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724話 2号創造


〜メグミside〜




 ノルマ君の本性バレを防ぐため、とりあえず彼に「ダンジョン外での私語厳禁」を命じ、最初の仕事を与えた。


 神力<眷属創造>で生み出せる種族の情報と、それを生み出すのに必要な核およびリソース量を、ノートにまとめて僕が理解できる状態にする事だ。



「(またミスってリソースを過剰供給してしまい、ノルマ君2号が生まれたり、逆に足りなくて変な性格持ちが生まれると、困るからな)」


 失敗して核とリソースが無駄になる分には、まだいい。


 新しいことに挑戦するときは失敗がつきものだし、コチラも最初から失敗を織りこんだうえで臨んでいる。



 だがノルマ君のような「悪気なく僕の評判を落とすタイプの眷属」がボコボコ生まれたら、取り返しがつかず<恵のダンジョン>は終わってしまう!


 それに……一日中「私に仕事をください! コキ使ってください!」みたいなマゾ発言をしながら、何処へ行くにも付き纏われたら……


 僕の精神はノルマ・トリップしていた時以上に壊れてしまい、「何かを成した訳でもないのにダンジョン内で自滅する」という、恥ずかしい末路を辿るだろう。



 えっ?


 ハズレが生まれたら、ボロい装備を持たせて地獄世界へ突っ込ませ、捨て駒にしたらいいって?


 いや……さすがの僕も、自分の配下に対してそこまで鬼畜生にはなれないよ。



 彼等は立場上、死ぬまで僕の命令に服従するしかないし、指示を出したら「死にに行くような任務」であっても従ってくれる。


 とはいえ……特に知能持ちの子達は、皆感情も持ちあわせており、主人に冷遇されると悲しむし反抗心も持つのだ。


 「全員が寿命を全うするまで守る」なんて綺麗事を言うつもりはないし、現実問題無理だけど、意図的に配下をポイ捨てするなんてマネはしたくない。






「ご主人様、お命じいただいた仕事が終わりました! ぜひ私に、次の仕事をお与えください」


「え〜っと……じゃあ、カルマの所へ行って未開地の森へ飛ばしてもらい、そこで半殺しのモンスターを集めてきてくれ」


「かしこまりました!」



 ノルマ君のステータスを確認したところ、サイズは小さいものの、「生物も入れられる亜空間」持ちであることが分かったので……


 彼には、「未開地の森でモンスターを半殺しにして、それを<恵のダンジョン>まで持ち帰り殺すことで、地味だが着実に稼げる仕事」を任せた。



 本音を言うと……今さらこのやり方でポイントを稼いだところで、養殖ビジネスの1%も儲からないので、やらなきゃいけない仕事ではないのだが……


 未開地と<恵のダンジョン>の往復なら、カルマ以外誰とも喋らず業務にあたれるため、「変なことを口走らせないため」というのが任命理由である。



 キングデーモンを地獄世界へ送る役割を担うカルマに、ノルマ君の変態っぷりがバレるのは仕方ないとして、彼の特殊癖は極力隠し通したい。


 できることなら……地獄世界を探索するうちに、後輩のキングデーモン達に感化されるかたちで、普通になってくれたら……


 なんて、夢みたいな幻想を抱いてしまうのだ。



「スペックだけなら、本人の申告どおりピカイチなんだけどなぁ〜」


 僕が過剰にリソースを喰わせすぎたこともあり、他のキングデーモンには標準搭載されていない亜空間を持つなど、ノルマ君のスペックはものすごく高い。


 これで性格さえマトモなら、「全幅の信頼をおく右腕」にできただろうに。






「いや、取り返しのつかないことを今さら悔やんでも仕方ない。切り替えて、次の眷属を創造しよう!」


 ノルマ君が、眷属創造に必要な核の大きさやリソース量を一覧表にしてくれたので、それに従って餌魔王からリソースを削り取り第2の眷属を創る。



 奴のダンジョンがただの洞窟になってしまったので、身の安全も考えて<恵のダンジョン>に戻ってきたんだけど……


 その過程で、奴から当て付けのように「サディスト」と連呼されてしまい、ムカついて殴ったせいで汚い血が付着し、風呂に入ったため時間を要した。



「よしっ、無事生成完了だな。2号君、頼むから君はマトモであってくれよ!」


<−−− シュウゥゥゥゥ…… −−−>



「ご主人様、お初にお目にかかります。私は<タスク>という名の、しがないキングデーモンでございます。ぜひ、私に仕事をお与えください」


「あれ? これって……成功、したんだよ…………ね?」



 何処となくノルマ君と同じニオイがするが、タスク君はノルマ君と違って「下僕になりたい」系ではなく、真面目な社畜っぽい感じがする。


 マゾ変態じゃなければ、とりあえずは成功と見做していいのかもしれないけど……ノルマ君にも備わっていたこの社畜臭は、デフォルトなの?


 彼にまとめてもらったノートには、その辺の記載が全然ないのだが、キングデーモンの中では「働ける=幸せ」的な価値観が流行っていたりするのだろうか?



「ゴホン! まぁいいや。とりあえず、先輩が帰ってきたら彼と一緒に仕事をこなしておいて。僕がリソースを消費し終えたら、本命の仕事を任せるから」


「かしこまりました。先輩のご迷惑にならぬよう、この<タスク>……誠心誠意、努めさせていただきます!」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
冥界ってテレビ的なもので地上の出来事を見られたりするのかな 社畜系が列を成して呼ばれるのを待ってそう
要するに 表面上は元に戻っても それだけ先日までのアレが 骨身に染みていたと言うことでしょう そして アレが染み渡った血肉を材料にすれば デフォルトでそうなりますよね
メグミとノルマとタスクか……タスクをメグミ、ノルマをコナス…………
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