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740話 殺人未遂の代償(笑)


〜マサルside〜




 仲間を信じて、<器移し>でメグミの眷属である<ボッチ>に基礎ステータスの99%を移し、彼をカルマの所へ送って一息つこうとしたとき……


 後ろで感極まって号泣していたメグミが、鼻水をデロンデロンに垂らした状態で、熱い抱擁を交わそうとせまってきて超焦った。



「グスッ! マサル。無茶してくれてありがとう! 僕、感激した。お礼に、待機中は僕の自販機で食べ放題していいよ!」


「いや、ちょっと待てメグミ! 自販機のメシ食べ放題はいいとして、鼻水ダラダラで抱きつこうとするな! 汚ねぇし、ステータス差で圧殺されちまう!!」



 実践経験のある元勇者で、基礎ステータスの化け物だった俺は、HP・MPが1%しか残っていないとはいえ、一般人に負けるようなことはない。


 だが、それはあくまでも"人間社会の中での話"であって……間一髪で抱擁をかわされ、勢いあまって壁に激突し、盛大に壁を壊したメグミのように……


 それなりに鍛えている魔王と比べた場合、蟻と大差ない雑魚になっちまうし、感情のままにハグなんかされたら骨も内臓も破壊されてしまうのだ。



「(そもそも、抱きつこうとする前に鼻水を拭けって。コイツ、やっぱり<ヒッキー>と<ボッチ>の生みの親だけあるな)」


 メグミは良い奴なのだが、ブレーキが外れているうえ天然なところもあり、たまに悪気なく「本当に迷惑なこと」をやらかす。



 悪気がないのは見りゃ分かるので、あまり文句も言えねぇが……もしやられたのが俺じゃなかったら、このハグ一発で死んで作戦も潰れちまっているぞ。


 眷属達の言動にドン引きする前に、彼等の中にある"自分の影"を見つけて、少しは反省しろ!






「痛〜〜〜っ!! ゴメンゴメン、なんか熱くなっちゃった」


「おぉ、マジで勘弁してくれ。メグミ! 俺はしばらく自分のダンジョンにこもって、身の安全を確保しつつダンジョンマスターの仕事に専念するから」



「分かった。なら、用事がある時は<チキン>を派遣するね。マサルが寂しくないように、雑談もメールで送るから! あと、食べ放題用の自販機も渡すね〜」


「了解。(お前の雑談……ほぼサーシャちゃんとの惚気話と飯テロで、ぶっちゃけ殆ど需要ないんだが……気付いていないのか? まぁ飯付きならいいけど)」



 命の危険に晒されながら、<恵のダンジョン>で「自販機メニュー食べ放題」をしたいとは思わないが、安全な「自分の城」でできるなら話は変わってくる。


 急激なステータスの低下にともない、立っているだけでも怠い肉体が少しでも癒されるように、精のつくものをガッツリ食いたいからな。



「メグミ。とりあえず、北海道産のウニ・イクラ・ホタテを食べられるようにしてくれ。あと、ワサビと醤油も天然モノが欲しい」


「OK〜。ふむ、こんな感じ?」



「そうそう。あと〆たての伊勢エビとズワイガニ、美味しい新米も加えてくれ。今日は海鮮丼をたらふく食って、そのまま寝落ちするから」


「了解!」



 要求した食材は全て高級品で、自腹じゃ未だに買うか迷う代物ばかりだけど……メグミが奢ってくれる"食べ放題"だしなぁ〜。


 男なら、腹がはち切れるまで食って恩恵を享受しなきゃ、逆に申し訳ないだろう!



<<−−− ヴーーンッ −−−>>


<−−− カチカチカチカチッ −−−>



「OK。自販機の商品交換設定完了! じゃあマサル、しばらく会えなくなるけど……よい食い道楽生活を〜!」


<−−− ヴーーンッ −−−>






 嬉々としてダンジョンまで付いてきて、元々俺のダンジョンに置かれていた自販機の設定をいじった"メッシー"、いや"貢ぐ君"……失礼!


 メグミは、「僕も今晩、サーシャと海鮮丼を食べようかな〜」と一惚気披露したあと、笑顔で去っていった。



 だが、奴は一つ勘違いをしている。


 たしかに今日俺が食う晩飯も海鮮丼だが、メグミに飯を全奢りしてもらえる俺の飯は、お前と違って……「飯1割:海鮮9割」の高級アンバランス丼だ!!



「エビやカニの殻剥きで手をケガして、それが元で死ぬのは流石にバカらし過ぎるよなぁ〜。執事君、悪いんだけど殻剥きヨロシク」


「かしこまりました。殻剥きから盛りつけまで、全て私にお任せください」


「うん。サンキュー!」



 <ゴーレムマスター>のギフト持ちである、サーシャちゃんの元で研修させた、うちのオートマタ執事は非常に優秀で……


 俺の望みをしっかりと理解しており、巨大なドンブリに薄〜く酢飯を盛った後、下処理をした海鮮をこれでもかと乗せ、高級アンバランス丼を作ってくれた。



「伊勢エビ5尾・ズワイガニ1杯・生ウニ500g・生ホタテ15個・上から溢れまくりのイクラ……。メグミ君、ゴチになります!!」


 奢りの金額を知ったメグミの顔を見られないのは残念だが、奴の財布に木枯らしが吹くイメージをオカズにして、さらに美味しくいただくぜ!!!!



 うん、ヤベェ……美味すぎる!


 特にウニが美味いな。



 ミョウバンが入っていない最高品質の瓶入り生ウニで、「150g:7000ロル(1ロル≒1円)」のブルジョア食材だが……金出すのは、メッシー……失礼。


 メグミだから、問題ねぇ。



 食欲は<ボッチ>に渡してねぇから、まだ5杯は食えるし……


 次はドンブリ丸ごとウニにして、「白米どこいった?」の痛風丼にしちまおう!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
どうせならトロだのブリだの天然真鯛だのといった魚の切り身も用意させれば、デキるオートマタ執事に握り寿司を作ってもらうとか、刺身で食べるとかバリエーションも増えたのに 最終的に飽きて「もったいない茶漬け…
そして1回で飽きるやつだな、この海鮮づくし。 単純に味が単調で濃いだろうからなぁ。 白米とのバランス大事やで。
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