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735話 ニアミスが増えた


〜メグミside〜




 魔王掲示板で不平不満をたれ流し、ダンジョンマスターとしての仕事は「餌魔王からの搾取のみ」という、哀しい連中が結構いるのも事実だが……


 そういう「関わるだけで不幸になる輩」の相手は、<農民>同盟が全部引き受けてくれているので、僕等<小鬼>メンバーは攻めることだけ考えればいい。



 モンティート先輩いわく、魔王掲示板や投票対策は、感情をほぼ持たないゴーレムとオートマタに任せて、重要な部分だけ賢い眷属にやらせ……


 リアルでの対応が必要と判断した場合、アンデッドの主人であるルノーブル先輩が、同じく人間的感情を持たない霊系モンスターを使って処理するらしい。



 僕達みたいな若手だと、そういう輩の言動を見るだけでイライラしちゃうけど、魔王歴が長い先輩方はもう慣れており……


 自分達のストレスを最小限に抑えつつ、相手の「脚引っ張り攻撃」を極力くらわない形で、流すことができるのだ。



 <農民>同盟の中でも、元巫女で「筋が通っていない言動」が嫌いなアスタリア先輩と、熱血漢のゴーブル先輩は、そういう仕事が苦手であり……


 基本的には"攻め"を任されるし、バックアップにまわる時も、「会話が通じる相手との仕事」を担当することが多いのだとか。






 で……先輩方に「一番面倒な仕事」をやってもらっている、僕等はというと……地獄世界の探索で、敵とニアミスする事が増えてきた。


 <ノルマ><タスク><カロウ><ガッツ><キアイ>の5体は、<駒つくりの筆>で下僕を量産して、その中心にいるからまだ見つかっていないけど……


 マッピングが進み探索範囲が広がるとともに、敵とニアミスして、初期設定に従い消える下僕も出てきたのだ。



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〜駒つくりの筆〜


この筆にマナを込めて生物を描くと、その生物が実体となり、描き手の指示に従って動いてくれる。


かなり細かい指示も与えられるが、衝撃を受けると実体を維持できなくなり、崩れてその場で滅びてしまうので、何でもかんでも任せるのは難しい。


なお"衝撃"と認識されるボーダーラインは、描くとき込めたマナに比例するため、用途によってマナの量を変える必要あり。


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 戦闘力皆無の「ネズミ・蛇・スズメ」の絵を描き実体化させ、物量作戦で大量に放って地図情報を集めさせている、下僕達なので……


 地獄世界を一人で歩けるような相手に敵うはずもなく、遭遇したときは「いかに早く……敵に捕えられる前に自ら消滅し、証拠が残らない水に戻るか」が重要。



 ゆえに「消滅のトリガー」となる要素だけは、質より量でもきちんとインプットするよう、眷属達に指示しており……


 その甲斐あって、これまでのところ「下僕消滅→眷属も襲われる」展開は避けられている。






「とはいえ……敵に遭遇したり、敵の存在を察知した場合、<駒つくりの筆>でつくった下僕はその場で自刃しちゃうから、その敵の情報は得られない」


 「そこに敵がいる」と判るだけでも助かるし……深入りさせて眷属まで始末されると本当にマズイので、ニアミスで済んだだけありがたいのだが……


 敵がいると判明した場所を重点的に調査するわけにもいかないため、そういう所のマッピングはできず、地図に幾つも"空白地帯"がある状況だ。



「延々とコソコソ探っているわけにもいかないし、ある程度マッピングが進んだら、この空白地帯も調査しないとダメだよな」


 とはいえ……現在の戦力でそれをやるのは無謀だし、まだ地獄世界の1割もマッピング出来ていないと思うので、本格的な調査へ移るのはもう暫く後。


 探れるところからコツコツ調査して、全体図をつかむ方が先だ。



「キングデーモンのスペックもおおよそ把握できたから、僕は彼等の弟分を創って、マッピングの作業スピードを上げる!」


 超個性的な眷属がさらに増えると思うと、ストレスで胃がキリキリするが、デーモン属性じゃないモンスターを地獄空間へ送りこむのは、まだ厳しいもん。



 <水の職人>ギフトを使って、HPを削りながらアイテムガチャを回しているスティーブが、当たりを引くか……


 砂龍が超進化を遂げて、地獄空間にも対応できる無敵龍になるまで待つくらいしか、サポートなしでモンスターを単独特攻させるビジョンは見えない。






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〜水の職人(Sランク)〜



HPを最大量の50%捧げる代わりに、水属性のアイテムを生み出すことができる能力。


ポーションを飲んで回復し、繰り返しアイテムを生み出すことも可能。


ただし……たとえHP残量が50%以下であっても、この能力を行使すると「最大量の50%にあたるHP」を奪われるので、回復量が足りない場合、HP枯渇による死に至る。


アイテムのレア度はギフトランクによって変わり、ギフトランクは能力者の職業ランクと相関する。


Sランクの場合、最低でも国宝級のアイテムを生み出すことができ、運が良ければ神話級のアイテムが生まれることも。


よりレア度の高いアイテムを求める場合、生み出すアイテムに細かな条件をつけず「100%お任せ」にすることで、僅かだが出現率を上げることができる。


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「ハァ〜。今度はどんなノルマ野郎が生まれるんだろう? いや、ダメだ! たぶんネガティブ思考のまま創造したら、<ヒッキー>系の奴ができてしまう」


 <ヒッキー>は優秀だし根はいい子なので、一人で引きこもって何も喋らず働いてくれる分には、メチャクチャ助かるけど……彼だけで充分。


 何体も<ヒッキー>系が誕生した日には、僕の胃がストレスで爆散してしまうので、頼むから<ノルマ>系までで勘弁してくれ!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
うーん、何か今までとはまた違う方向性が出そう……。
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