったあの難解な作業を、わずか10分足らずでこなしてカルマに引き継いだ、という事だろう。



 メグミ君のところの<ボッチ>と<ヒッキー>は、天災だけど天才過ぎて、当たり前のようにコチラの想像を超えてくる。


 生みの親であるメグミ君はその都度発狂しているけど、私に言わせると「そっくりさん」であり、"規格外"な点も似たようなものだ。






「さてと……。カルマ君が開拓してくれた新拠点の周りは、相変わらず敵がおらず警戒も甘い状態。今のうちに、作業を進めちゃいましょう!」


 新拠点に派遣された眷属達には、あらかじめ私が数百枚の護符を渡してあるので、用途に合わせてそれを配置し、地中に埋めこむ作業をしてもらう。



 今回のは、外縁部につくった拠点ではなく、「場合によっては、攻めこむ際に使う可能性もある派出所」だから、そこに転移した直後の"気配隠し"含め……


 色々と小細工が効くように、今から仕込みをしておく必要があるのだ。



 当然だが、あからさまに護符をペタペタ貼り付けて悪目立ちし、そこを通った敵に「何かある」と勘づかれたら、本末転倒。


 なので「小細工の起点」となる護符はきちんと地中に埋めこみ、バレないように偽装工作もして、ちゃんと調べない限り炙り出せないようにするわよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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