722話 復活した<小鬼>メンバーは
〜メグミside〜
ダンジョンマスターとしての業務をこなすこと数日……鬼畜修行を終えたときは半分屍と化していた、スティーブとカルマも完全復活を果たし……
<農民><小鬼>同盟の全メンバーが、戦いに臨める状態となった。
そしてモンティート先輩達と話し合いをおこなった結果、<小鬼>同盟が引き受ける役割が決定。
「僕が、神力<眷属創造>を使ってキングデーモンを生み出し、其奴等をカルマの<コマンダー>ギフトで、この前マーキングした地獄世界へ送り届ける」
まだこの神力を使ったことはないから、キングデーモンがどんなものか正確には分からないけど……
Sランクの神力で作れる最強戦力だし、「頭がゴブリン並みで指示を理解してもらえない」とかいう、惨事にはならないだろう。
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〜眷属創造(S)〜
自らの血肉を核としリソースを分け与えることで、何のシステムにも縛られない、己だけの眷属を創造することができる。
Sランクで創造可能なのは、キングデーモンおよびソレ以下の眷属。
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そして其奴等に、「スティーブがHPを削って生み出した特殊アイテム」を使って、地獄世界のマッピングをおこなわせ……
コマンダーの「未知の領域開拓」が可能となる条件を満たさせ、「カルマが兵隊を飛ばせるエリア」を広げるのだ。
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〜駒つくりの筆〜
この筆にマナを込めて生物を描くと、その生物が実体となり、描き手の指示に従って動いてくれる。
かなり細かい指示も与えられるが、衝撃を受けると実体を維持できなくなり、崩れてその場で滅びてしまうので、何でもかんでも任せるのは難しい。
なお"衝撃"と認識されるボーダーラインは、描くとき込めたマナに比例するため、用途によってマナの量を変える必要あり。
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これでネズミを描くと、数の攻めで周囲を調査してくれるし……もし衝撃を受けて死んじゃっても、その場に残るのはインク代わりに使用した水だけ。
つまり神側に気取られる可能性が低いかたちで、敵陣を調査できるため、僕の眷属には直接調べるのではなく、この筆を使って手下を動かすよう指示を出す。
国宝級アイテムである筆さえ失わなければ、ネズミは何匹だって描けるし、地獄世界のマッピングも再開できるけど……
眷属自身が神側の誰かに発見されて殺されちゃうと、調査再開に必要なリソースが大きくなるので、危険な作業は極力"捨て駒"にやらせたいんだよ。
「(もっとも……その眷属達にも、最悪の場合は"転生"を命じるから、捨て駒的な側面はあるんだけど)」
いくら「極力危険な作業はさせたくない」と言っても、格上の敵がいる別世界へ眷属達を送りこむことに変わりはなく、彼等にも死の危険は付きまとう。
そのため、スティーブにもう一つアイテムを作ってもらい、敵に見つかったらそのアイテムを使って、殺される前に自刃できるようにした。
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〜血道の刃〜
この刀を使って自刃すると、魂は輪廻に戻るのではなく主人の元へ行き、「主人が創った器」に入ることで、記憶を引き継いだまま転生できる。
ただし転生前のスペックは引き継げず、能力値は「新しい器のスペック」となるため、記憶を引き継げるからといって、必ずしも恵まれた来世を歩めるわけではない。
なおこの刀は、「記憶の媒介役」として自刃者の魂と共にその主人の元へ向かい、役目を終えたあと"刃こぼれした状態"で顕在化する。
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スティーブの<水の職人>ギフトには、「HPを最大量の50%捧げる」という制約があり、病みあがりという事もあってまだ量産はできていない。
だがコレさえあれば、「知能を持った優秀な配下が危険な場所で死に、そこで得た情報を引き継げない」リスクを減らせるため……
ゆくゆくは眷属だけでなく高ランクモンスターにも携帯させて、彼等が死後"敵"として生まれ変わらぬよう、使用を勧めることになると思う。
「それにしても……眷属の核のつくり方って、コレでいいのかな? グロテスクな肉団子みたいになっちゃったけど」
僕が神力<眷属創造>で眷属を生み出すためには、自らの血肉で眷属の核をつくらなければならないのだが、やった事がないため正解が分からない。
一応、回復魔法で治せる範囲で身体の肉を切り取り、ブツの量だけは確保したけど、バスケットボール大のグロい"人肉球"……でいいのかな?
「フガァ〜〜!! フンガァ〜〜〜〜!!!!」
<−−− ボキッ! バコッ! ベキベキッ! −−−>
「うるさい、もうすぐ楽にしてやるから少し黙っていろ! お前の鼻水とか唾液が混ざって、核が核として機能しなくなったら、どうしてくれるんだよ!?」
まぁいい、下手にしおらしくされても殺しにくくなるだけ……ギャースカ抵抗している奴を〆る方が気楽だ。
「とりあえずやってみて、失敗したらもう一度……でいくか。試行錯誤できるだけのリソース源は、先輩方が確保してくれたしね〜」
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






