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723話 デーモン1号誕生


〜メグミside〜




 僕達が働いている間、<農民>同盟の先輩達は遊び呆け……ている訳もなく、スティーブが青褪めるほどの仕事量を軽々とこなしていた。


 ブラック慣れの極みに感動をおぼえつつ、「そのまま逸般人ムーブをかまし続けて、スティーブに"見習いたくない先輩No.1"」と思われ……


 僕の称号欄に鎮座している「不名誉な称号」を奪い取ってほしい、と願ってしまうよ。



 そして仕事の一環で、最近起こったスタンピードを<小鬼>同盟のせいにし、ゴシップ誌に金を握らせてスキャンダル化したクソ魔王。


 其奴がまだのうのうと五体満足で生きていたため、先輩方は「僕がすぐに餌化できる状態」まで丸裸にして、"据え膳"してくれたのだ。



「じゃあ、まずはダンジョンのリソースを奪うね。あら〜残念。頑張って大きく育てたダンジョンが、アッと言う間にただの洞窟になっちゃった〜」


「ぅっ……ぅぅぅ…………」


 自分が創りあげた城を壊されて、絶望のあまり大泣きする餌魔王だが、100%自業自得なので同情の余地はない。



「諦めろ。お前に残された道は、僕の餌としてリソースを全て差し出し、朽ち果てるか……魂もブッ壊されて来世の希望まで断たれるかの、二択だけだ」


「……………………」



 という事で……自業自得のバカは無視して、奪ったリソースを「グロテスク極まりない"人肉球"」に注入。


 多く注ぎすぎるとコスパが悪くなっちゃうけど、逆に少なすぎても「目的の眷属」が生み出されないか、貧弱なのが出てくるリスクに晒されるので……


 奪ったリソースを全部つぎ込んで、生まれる眷属が、たっぷりご飯を食べられるようにしてあげた。






 その結果……動かす度にグチャグチャと崩れ、切り取ったときのグロテスクな形状を半ば保つ、キモ過ぎる"人肉球"がリソースに包まれ……


 漆黒の球となった後、美しい闇の輝きを放ちながら変形して、二足歩行生物のフォルムを形づくり、繭のようになったソレが割れて中から悪魔が出てきた。



「お初にお目にかかります、ご主人様。私は、キングデーモンの<ノルマ>と申します。どうぞ、ご存分にコキ使ってくださいませ!」


 ダメだ、コイツ失敗作じゃん!



 名付けた訳でもないのに、勝手に<ノルマ>とか名乗り始めるし、「コキ使ってください」と言ったときの、僕を見上げる瞳の煌めき。


 正座して、女王様からのお仕置きを今か今かと待ち望む、マゾにしか見えなかった。



「いや、僕そういう趣味ないんで」


「何をおっしゃいます! ご主人様の元へ行けば、キツ過ぎて悟りを開くまで働かせていただけると伺い、はるばる冥界から参りましたのに!」



「ゴホン! ウチは基本ホワイトな組織です! ほら見てよ。君が格上に殺されそうになったとき、魂だけでも再び僕の元で転生できるよう、準備もして……」


「なるほど! 雑巾のように、一度ではなく擦り切れるまで何度も働かせて、身も心もボロボロになった後捨てる、"下僕周回プレイ"ですね! 素晴らしい!」



 おぃ、人聞きの悪いことを言うんじゃねぇよ!


 あまりにお前の頭がイき過ぎていて、僕を恨むか泣くことしかできない筈の敵が、哀れみの目を向けてきたじゃねぇか!!


 どうして「可能な限り高スペックな眷属を!」という意識でつくったのに、こんなピンポイントで、マゾな変態が生まれたんだ!?






「えっ、ちょっと待って。冷静になろう。君……もしかして、リソース不足で十分に成長できず、そんな状態になっちゃったのかい? だったらゴメン」


「いえ。私は充分すぎるリソースをいただき、素晴らし過ぎるご主人様にお仕えするために、通常のキングデーモンより諸々高めた状態で生まれました」


「やっぱり、ソレが原因だったかぁ〜〜〜〜〜!!!!」



 つまり僕がリソースを過剰供給しちゃったせいで、ノルマ君はより下僕体質になり、喋るだけでマゾのニオイが漂う変態と化した……と。


 本当に申し訳ない!


 次はもっとマトモに創造するんで、一度だけチェンジさせていただけないでしょうか?



「肉体強度も一般的なキングデーモンより優れているため、太く長〜くお仕えできます! 今後とも、末長くよろしくお願いいたします!」


「…………。(つまり、チェンジ不可って事ですね。現実は厳しい)」



 不幸中の幸いは、このキングデーモンがそれなりに高知能で、眷属創造時に必要なリソース量の匙加減についても、知ってそうなところ。


 つまり、2号君以降は"マトモなの"が生まれるわけだ。



「ご主人様、私に仕事をお与えください! "新米ゆえ信用できない"という事であれば、ドブ浚いやトイレ掃除などの下っ端仕事でも、喜んで引き受けます!」


 それでも、キングの名に相応しくない性格を持った……だけど無駄にスペックは高い、「ノルマ君」をマトモにすることはできない。



「(あぁ〜、やってしまった。こんな事になるなら、もう少し調べてから臨むべきだった)」


 とりあえずノルマ君。


 君が外へ出てそのムーブをかますと、僕の評判が益々ヤバくなるので、外出時は私語厳禁でヨロシク。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
ノルマと申しますで酒吹き出しかけたぜ
ノルマ君w 敵が哀れみを向けてるのはノルマ君になのか、ノルマ君が出来ちゃった、恵さんの境遇になのかwまあ、とにかく、強くて丈夫でドマゾすぎる下僕誕生おめでとうございます!w
あの映像見せたら永遠の忠誠を改めて誓いそうなマゾ!
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