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747話 意図せぬコラボ


〜メグミside〜




 何故かやってきてボッチの口撃をくらい、ノックアウトされたマサルが退散したかと思ったら、カルマ&スティーブから立て続けにメールが届いた。


 どうやらマサルが、奢り設定中の自販機を使って差し入れの高級和牛を買い、それを持って二人のダンジョンへ応援に駆けつけたみたい。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ先輩、奢り肉ゴチになります!


働き過ぎて死にかけていたんで、栄養ある差し入れはマジで嬉しいです!


これで生き返っても、その先に待っているのはまた同じ過労地獄なんですが、この2時間だけは全部忘れてパーッといきますね!


ボッチ君は引き続きコチラでサポートしますんで、安心して他の眷属のパパをしてください!



byカルマ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ先輩、高級和牛ありがとうございます!


こんな高くて美味しいお肉、自腹じゃ絶対買えないので、本当に嬉しいです!


ささやかではございますが、この焼肉食い倒れで血を回復したら、また<水の職人>でアイテムガチャを回して、当たりアイテムを献上しますので、お役立てくださいm(_ _)m



byスティーブ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「奢るつもりはなかったんだけど、まぁいいか。写メを見る限り、二人とも目の下に濃いクマができていて、メチャやつれているし。これで生き返ってくれ」


 それにしても、マサル……お前、HPが1%しかない状態で他所のダンジョンなんて回っていいの?


 ふとした瞬間に勘違いした彼等の配下に殴られて、そのまま死亡……みたいな展開もあるんだよ?



 そう思い、念のため「心配メール」を送ったら、「命の危機を感じるのは、<恵のダンジョン>とお前の周辺だけだ」というメッセージが返ってきた。


 失礼すぎる気もするが、サーシャ・スティーブ・カルマのところは主人も配下も上品で、ワチャワチャしている感じもなく穏やかだから……事実なのだろう。



「(マサルが"穏やかな方"に振り分けたサーシャは、お前と入れ替わりで<恵のダンジョン>に来て、淑女の仮面を脱ぎ捨て僕を食おうとしているけどな)」


 <小鬼>同盟で一人だけ「奢り肉」を食いそびれた、という理由で……奢らされた僕"本体"を、タレでいただこうとするなんて……かなりの変態さんだぞ!


 その提案に逆らうことなく素直に従い、食われるために自分で下ごしらえをしている僕も、同類なのは認めるけど。






 <小鬼>同盟のメンバー達が、ほのぼの……だけど世間一般とはズレた日常をおくっている頃、地獄世界に戻った<ボッチ>は……


 カルマの休憩時間に自身の腹ごなしもかねて、誰にも頼まれていないのに、先輩眷属チームの探索場所へ顔を出した。



「先輩方、お疲れさまです。カメの歩みで調査を進めているみたいっスけど……もう少し、効率とかスピードを考えません? 頭使いましょうよ」


 そして当然のように口撃をぶっ放し、先輩眷属をピキらせる。



 その場にいた<ノルマ><タスク><カロウ><ガッツ><キアイ>は、上下関係に厳しいので、<ボッチ>を鉄拳制裁で〆るかと思われたが……


 意外や意外、彼等は怒りを抑えて温和に話し始めた。



「ボッチ、お前の活躍は聞いているぞ。その調子で己のノルマをこなし、ご主人様の役に立ってくれ。我々も、微力ながら貢献するから!」


「ボッチはタスク処理が通常の眷属より倍速いと、ご主人様からうかがった。その優れた才能を存分に活かして、これからも頑張ってくれ」


「何事もガッツがあれば乗り越えられる! もし本当に辛いことがあっても、俺達を頼ってくれれば皆で力を合わせられる。絶対に諦めるんじゃないぞ!」



 そう、彼等はほぼ同期の<ヒッキー>で慣れていたのだ。


 <ヒッキー>より<ボッチ>の方が、スペックも口撃のキレも数段ヤバイのだが、彼等の認識だと「似たようなもの。どっちも論外」なのである。






 そして彼等にとって最も重要なのは、「主人に与えられしノルマをこなすこと」であり、そのノルマを十二分にこなして頑張っている<ボッチ>は……


 性格に難があり過ぎても、仕事遂行に役立つ大切な仲間。


 長幼の序を説き凹ませて、仕事に悪影響を与えるなんて事があってはならないので、<ヒッキー>をかわす時と同じ要領でサッと流した。



「あっ、先輩方もよかったらコレどうぞ。さっき<恵のダンジョン>に戻った際、間食にしようと包んだ"肉巻きおにぎり"です。高級和牛なので美味しいですよ」


「「「「「……………!! ありがとう!!!!」」」」」



 そして口は悪いものの、根はいい子で"自分の権利"に固執しないボッチは、意図せず<ノルマ><タスク><カロウ><ガッツ><キアイ>を喜ばせ……


 知らぬ間に、「<ヒッキー>より可愛げがある奴」という評価を勝ち取った。



 なお<ヒッキー>は、<ボッチ>が帰ってくる前にメグミが高級和牛を差し入れたので、それを引きこもり部屋の中で食い……


 ご満悦の表情で、現場班から送られてくるデータを管理し、着々と「地獄マップ制作」を進めている。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
ピキらせてくる口撃からの、差し入れギャップ萌え。 こいついい奴かも視点で口撃をネガポジ変換してみると、マウント取ってるんじゃなく、純粋に進捗を心配してくれてるという。 コイツはオレがフォローしてやらね…
とりあえず、3日くらいねこませてやれ…
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