712話 肉体は枯れ心は満ちる
〜メグミside〜
その後も、マサルとサーシャにトリップしていた間の出来事を聞かせてもらい、若干しょげ気味のモンティート先輩に土精霊で治療された僕は……
多少ぎこちないものの、辛うじて自力で立てるようになって、そのままサーシャに<恵のダンジョン>の私室へ連行された。
「え〜っと……サーシャさん?」
「アスタリア先輩に、"メグミ君が元気になったら即喰え!"って言われたの♪ いつ闇神のポイ捨てが再開されるか分からないから、出来るうちにね〜」
「…………!!!?」
ちょっとアスタリア先輩、サーシャに何を吹きこんでいるんですか!?
彼女は純粋……いや、純粋ではないか。
でも言われたら、ソレを免罪符にして120%やり切るタイプなんですから、そういう冗談は言っちゃダメですよ!!
「大丈夫だよ〜。メグミ君、強くなったから体力も無尽蔵だし♪ って事で、さっそく第一試合いきましょう! ハッスル、ハッスル〜♪」
「あ〜れぇ〜〜〜〜〜〜」
まだ抵抗できる状態じゃない僕に、サーシャのエロエロ攻撃は1000%通り……僕は陥落した。
久しぶりのランデブーは最高だった反面、先輩方とマサルが見ている前で強制連行されたので、次会うときイジられるのが恥ずかしい。
「うわぁ〜。<禁欲の破壊王>バフが消えた〜。反動で、地味に身体が怠い」
「そのバフって、メグミ君がノルマトリップで"エクスタシー!"とか叫んでいたときは、途切れなかったんだね。あれは自慰カウントされないんだ」
「そりゃあ、どこにも性の要素ないもん! というか、そのトリップはマサルも見ていたんでしょ? 性的要素なんてあったら黒歴史過ぎだよ!」
「(メグミ君は、アレを"黒歴史じゃない"と認識しているのかな? 十分過ぎるくらい、真っ黒黒だと思うけど)」
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〜禁欲の破壊王〜
性に関わる行為を自ら禁じて守り通すと、その期間に応じてステータスにバフがかかり、武術家としての能力が高まっていく。
受け取ったバフを再投資して複利運用することも可能だが、もし誰かと致したり無意識のうちに慰めてしまった場合、バフは全て消え1からの再スタートとなる。
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以前、<ガロン>という80期の魔王を殺ったとき、ついでに奪ったこのギフトは、デスマーチ前にセットしておくと、勝手にバフがブーストされていき……
いい感じに「過労に耐えうる能力」を提供してくれる、代名詞にはしたくないけどメチャクチャ便利な能力だ。
マサルにも請われて<スキル図鑑>に登録してあげており、彼女ナシの彼は禁欲ブーストをキメまくっているんだけど……
定期的にサーシャの襲撃をくらって、"禁欲期間"がリセットされてしまう僕は、"オリジナル持ち"にも関わらずマサル程は恩恵を受けられていない。
「でもさぁ〜、メグミ君……久しぶりに生き返った気がしない?」
「…………します……ね」
いくら誤魔化したところで、僕はノルママシーン化しており月単位でご無沙汰だったのだ。
それを、最近より一層美しさに磨きのかかったサーシャに、ほぼ抵抗できない状態で蹂躙されてみろ!
秒速で陥落するから!!!!
「<恵のダンジョン>の急ぎの仕事は、ブラック労働させ過ぎた罰としてモンティート先輩が引き受けさせられたから、メグミ君はしばらく"仕事ナシ"だよ」
「サーシャは?」
「私の方も、アスタリア先輩が気を利かせてくれたから大丈夫。急ぎの仕事だけはするけど、元々メグミ君より疲れていないから何連戦でもイケるし」
つまり、「今夜は寝かせない」って事ですね。
肉体の回復が遅くなるのは目に見えているけど……男冥利に尽きます、枯れ枝になるまで搾り取ってください。
「ふふふっ。もう休憩できたよね? 第二試合いこう! できたら、SSランク昇格で増えた"自販機産のアレコレ"を使って楽しみたいなぁ〜」
「え〜っと……僕もイマイチ把握していないけど、言ってくれたら買えるようにするので、お好きにどうぞ……デス」
おそらく、明日の朝には土精霊の治療を受ける前の状態……下手をするとソレより酷い有り様になっていて、先輩方にニマニマされるだろう。
でも、いいんだ。
好きな女の子の笑顔を見て、彼女の望みを全て叶え彼女によって枯らされる事こそ、男の本懐なのである。
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〜翌日の昼〜
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「で……結局、お前は朝までサーシャちゃんとプロレスしまくり、ボロ負けしてまた足腰立たなくなったわけ? 一旦治療は諦めたら? また再発するぞ」
マサル〜、僕も薄々そんな気はしているけど事実を指摘しないでよ!
どうせまた<ピー>で悪化するからと治療を放棄したら、このマグロ状態でさらに喰われて本格的に腰をやっちゃうし、地味に死活問題なの!
「だそうです。モンティート先輩、お手数ですが"無駄な治療"一人前頼みますわ」
「了解! ウチの土精霊の回復促進と、サーシャちゃんのバキューム攻撃……どっちが押し勝つか、長く苦しい戦いになりそうだね」
いや、先輩まで「長期戦でじっくりいこう」的なノリで治療計画を練らないでくださいよ!
もしかしたら……1%くらいの確率かもしれないけど、サーシャが寝落ちして<ピー>の時間がなくなり、目覚ましい回復を遂げるかもしれないんで……
その可能性を諦めずに、今日も全力で治してください!!
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






