表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
710/967

710話 メグミがトリップしている間に


〜メグミside〜




 SSランクに昇格したことで、僕の<自販機作製>ギフトは、自販機大国で暮らしていたマサルに、「もはや自販機じゃねぇ」と言われるほど機能拡張した。


 僕の「自販機」の認識は、「お金を入れると物を買える不思議箱」なので、そこまでイメージから逸脱した変化はないと思うけど……


 マサルの持つ概念の方が"元祖"に近いに決まっているし、きっと日本人の感覚だと、僕の自販機はぶっ飛んで見えるのだろう。



「ところで、マサルの<スキル図鑑>はどれくらい成長したの? あと、スティーブとカルマは? あの二人、まだちゃんと生きているよね?」


「すでにルノーブル先輩の眷属に肉体を乗っ取られて、寝ている間も修行フィーバーさせられている状態だが、一応生きているぞ。時々目覚めて絶望している」


「あっ、うん……何となく察した。ご愁傷様デス」



 スティーブとカルマは、先にノルマトリップして自己修行の沼に嵌った僕を見て、中途半端に冷静になってしまい……


 だけどマサルほど実力も伴っていないため、トリップ出来ないうちに体力・精神力の限界がきて、「肉体乗っ取られモード」に移行させられたのだろう。



「(目覚めるたびに現状に絶望するって事は、まだ精神トリップには程遠い……と。お気の毒に。何事も吹っ切れないと損をするね)」


「(吹っ切れすぎて、顎カタカタ・ヨダレ垂らしまくりで白目トリップしていたお前よりは、絶望できるだけマシだぞ。あれは、俺でもドン引きの黒歴史だ)」



 何故かマサルが憐れみの目を向けてきて、不愉快きわまりないけど……スティーブとカルマは(ギリギリ?)生きていると判明したし、それで良しとする。


 この重要局面で味方に死者が出て、しかもその原因が「先輩がパワハラの加減を間違えて殺っちゃいました」じゃ、シャレにならないもん。


 現在の状態がどうあれ、廃人化せず生きているなら、そのうち目標の「ギフト覚醒」を果たして修行地獄からも解放されるでしょう。






「俺のギフトの成長は、お前のファンタジー自販機と違って"文字にすると地味"なんだよ。だけど、シンプルだからこそ強い。ほれ、見てみろ」


「へぇ〜、なるほど……そういうパターンか。たしかにこのランクアップで、<スキル図鑑>の欠点が著しく緩和されたね。さすがマサル!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜スキル図鑑〜


相手の許可を得ることで、スキルおよびギフトが図鑑に登録され、登録された任意の能力を一時的に模倣できる、特殊な<能力玉>を生みだせるようになる。


ただし<能力玉>をつくる際は、己の血とHPを対価として捧げる必要があり、事前準備ナシでは役に立たない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


*S→SSランクへの昇格に伴い*


・<能力玉>をつくるとき捧げる血の量が減った

・<能力玉>をつくるとき捧げるHPの量が減った

・<能力玉>を食べたときのギフト模倣可能時間が伸びた


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 マサルの言うとおり"地味"だけど、事前準備に相当なリソースを割かれていた<スキル図鑑>を、より手軽に長時間利用できるようになった。


 そしてこのギフトは、「<能力玉>を食べたマサル以外の者」にも同等の効果をもたらしてくれる、バフ系能力なので……


 <能力玉>1個あたりの作製コストが下がり効果時間が伸びると、共に戦う仲間にもバフが行き渡りやすくなり、チームの総合力アップにも繋がるのだ。



「成長してギフト・神力の練度が上がれば、相対的に重要度が減って、いずれお蔵入りになると覚悟していたんだが……思わぬ形で生きながらえたぜ」


「普通のギフト・神力は、他者に"同じ能力を使わせること"なんて出来ないもんね。多少"質"が劣るとはいえ十分凄いよ。差別化成功おめでとう!」



 僕の<自販機作製>は、SSのさらに上を目指した場合、「そのうち自販機に人工知能が搭載される〜」みたいな話になっていたけど……


 <スキル図鑑>は仮にSSSランクになっても、準備とか効果時間がより改善されて、「シンプルTUEEE」を極めそうな気がする。






「それと、ようやく下僕魔王のポイ捨てが止まった。これで終わりと断定するのは危険だが、お前のボロ雑巾化した肉体を回復させる時間くらいはあるぞ」


「へぇ〜、遂に終わったんだね! ノルマ完遂〜〜〜〜!!!!」



「おぃ、"ノルマ"発言すんな! 俺もサーシャちゃんも、トラウマを植え付けられたんだよ!!」


「うげっ!? ゴメン、ゴメン。つい油断しちゃった。気をつけます〜」



 マサルいわく、未だ中級神クラスの神が廃されてポイ捨てされた事例はないので、粛正が完了したと楽観的に構えるのは危険らしい。


 だが……堕ちた神々による下僕配信で、闇神派閥の総数はおおよそ把握できたため、その数から考えると「下級神の粛正」は終了したと見ていいそうだ。



「たぶん闇神は、派閥の下級神……9割以上入れ替えたぞ。断捨離し過ぎて、"最大派閥から陥落するんじゃねぇの?"って疑惑まで出ている」


「ざまぁ〜。自分が囲い込んでいた"Yesマン"の下級神候補を昇格させて、粛正した神々の後釜に据えるにしても、掃除の規模がデカ過ぎて統率とれなそう」


「あぁ。後悔して再雇用を試みようにも、ポイ捨て組は150体を除いて俺等に狩られちまったし、そもそも恨みを買いすぎだ。元のポジションに戻せるわけがねぇ」



 自業自得でしかないしけど、闇神はこのピンチをどう切り抜けるつもりなのだろう?


 自滅して"狩られる側"に回ろうが、下剋上されてサンドバッグになろうが、奴の未来なんてどうでもいい。


 でも頼むから、「やっぱり中級神も総入れ替えしなきゃダメだわ。俺頑張る!」とか言い出して、コチラの地獄を再開させないでくれよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
嫌なタイミングでやたらいらん事するくせに、検証とかで必要なタイミングじゃサボり倒すとかマジで闇神使えねぇな、おい(敬意皆無)
スキル図鑑に登録したスキルを、成長させたり、かけ合わせたりできる能力でもついたかと思ったよ
某国の某大統領を見てる気分
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ