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741話 メグミは鍛えられていた


〜メグミside〜




 殆どのHP・MPを<ボッチ>に移して激弱状態となったマサルが、少しでも不安なく楽しい時間を過ごせるよう……


 彼のダンジョンに置いてある自販機を"食べ放題設定"にしたのだが、設定3時間後に売上ページから確認したところ、とんでもない金額が課金されていた。



「ふぁっ!!!? えっ、ちょっと待って!? 丼飯を食べるって言っていたよね? 丼飯で、使用総額150万ロル!!!?」


 さすがに驚き、「モンスター達にも食わせたのか?」と思いつつ、購入された商品を細かくチェックすると……


 高額商品の代表格である生ウニが、合計3kgも頼まれていたうえ、お猪口で飲む高級な日本酒も20本以上買われていた。



「いや……別に払えない金額じゃないし、楽しく飲み食いしてくれたのなら全然構わないんだけど……えっ、コレ本当に一人で食ったの?」


 驚いていたところに、彼からのメールが届いたので確認すると、ベロンベロンに酔っ払ったマサルの変顔と、飯テロ写真が添付されていた。



 そして、メッセージ欄には……


『食い飽きた。もう当分、海鮮はいいわ。高級和牛食いてぇ。つーか、たぶん明日出る俺のウ○コ、世界中のウ○コで一番高い気がする』


 という、糞文章が……。






「なるほど。奢り飯でハッチャケる若者ムーブを、現在進行形でやっちゃっているわけね。仲間とワイワイ食うわけでもなく、独りで」


 というか、会計総額はともかく……飯テロ写真とセットで送る文章に、「ウ○コ」の絵文字をいれるなよ!



 僕だって、今から夕飯なの!


 せっかくサーシャと一緒に食べられる機会なのに、そのメインとなる海鮮丼のイメージを「ウ○コ」に置き換えないでくれる!?



「ハァ〜、まぁいいや。マサルも、こういう機会でもないと働きっぱなしで休めないもんなぁ。ストレスがかかる時期だし、好きなだけハッチャケてくれ」


 でも、一応「激オコ」の顔文字「\\\٩(๑`^´๑)۶////」は返信しておこう。



 彼はこのリアクションを求めているんだろうし、僕だって1%くらいはイラッとしたもの。


 ただ……最近、<ヒッキー>と<ボッチ>が色々やらかしてくれたせいで、メンタルが鍛えられ、多少のことじゃ怒らない菩薩体質になってしまっただけだ。



「そういえば、<ボッチ>はちゃんと働けているかな? マサルが、彼のスマホのメール設定をいじって、僕にも転送されるようにしてくれていたはず」


 <ボッチ>はTUEEEモードだし、マサルも寛いでいるくらいだから、問題ない可能性が高いけど、念のため彼の報告メールフォルダを確認したところ……


 やはりというか、仕事は順調なものの「ムカつく文言」が散りばめられた報告メールが山ほど届いており、<ボッチ>は<ボッチ>という事が分かった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 メグミに「転送された報告メール」を見られて、そういう評価を下されているとは知らず、<ボッチ>はマイペースに己の任務を遂行していく。


 その皺寄せが、マサルと違い「<コマンダー>による緊急時の退避補助」を担っているせいで休めない、カルマとその代理者へ全部いっているのだが……


 そういう事に気付ける繊細な性格なら、<ボッチ>などという名前では生まれていないし、ソロで危険任務に勤しむこともなかったのだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜コマンダー(Sランク)〜


自分および自分の配下を、開拓済みのポイントへ転送できる。


また彼等と思考を共有することで、離れた場所にいながらリアルタイムで指示を伝えることも可能。


特定の配下を"代理"として立てることで、自分の代わりに配下の指揮および転送作業を任せ、自分は他の仕事をすることもできる。


一日に転送できる配下の上限は、ランクによって異なり、Sランクの場合は1000000が上限となる。


それに加えて、対価のマナを通常時の3倍取られるものの、自分の配下以外も一回につき100名までなら輸送可。


なお場所の詳細がわかるデータと、正確な地図データさえあれば、対価のマナを通常時の1万倍払うことで、未知の領域を"開拓"することも可能。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 <ボッチ>の仕事は大きく分けて2つ。


 一つ目は、カルマがSランクになった<コマンダー>ギフトを活かして、地図データを元に"開拓"した拠点へ飛び、そこから空白地帯の調査をすること。



 そしてザックリ調べた結果、「敵とのニアミス」が偶然だったと判明した場合、現在も調査任務をおこなっている眷属チームに再調査を依頼する。


 また調査段階で再び敵と遭遇してしまった場合、今度は少しだけ粘って敵や周辺環境の情報を持ち帰り……


 <コマンダー>で新規開拓できる程ではないにしろ、ある程度「何がどうなっているか分かる地図」を作るための、データ収集に尽力するのだ。



 マッピングできなかった空白地帯は幾つもあるし、眷属調査チームが"数で攻めて"情報を集めているため、今後も増えていくだろう。


 その全てを、現地へ乗りこんで再調査するとなれば、いずれ"敵"と遭遇するのは確実で……



 普通なら「死」に対する恐怖で竦んでしまうところだが、<ボッチ>の心には僅かな乱れも見られない。


 ただ「時間的に、本日調査可能な空白地帯はいくつか? どのくらい調査した後、眷属チームへ再調査依頼を送ればいいか?」と考えているだけである。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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