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756話 アスタリアの狙い


〜メグミside〜




 僕には理解できないものの、アスタリア先輩の提案に賛成した<農民>同盟の先輩方は、「で、誰が犠牲になる?」と物騒な話を始める。


 サーシャも先輩方に近い価値観なので、平然と話し合いに参加しているが、マサルは僕と同じタイプだったようで、驚いて<恵のダンジョン>に飛んできた。



「メグミ、あの爺婆達……頭イってないか? 当たり前のように、命がけの生贄を誰にするか話し合っているぞ」


「マサル! 良かったぁ〜、マサルも僕の同志だったんだね!! 僕がチキンなだけかと思って、内心冷や汗ダラダラだったの」



「いや、お前と同志とか……それはそれで勘弁なんだけど。まぁいいや。とりあえず落ち着こう。メグミ、セレクト自販機で落ち着く香りの線香を出してくれ」


「線香? 了解〜」



 馴染みのない単語だったので一瞬戸惑ったが、検索したら「雑貨屋カタログ」の中に、「オシャレなお線香」という商品が載っていた。


 もはや、自販機というより「なんでも屋さん」である。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜セレクト自販機(SSランク昇格後)〜

以下の店で扱っている物の中から好きな商品を選び、ソレ等をいつでも自販機のメニューに並べることができる。

データの書き換えやリセットは、前の商品選択から1時間以上経っていないと行えない。


・雑貨屋

・ドラッグストア

・工務店

・スーパー

・武器屋

・本屋

・市場

・100均

・ジュエリーショップ

・ブラックマーケット


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 マサルに指示されるがままに、線香に続いてアロマキャンドルと香り石鹸も買い、部屋に広がる落ち着いた香りで強引にパニックを沈めた頃……


 先輩達の話し合いも終わり、アスタリア先輩の出陣に伴う"生贄"が決まった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


じゃあ、僕・ゴーブル・ルノーブルが生贄という事で……アスタリア、僕等の分まで頑張ってね〜


あとナーティー、僕等の分まで肉体労働よろしく!



byモンティート


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


もちろんよ!


私の役目はあくまでも囮だけど、メグミ君の眷属達がより深くまで潜り込めるように、いい感じに中級神を妨害して遊ぶわ♪



byアスタリア


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 やり取りするモノの割に軽い話し合いだったが、アスタリア先輩が現場へ行く意味は、僕も理解できた。


 要するに先輩は、聖女が<聖者の祈り>で僕等のダンジョンを封じるのと同じ要領で、中級神の神殿を封印しようとしているのである。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜聖者の祈り〜


純潔を守りとおし、"長い間"修行を積んだ聖職者だけが得られるギフト。

ダンジョンの改造阻害や、ダンジョン攻略時のステータスアップなど、熟練度によって叶う範囲が広がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 「構造」や「主人の実力」に違いはあれど、ザックリ分類するとダンジョンも地獄世界の神殿も「闇属性の城」であり……


 そこら辺の聖女より遥かに強力な、<聖者の祈り>を使えるアスタリア先輩なら、中級神の神殿だろうと封鎖できる可能性は高い。



 これが「中級神を倒す」なら、まず間違いなく無理だけど……腕っぷしとは縁遠い聖女が、祈りだけで魔王のダンマス権限を一部封じられるように……


 実力差のある相手であっても、<聖属性>持ちなら<闇属性>には深く刺さり、神殿の機能や管理権限を一時的に妨害できる見込みはあるのである。






「そうは言っても、権限を封じられた中級神はすぐソレに気付くし、格下の魔王如きに好き勝手やられて激怒確実。囮にはなるが、先輩マジで危ないだろう」


 マサルの言うとおり、アスタリア先輩が元巫女のチカラを遺憾なく使って、神の権限を一部封じた段階で、先輩は確実に神から目をつけられる。



 そして……ダンジョンの地上部で、兵士に守られ神殿に籠っていればよかった聖女と違い、護衛などいない先輩は……


 モンティート先輩達から借り受けた、基礎ステータスによるチートだけで、神による報復を潜り抜け自力で帰還しなければならない。



 加えて……<聖者の祈り>発動中は、祈りに集中しないといけないから、自力じゃマトモに戦えないはず。


 もし中級神が直接報復しに出てくるような事があれば、その時点で"詰み"だろう。



「いくらやる気のない中級神が存在すると言っても、<コマンダー>の拠点を闇神派閥の中心部まで伸ばすには、それなりの犠牲がいる。だけど……」


 アスタリア先輩の単独特攻&囮作戦って、ボッチの単独調査より危険じゃないか?



 巫女活動する前に、その場所を<コマンダー>の拠点に登録してもらって、いつでも引き上げられるようにしておけば、少しはマシかもしれないけど……


 それにしたって「中級神に直接睨まれるリスク」はあるし、先輩達全員に健やかに長生きしてほしいと願っている、後輩の僕としては戦々恐々だよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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