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719話 解決困難な悩み




 心の中では"反逆の炎"を燃やし、同じ境遇にある仲間と陰ながら協力もしているが、圧倒的強者である闇神を前にして彼女達にできることは何もない。


 そしてこの日もまた、後宮に捕えられ"出産マシーン"にされている彼女達は、容赦なく<ピー>され闇神の子を身籠った。



「フゥ〜、疲れた。今晩もまた来るゆえ、それまでに奴等の出産と腹の弛み除去を終わらせておけ」


「「「「「かしこまりました」」」」」



 神力で強引に妊娠→出産サイクルを縮めて、「毎日出産」というグロテスク極まりないスケジュールを、彼女達に強要している闇神は……


 事を終えた後、生殖機能を取り除き宦官となった眷属達に、「今日も同じように出産サイクルを回せ」と命じ、本殿にある己の寝室に引きあげた。



 上級神でありケタ違いの体力をもつ闇神でも、粛正三昧の日々に加えて毎晩「子作り×数十回」をおこない、朝まで眠れない日々が続くと……


 さすがに疲れが溜まってしまい、情事後に仮眠をとらなければ動くのが難しくなってきている。



 それでも彼に、ゆっくり休む暇などない!


 少しでも時間的余裕を与えると、身を守るために団結した中級神に殺られてしまうリスクが増すうえ……


 右腕となる「優秀かつ信頼できる人材」もいないため、全ての仕事が彼に集中し、処理しなければ"仕事の波"に呑まれてしまう状況だからだ。






「ふんっ! この苦労も、中級神共の粛正を完遂して、奴等から奪ったリソースをこの身に集中させ、優秀な子を後釜にすえて新体制を築くまでのもの」


 司令塔がプレイングマネージャー化して、「新米だらけでミス連発の現場」をフォローし、誰よりも働いている状況。


 そうなっても尚、闇神は「自分がおこなった大量粛正」を失敗だと認めず、自己正当化しながら根性で乗り切ろうとしていた。



 だが……徹夜や過労は根性論で誤魔化せても、一つだけ限度を超えており、圧倒的強者の闇神ですら解決できていない問題がある。


 それは、<ピー>の回数が多すぎて過労を極め、日を追うごとに元気をなくしていく己の分身を、回復させて再び輝かせたいという……男ならではの事情。



 「使いすぎて種が枯れる」こと自体は、病気ではなく"ごく当たり前の現象"なので、回復魔法で復活させられるものじゃない。


 なんせ、ケガをしたわけでも血を流しすぎたわけでもなく……毎晩<ピー>を楽しんだ結果、消費量に生産量が追いつかなくなっただけ。


 上級回復魔法には性欲増進系のものもあるから、全くブーストをかけられないわけではないものの、手持ちの技能じゃ根本的解決には至らないのである。






「精巣を丸ごとくり抜いて自己修復すれば、再び元気になるかもしれんが……腕や脚を一時的に切り落とすのとは訳が違うからな。それは最終手段にしたい」


 一人の男として、どうしても「<ピー>の切断&くり抜き」を許容できなかった闇神は、色々考えた末に一つの結論に達した。


 「そんな事を考える暇があるなら、寝たほうが回復するんじゃね?」とツッコミたくなる言動だが、指摘してはいけない……本人はいたって真剣なのだ。



「やはり……精力のつく食材を多く使った料理を作らせ、精力増強薬と併用するのが最善。だが精力のつく食材……はて、何があるだろうか?」


 飯を食べずともリソースさえあれば生きていける闇神にとって、食事は「趣向品」の位置づけなので、「精力のつく食材」を列挙するのは難しい。



「こういうのは、地球……特に、"日本という国"が秀でている分野だったな。部下に命じて、数日以内に"日本で食われている精力増進食"を調べさせよう」


 数分ほど考えた末、「己のチカラで答えを導きだす」ことを放棄した闇神は、部下に調査命令を出して仮眠に入った。






 その手の食材に最も詳しいのは、ウグリスを始め"数多の元神"をポイ捨てした「ゴミ箱」である、<サルトー区・ポルカト界>で暮らしており……


 「メグミに精力増進食を出し、そのまま"据え膳"の流れに持ちこむ」ことが、趣味になっているサーシャなのだが、闇神がそれに気付くことはない。



 彼にとって「下等生物である魔王のパーソナルデータ」など、確認する価値すらない代物ゆえ、<自販機作製>ギフトの機能にも疎く……


 そもそも、「異世界で日本と同じ飯が食える」なんて思ってもいないので、「メグミ&サーシャの存在」は思慮の内に入らなかったのだ。



 そして闇神が、夢の中でも「子種が枯れて"駒作り"が進まない」と嘆いている頃……モンティート達は、精力増進食の代表格であるスッポン鍋を囲んでいた。


 メグミの足腰が9割方回復し、カルマとスティーブも辛うじて起き上がれる状態になったため、本格的な慰労パーティーが始まったのである。



 いつもなら、他人がいようと遠慮なく据え膳展開に持ちこみ、途中でメグミを"お持ち帰り"してしまうサーシャだが……


 今回ばかりは、彼女も「喰う目的」ではなく「慰労目的」でスッポン鍋を作り、皆でコタツに入って暖まりつつ、仲良く熱々の鍋をつつく。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
毎晩「子作り×数十回」 って早漏か・・・?
ほんの少し闇神の事情知ったら、ロルカナ戦の再来になる状況だな、おい。 個人的な評価はロルカナ>闇神だけど(おいっ)
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