表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
709/973

709話 攻撃力を持つ自販機


〜メグミside〜




「他に目ぼしい変更点と言ったら、自販機の不壊特性がランクアップしたことくらいかな? "壊れない"だけじゃなくて"反撃してくれる"のは、助かるかも」


 Sランクの時点で不壊特性が付いており、「神様に蹴られても壊れない金属の塊」になっていた、僕の自販機。



 それがSSランクに昇格したことで、不壊特性はそのままに、「破壊しようとした相手から罰金を自動徴収するシステム」が追加され……


 サポート一辺倒で攻撃力皆無だった自販機に、(自衛限定とはいえ)敵にダメージを与えられる能力が加わったのだ。



「現金や貴金属を持っている相手からは、まずソレ等を徴収。金欠だったり、奪えない場所に資産をしまってある相手の場合、資産の代替としてMPを徴収する」


 ここまでは、取られたところで若干ムカつく程度のダメージだが……自販機の自衛能力が恐ろしいのは、ここから。



 マサルをはじめ戦い慣れている猛者は、敵のバキューム能力で戦闘不能に陥らぬよう、普段から「己のHP・MPを保護するアイテム」を身につけている。


 だけどこの自販機……MPもガードされて奪えなかったら、次はHPを……HPもダメなら、次は魂から直接リソースを徴収しにかかるんだよ。



 つまり下手に罰金徴収をさまたげると、貴金属やMPより何倍もヤバイ、「才能の器」とか「存在」そのものを奪われてしまうわけで……


 強者であっても、初見で「ムカつくから蹴った。この箱の調査? 必要あるの?」みたいなポカをやらかすと、取り返しのつかない代償を支払うハメになる。






「そもそも、その罰金徴収能力……どう見ても"自衛限定"なんて甘い代物じゃねぇしな。敵の上に自販機を出現させて、落とせば罰金取り放題じゃん」


「あっ、そうか。たとえ敵が"身を守るために自販機を蹴り飛ばした"パターンであっても、自販機視点で"攻撃された"なら、罰金徴収機能は発動しちゃうんだ」



 となると、"サポート特化"ゆえ攻撃に加わることができなかった僕でも、「自販機飛ばし専門の後衛」として参戦できるってことだよね?


 敵に避けられて味方に被弾すると、フレンドリーファイアで味方から罰金を強制徴収してしまい、足を引っ張る結果になるけど……


 徴収の仕組みが最初から分かっている以上、味方には念のため「失っても困らない金貨」を数枚、奪える所に持たせておけばいいだけ。



 そしてリスクを抑えつつ、敵には「絶対に壊れない超絶重たい金属塊」が頭上から幾つも降りそそぎ、「うっかりガードしようものなら即罰金」という……


 初見殺しかつ地味に強力な攻撃を、在庫の消耗ナシでぶつけられるのだ。



「マサル。後で<自販機流星群デス・メテオ>の試し打ちをしたいから、敵の役をやって何発かガードしてよ。バイト代は払うからさ〜」


「構わないけど、経費は絶対にお前持ちな。幾ら奪われるのか、徴収された罰金が何処へ行くのか分からん以上、経費自腹なんて御免だぜ」


 了解です!



 実用化に向けたテストは、マサルに有償でやってもらうとして……使い方を学ぶための訓練なら、カルマとスティーブを生贄にするのもアリかも。


 彼等にとっても「物理攻撃を避ける修行」になるし、たとえ自販機を避けきれず弾き飛ばしてしたところで、MPを枯渇するまで絞られる程度で済むでしょう。






「他にも……自販機のラインナップに<両替機>が追加されたり、細々とした機能拡張はあるけど、目立つ変更点はないな」


 自販機は、どこまでいっても自販機なのだ。


 SSランクにランクアップしたからといって、自販機に手足が生えて眷属化したり、自動で戦闘をこなす部下にはなってくれない。



「もし誰も到達者がいないだけで、SSランクの上にSSSランクが存在するのであれば、ランクアップした暁には"自動で判断する機能"くらい付きそうだけど」


「えっ、本当!?」



「俺が暮らしていた頃の日本では、まだそういう機能は装備されていなかったものの、AI……人工知能の研究は、盛んにおこなわれていたからな」


「…………?」


「実際に触れてみないと、概念を掴むのは難しいか。とにかく、お前の代わりに色々察して商品を提供してくれる、"秘書的な自販機"ができるかもって事だよ」



 まったくイメージがつかないけど、「マサルが元いた世界はファンタジー」って事だけは理解できたよ。


 たぶん自販機にオートマタを組み合わせたようなモノが生まれて、その子がオススメ商品を勝手に買って提供してくれる……みたいな感じだよね?



 本当に僕や仲間の気持ちを汲んで、スティーブ並みの執事力を発揮してくれるなら、メチャクチャ助かるけど……


 役に立たないのに、なぜか課金力とやる気だけは一級品みたいな、「ポンコツ秘書自販機」が誕生したら、特急呪物に憑かれた状態になっちゃいそう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
便利な自販機すぎると、1話で話が終わっちゃう
あれかな?口からもんじゃ焼きのタネが出て来たりお尻からココアがでてくるのかな?
とりあえず下僕元神をモルモットにして検証かぁ。 特に自販機プレスで力尽きたらメグミ自身にちゃんと経験値がフィードバックされるのかどうか。 うまくやればデスマーチが大幅に楽になるし。 あと地味に気に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ